魔法少女アイ外伝 魔法少女メグ⑩~終焉~
10 終焉 教室はざわついていた。 少年少女が通う塾は、今日も盛況である。大企業の御曹司、令嬢が通う塾は、一昔前よりも生徒数が減っているものの、金に糸目を付けぬ富裕層の親により、一定数の水準は保っている。御曹司、令嬢と…
10 終焉 教室はざわついていた。 少年少女が通う塾は、今日も盛況である。大企業の御曹司、令嬢が通う塾は、一昔前よりも生徒数が減っているものの、金に糸目を付けぬ富裕層の親により、一定数の水準は保っている。御曹司、令嬢と…
6.産卵 その時は刻一刻と近づいて来ていた。それにつれて夜という安らぎの時間は薊から奪われた。 生暖かい隙間風が入る粗末な小屋の中に一切の明かりはなく、今夜の様な月も隠れる曇天では、小屋の中は墨を流したように闇に閉ざされ…
9 陶酔 しゅるしゅる、と、絹地れの音が小さくこすれている。 メグは、衣服を身に着けるために用意された部屋で、耕一郎に渡された服に着替えていた。 まっさらな生地は手触りがよく、その表面の装飾をなぞると滑らかに指先が滑る…
巴が目を覚ましてから数日。未だ二人は洞窟で過ごしていたが、巴は失禁することもなくなり何かにつけては薊の役に立とうと野鼠のように薊について回り、水を汲み、野草で有り合わせの汁物を作り、休む暇もなく働き続けていた。 一先ず敵…
5.蹂躙 「え~っと? あれ、何だったっけ?」 道を歩く少年たちがいた。 住宅街の一角である。 連休中とはいえ、こんな時間に少年が歩いているというのは、異様な光景であった。 彼らは一つのマンションのドアの前に立っている。…
4.捕縛 「えーと、この辺りのはずなんだけどな」 耕一郎は口の中で小さくつぶやいた。 閑散とした住宅街である。休日の住宅街には、出歩くものがおらず、ひっそりと静まり返っていた。 このほとんど人のいない道を、複数の少年が歩…
3.契機 土曜日。メグの担当している塾の講義は既に終わり、夕方の教室には静寂が訪れている。 その静寂の中を、メグはただ一人で捜索していた。 ここ数日、メグは、全身に絡みつくようなねっとりとした視線を感じ続けていた。 隠…
あらすじ これは綾守先生の遺作である魔法少女アイ外伝の二次作品です。 二次元ドリームマガジンに追悼特集に掲載された綾守先生のあらすじに私が想像で追加したものを伊藤巧先生に書いて頂いた作品の始まりの部分です。 1.始動 …