御堂レイカ 外伝~終・地下鉄A筋線近辺では~前編

レイカはその日、いつも通り仕事をして、いつも通りに帰宅をした。
 玄関でヒールを脱ぎ捨て、次にストッキングを脱ぎ、洗濯機に入れる。
 荷物をテーブルの脇に投げ捨てるように置いた。
 いつもならその後、ベッドで寝たり、テレビを観たりするのだが……。
 しかし、その日は少し様子が違った。
 高級マンションのベッドで真っ直ぐ向かい、ベッドの海に身体を預けると、レイカは悶えていた。
(この私が、こんなこと……。悔しい……!)
 そう思いながら、熱い体をくねらせた。
 レイカはベッドで、胸をシーツに擦り付け、快感を貪る。
「ん……っ」
 美しいブロンドの髪が、背骨の曲線に合わせて流れを作る。
 胸を調教され、育まれたその豊満な胸を、ベッドに押し付けて、胸で感じている。
「あ……、んん」
 どうしてこんなことになってしまったのだろう。
 レイカはそう思いながら、熱を上げていく身体を鎮めようとした。
 仰向けになると、その双乳はふわんと天を仰ぎ、その中心にある突起がレイカを感じさせているということを明らかにしていた。
 私は……、負けてはいけない。
 レイカはそう思いながら、深呼吸をすると、少しだけ熱がマシになってきたような気がした。
 だが身体はうずうずと、まだ熱があることをレイカに感じさせて知らせる。
 こんなもの、すぐに治まるわ。
 そう思いながらも、ベッドの上で胸を揺らし、体勢を変えて悶えていた。

 今日、レイカが捕まえたのは大物の政治家だった。
 それも変態じじいで、もう勃起はしない。
 しかし美しい女性が悶絶している姿が好きだと言う変態だった。
 レイカは警察の助っ人に呼ばれ、ターゲットを聞き、わざとその男に捕まった。
そして仕込んだ発信機で応援を呼ぶも、警察は中々来ない。
 妨害電波と警察上層部の圧力のせいで許可が下りないのだろうとレイカは容易に想像がついた。
 こんなことなら助っ人を呼ぶ前に話を通しておいてほしかった。
 男は当然、男女の関係に持ち込みたくて、レイカを椅子に押し付け、その美しいレイカの髪と顔をじっと見て、笑みを浮かべる。
 それからすぐに、男はレイカの豊満な身体を自身の手でボディチェックをした。
「……ん」
 身じろぎすると、男は「ここが感じるのか?」と言ったが、レイカはそんなことは言われ慣れている。
「あら、そうかしら。そんなに感じないわよ」と言って余裕を見せた。
 そして身体検査をされるレイカ。
男は熟練のテクと長年の経験で、レイカが胸が弱いということをすぐに見破った。
「お前さん、胸が弱いだろう」
「さあ、どうかしら……。試してみる?」
 そう言って、レイカは男に身体を預ける。
 これも立派な囮捜査官の仕事だ。
 それに、どんなテクニックなのかも、気になる。
 さらに警察が踏み込むまでの間、時間も稼がなくてはいけない。
 レイカは自らの身体を差し出して、その時間を稼ぐことにした。

 その男はレイカの胸をまずは服越しに触っていた。
 突起の部分から少し離れた、乳輪の辺りをやんわりと揉んでいく。
