くノ一淫闘帖秘録~薊編~②

6.産卵 その時は刻一刻と近づいて来ていた。それにつれて夜という安らぎの時間は薊から奪われた。 生暖かい隙間風が入る粗末な小屋の中に一切の明かりはなく、今夜の様な月も隠れる曇天では、小屋の中は墨を流したように闇に閉ざされ…

くノ一淫闘帖秘録~薊編~①

巴が目を覚ましてから数日。未だ二人は洞窟で過ごしていたが、巴は失禁することもなくなり何かにつけては薊の役に立とうと野鼠のように薊について回り、水を汲み、野草で有り合わせの汁物を作り、休む暇もなく働き続けていた。 一先ず敵…