 片方ずつ、入念にマッサージをするかのように乳首の周りばかりを刺激する。
 その皺のある手の感触に、レイカの胸は次第に熱くなっていき、乳首が勃ってしまった。
「……っ」
 何よ、結構上手いじゃないの。
 その触り方はフェザータッチで、大事なところへは最後まで触らず、周辺を触るばかりで、もどかしさをレイカに与えた。
 男はゆっくりとレイカの服を脱がし、ブラのホックを外す。
 そしてそのブラを取ると、そこにはレイカの大きな柔らかい美しい胸が現れた。
 男は歓喜し、その胸をたぷたぷと指で弄び、手のひらで感触を楽しむ。
 その肌に手を滑らせるばかりの責めに、レイカは「そんなもの?」と挑発する。
 さらにレイカは「まだまだね」と、余裕の笑みを見せるも、薄っすらと汗ばみ、汗のにおいを振りまいていた。
 男はレイカの完璧な美しさを持つ胸にを何度も何度も揺らし、動かし、下乳にも刺激を与えた。
 しかし男は全てフェザータッチで、いつまで経っても決定的な責めをしてこない。
 レイカはそれが不満で、その日の夜はいつもであれば寝る時間だったのに、胸への中途半端な責めのせいで、眠ることが出来なかった。
 男はその日はそれだけにし、また次の日、レイカを朝から責める。
「お前のおっぱいは揉み甲斐があるなぁ」
 そう言って、レイカを自身の膝の上に後ろ向きで乗せて、後ろからレイカの胸を撹拌するかのように揉んでいく。
 そして揉んだかと思うと、今度は指先でつー……と、軽く鳥肌が立つような触り方で胸を触るのだ。
 乳首には触れずに、そうしたこと先端の周りばかりを刺激する男に、レイカは汗を掻きながら「もうそれで終わりかしら?」などと言って、挑発していく。
「俺はお前さんが欲しいよ。俺のところに来てくれると言ったら、触ってやろう。もう真っ赤でびんびんじゃないか」
 その時、男の荒い鼻息が乳首に当たった。
「んふ……」
 思わず声を上げてしまうレイカ。
「ここはもう触ってもらってほしくて仕方ないみたいだ」
 そう言いながらも、レイカが屈せずにいると、男もそれならばと、わざと息を吹きかけたりはするものの、達するまでにはいかない刺激しか与えなかった。
 フェザータッチ、それしかしてこないのだ。
 もうレイカが触ってほしいと思っているというのに。
 ……何よ。これじゃ生殺しじゃない!
 レイカは自身の胸をもっとめちゃくちゃにしてほしかった。
 この男はそれが出来る。
 なのに、男は我慢するレイカ、強がるレイカを見て楽しんでいる。
 レイカの秘部はもう濡れていて、胸の刺激だけで子宮がきゅんと疼く。
 しかしそれでも男はレイカが達するようにはしてくれなかった。
「いつも胸ばかり……。他に興味はないのかしら?」
 レイカは飽きたと言わんばかりにそう言うが、それはレイカなりの強がりだった。
 胸が弱いと見抜かれていても、そんなわずかな刺激では達さないという、意志の表れ。
 男は「そうかい。それじゃあ、こっちがどうなっているのか確かめさせてもらおう」と言って、レイカのパンツの横を鋏で切る。
 ぱさりと音を立て、レイカのパンツは床に落ちた。
(あ……。限定のお気に入りの下着だったのに!)
 そう怒りを感じる辺り、レイカは可愛らしい女性であることがわかる。
 そして男はレイカのそこに指を這わせる。
 ぬっちゅ、ぐちゅり。
 そんな音が聞こえる。
「ここには一度も手を出していないんだがな。そんなに、胸が気持ちいいのか?」
「そんなことないわよ……」
 そう言うと、男は裸になったレイカを見て、「もっといじめてあげよう」と耳元で囁いた。
 その声に、レイカはぞくりと背筋を凍らせるのだった。

 しかし、結局その後、何度も何度も責められて、レイカは一度も達することなく、その大物政治家は警察に捕まったのだった。

 家に帰ったレイカは、眠れずにいた。
レイカは身体が夜泣きして眠れないのだ。
「もう、どうしてよ……!」
 火照った身体の熱が冷めない。
 レイカは自分の体を抱き締めて泣きたい気持ちになる。
 しかし泣くことはプライドが許さない。
 その代わりに、身体が泣いていた。
 胸が、下半身が、ぐずぐずと泣いている。
 胸はもう服の上からでもわかるくらい、その両の胸の飾りは立っている。
もはや飾りと呼べるかすら怪しいほど、くっきりとしていた。
 涙を流すかのように、汗がじんわり流れ出る。
 特にその熱は胸に集中していた。
 胸の谷間には汗が流れる。
 まるで全身が性感帯になったかのようだ。
 指先が、ドアのノブを触っただけでひんやりとしたその感触で感じてしまう。
「この程度の感触で、感じてしまうなんて……」
 ドアを閉める時にわずかに胸がドアに触れた。
「んっ」
 胸の先端が、ぴんと立ってしまっている。
 そこをドアでノックされたようなものだ。
 敏感なそこを不意に刺激され、レイカは甘い声と息を漏らした。
 そして爪先が床の冷たさを伝えると全身に痺れるような感じがした。
 こうなった原因は、あの大物政治家のせいだ。
 あの男……。こんな風にしておきながら、檻の中に逃げて……。
 レイカは腹立たしくて、悔しくて、服を全て脱ぎ捨てると、ベッドへ一直線に向かって行く。
 あんなに責めておいて、何度も触っておいて、私は一度もイッてないのよ!
 やるなら最後までちゃんとイカせなさい!
 レイカはそう思うと同時に、溜め息を吐いた。
 それは熱が籠った、熱い吐息。
 あの大物政治家が高めるだけ高めたその気分、感度が、突然熱を失うことなどまずありえない。
 寂しい。苦しい。辛い。
 本当に、何ということをしてくれたのだろう。
 私の身体が、イけてないじゃないの……。
 そう思いながら、もうすぐベッドだからと身体を抱き締めながら歩いていく。
 一歩、また一歩。
 レイカはベッドに着くまでがとても長く感じられた。
 揺れる胸が、重力に逆らうから上下左右に好きな方へと動いて、その刺激で乳首は立ったままで、少しだけ触ってみると、硬くなっている。
オマンコだって心なしかしっとりしている気がする。
 そんな身体にした大物政治家の男を恨みながら、歩く。
 歩いていると次第に大物政治家のことよりも、今ある身体の熱に自然と考えることは変わっていった。
 早く、早く刺激が欲しい。
 イキたいのよ……!
 そう思いながらまるで人魚姫が初めて陸で歩くかのように歩いていく。
 裸のレイカはそうしてようやくベッドに辿り着いた。
 レイカがベッドに横たわると、金色の絹のような髪が、ベッドのシーツに舞う。
そしてその豊満で艶めかしすらもある美しい身体はゆっくりとくねり、シーツに皺が出来る。
 胸が少し揺れるだけで、指先が冷えたシーツに触れるだけで、そこが熱くなる。
 普段では性感帯になんてなりはしない脹脛ですら、性感帯になっているかのようだ。
 まさに全身が性感帯になってしまった。
 何も触らなくても、わずかに空気が触れるだけで、それだけで刺激になってしまう。
 息をすればその息を吸ったり吐いたりして、胸やお腹が動くと気持ちよくなってしまう。
「ううっ、こ、こんなことにも感じてしまうだなんて……」
 足を、膝をもじもじとさせると、まるで陰核の付近を愛撫されているかのように思う。
 自然と、そこは濡れていく。
 大きな胸は、刺激がある度に、揺れて、振動が心臓まで伝わってくる。
 そして頭が、身体が痺れていく。
「頭、変になったり、しないかしら」
 それは不安というよりも、どちらかというと期待を込めた言葉だった。
 本心を言ってしまえば、おかしくなってしまいたかった。
 そして、頭を空っぽにしてしまいたかったのだ。
 それだけ、身体が寂しくて泣いている。
 たくさん可愛がってとあちらこちらで熱が上がっていく。
 レイカは、目を閉じて今までのことを思い出す。
 思い出せるだけ思い出していくと、不思議な感覚があった。
 胸の辺りをまるで触られているような……。
 もちろんそこには誰もいないし、自分も揉んではいない。
 まさか、千手じゃあるまいし。
 そう思っているとやがて大きなおっぱいを揉まれる感覚が蘇るのだ。
 ああ、そうか。
 ただ思い出しているだけで、揉まれている感覚も思い出しているんだ。
 それだけ、胸を揉まれたいと身体は、心は思っているのだろう。
電車では一人、声を出さずにしていなければならなかった、あの日が頭に浮かぶ。
 そしてレイカは電車での過去を思い出す。
 秘裂に指を潜らされ、胸をびんびんになるまで吸われ、肛門にも指を這われて……。
 ああ、そういえばあの二人組に二つの穴を同時に責められたんだった……。
 後ろの穴を人差し指の付け根までずっぽりと入れられて、前の方の穴にも指を入れられた。

そして二人に両方を責められて……。
 それから、たくさんの男達の前で、千手に痴漢されて、いや、痴漢なんてものじゃなかった。もっと酷い、強姦のような、そんな責めを多く受けてきた。
 たくさんの男達の視線……、レイカを責める手の数々……。
 中を、肉棒で責められた時……。
 それらがフラッシュバックする。
 胸を弄られて、乳首でイかされて、大陰唇を開いて次に小陰唇に手を這わされて……。
 挙句の果てには陰核を弄ばれて、何度も絶頂をさせられる。
 そしてあの充実感が、マンコを拡張される感覚が、出て行くときの膣襞が引っ張られて捲られる感覚が、アナルのあの何とも言えない感覚がレイカを襲う。
 男達の欲望の視線……。
 千手の声。
 たくさんの痴漢の手……。
「あっ、そ、そんなに見ないで……!」
 目をぎゅっと閉じながら、レイカは妄想に耽っていた。
 あの時のことを思い出して、何度もあった痴漢の手を再現して……。
 そんなことを思い出しつつ妄想していると、手が自然とあの痴漢達の再現をしていく。
「ああ……、ダメ……っ」
 胸を触られ、揉まれていく。
 揉まれた胸は、熱を帯びてすぐに乳首が立つ。
 この手は、私のものじゃない……。
 あの痴漢達の、手。
 そう思いながらレイカは胸を触り続ける。
「んっ、んん……っ」
 身体をくねらせる。
 感じ過ぎて尖りきった乳首、レイカがどれほど興奮しているのかがわかる。
 胸を片手で揉みながら、もう片方の手を下にゆっくりと移動する。
 そしてマンコにも指を這わせた。
 そこは濡れすぎていて、洪水が起きているかのようだった。
 指をぐちゅぐちゅのそこに入れて、中を刺激する。
 自分のイイところは知っている。
 だから、レイカは早くこの体の熱をなくしたくて、絶頂を迎える準備をする。
 ぐちゅぐちゅと、指を動かす度に音が部屋に響く。

 いつもならばレイカはすぐに強く否定出来る。
 相手が、敵が目の前に居れば演技も出来る。
 任務を忘れず、目的のために相手を躍らせることだって出来るのだ。
 そして任務は必ず果たす。
 でも今はマンションに一人っきり。
 任務なんてものも今は全く関係ない。
 ベッドの上で、レイカはその美脚を見せつけるように大股開きをする。
 一人、艶めかしくゆっくりと。
 そこには女性から雌になったレイカしかいない。
 じんわりと出ている雌としてのフェロモン。
 そして、腰が動く。
 まるで何かを求めるように、押しかかられるのを待つように、足が開いていく。
 誰に命令されているわけでもないのに、大きく開いていく足。
 そして、露わになる秘裂。
 そこは指で中を弄っていたこともあって、とろとろに蕩けている。
 もう指を入れても何も痛くない、指三本入れても大丈夫なくらいに濡れていて、いつでも大きなものを挿入されてもいいくらいだ。
 すぐにレイカはその濡れた奥に、指を入れ、進めようとした。
 しかし、少し思うことがあって、少しだけ溜め息を吐いて、熱を逃がす。
 レイカはいつだって勝てるわけではない。
 いつだって、強い御堂レイカでいられるわけではない。
 千手の声に負けても、快感が欲しい。
 そう思うことだってある。
そんな恥辱に塗れた、雌が出てきてしまう……。

 ああ、そうだ。そういえば、DVDがあったのだった。
 何故か捨てられなかったもの。
 拓哉から没収したDVDを取り出して、震える手で再生した。
 二人組の声と手、そしてそれに耐える自分。
 レイカはごくりと喉を鳴らす。
 そこに映し出された自分の姿に、興奮するのだ。
 なんていやらしい顔なのだろう。
 なんていやらしい、雌のボディなのだろう。
声だって、こんなに鳴き声を上げて……。
甲高い声で、泣きそうになりながらも嬌声を上げている。
 淫らとしか言いようがない自分の姿。
 レイカは酷く興奮した。
 そして再生されているDVDの映像で、客観的に自分が見える。
 そりゃあ、男だって触りたくなるだろう。
 自分が欲しくなるだろうと感じた。
 DVDを再生したまま、レイカはしばらくその映像から離れられなかった。
 映像をそのままに、再びベッドに戻ると、足を大きく開いて、胸を擦る。
 最初は優しく。
 だけれども、少しずつ強く揉むようにしていく。
 乳首を弄って、引っ張って、撫でて。
 その先端を、リズミカルに指先で弾くように触る。
「んんっ! あ、うぅっ!」
 まだ、まだこんなものじゃない!
 もっと、凄い責めを私は受けてきたのよ!
 そう思ったレイカは、さらに胸だけでアクメを迎えようとこれまでされてきた胸への責めを再現する。
 舐めるのは難しいから、指先を唾液でたっぷり濡らして、その指で乳首を擦る。
 すると舐められているような、そんな感覚に近い気がするのだ。
 飽きないように、途中途中に乳首を引っ張ってみたり、ぎゅっと摘まんでみたりもする。
 まるで、誰かにレイプされているような、そんな気がしてきた。
 両手で胸を乱暴に揉んで、形を変えていく。
 目を閉じると、よりそれがリアルなものになっていく。
 胸をふるふると震わせて、自分の責め……、いや、されてきた責めによって徐々にアクメに近づいていく。
 もっと、いっぱい刺激が欲しい! ……と、レイカはさらなる快感を求める。
 胸を乱暴に揉みながら、乳首を濡らしてわずかな刺激でも気持ちよくなるように指で何度も敏感なそこを触って、時には時間を置いたりして、身体が刺激に飽きないようにした。
「はあ、ん……」
 切なげに声を上げるレイカ。
 顔を赤くして、眉を顰めている。
 でも瞳はうるうるとしていて、いつもの迫力がない。
 普段であれば、レイカは我慢が出来ただろう。
 こんな自慰に耽ったりしないで、さっさとシャワーでも浴びて次の日のために眠りに就くはずだ。
 だが、我慢なんて、今のレイカに出来るわけがない。
 それだけの強い刺激を、ずっと残る熱のある身体にあの大物政治家の男にされてしまったのだから。
 それも、一番嫌な形で。
 長く熱を持ったまま、身体がずっと寂しいと泣き続ける。
 刺激がとにかく欲しくて堪らなくなってしまう。
 その身体の寂しさを埋めるために、レイカはまた過去の事件を思い出す。
「いっ、イッちゃううううううぅっ!」
 レイカは二人組にされたように、千手にされたように胸だけでアクメした。
 もし、あの時負けていたら、助けが来なかったら……。
 そう想像するだけで、レイカはゾクゾクする。
 そうだ。あの二人に、千手に私は犯されてしまうのだ。
 ああ、なんということだろう……!
 胸を愛撫する手の動きが速くなってしまう。
 あの二人は乳にしか興味がなかった。
 勝気な自分が、セックスしてほしいと土下座をさせられ、それを撮影されるのを想像してしまう。
 さらに妄想は続き、セックスしてくださいと土下座をすると、相手に頭を踏まれ、そしてやっとセックスに入ることが出来る。
 そのセックスでは相手の言いなりで、相手の命令通りにしなければならない。
 そしてどんどん妄想は膨らんでいく。
 そのレイカの姿を見た、今まで助けた女達の自分を非難する目……。
――所詮、レイカさんもただの性欲の塊なんですね。
 ああ、違うの。私は本当にあなた達や女性のために。
 本当なの。あなた達や女性のために働いているの! 本当よ!
 そう思うも、心の中の雌は鳴くことばかりを考えている。
 口先だけなのは、レイカが一番よくわかっている。
 でも、どこかでストップさせなければと思うからこそ、女性のために、などと思うのだ。
――どこが違うんですか? セックスしてほしいから、自分を犯した相手に土下座って……。普通の女でもしませんよ。
 強い女性、女性の味方。
 レイカさんみたいに強くなれたらいいのに。
 そんな羨望の視線が、憐みと軽蔑の視線へと変わっていく。
 卑劣な男達には負けないとしても、確かに強い者として振る舞ってきた。
 プライドも高く、その自負もある。
 事実、それだけたくさんの犯人達を捕まえてきた。
 私は、強い。
 レイカはそう思った。
 だが、同時にこう思う。
 強く見られるのは確かに嬉しい。
 実際、自分は男より精神面でも体力面でも強いと思っている。
 でも、そんな私にも弱さはあるのよ……と。
 そんな強い自分が、今、そこらのどこにでもいる弱い女を見る眼で同性や異性から見られている。
 そう、想像する。妄想をする。
「あっ、ああーっ!」
 手で自らの二つのバストトップを擦りながら、伸ばす。
 ベッドシーツが波打つ。
 快感に腰が跳ね、胸を強調するように首を天井に向け、背中を反らしてしまう。
 足の爪先をぎゅっとさせて、シーツに皺が出来る。
 そして胸への刺激を与えながら、レイカは頭の片隅で考える。
 今までの被害女性達の顔を、思い浮かべてしまう。
 いつも、強くいられるわけではない。
 強いものには弱さを見せられない弱みがある。
 皆、自分が強いから心を許してくれて、痴漢や強姦のことを喋ってくれる。
 自分が強いから頼ってくれる。
 絶対になんとかしてくれるとそう思えるから。
 この人なら、自分を襲った卑劣な暴漢魔を倒してくれるかも。守ってくれるかもしれない。
 だから、信頼してくれる。
 でも、そんなレイカでも、一人になると弱さだって見せるのだ。
 どうしようもない、強さの裏にある弱さを。
 レイカは今までの被害女性達に見られているような、そんな気がしてならない。
 そしてレイカは二つの電マを取り出し、胸を責める。
 二つの電マを、同時に胸全体に当て、振動で小刻みに揺れる胸。
「んんぅっ!」
 そして乳首に直接当てると、雷に打たれたかのような衝撃がやって来る。
 背後からぞくぞくとした気持ち良さが這うようにあって、そしてまるで何かに取りつかれたように胸を大きく揺らし、腰が動く。
 人では出来ないような刺激に、レイカは喘ぐ。
 そして何度もピクンピクンと身体を震わせて、アクメを迎える。
「ひ、いぃんっ!」
 乳首の先端が、赤くなったんじゃないかというくらいの衝撃を受けていた。
 だが、乳首は元の色のままで、赤くはなっていなかった。
 ただ、ずっと立ったままで、熱は落ち着きそうもない。
 そして電マを横に置いて、自らの手で胸を触る。
「ああっ」
 男達に触られ、弄ばれたのを思い出しながら、胸を思い切り触って、抓んで、刺激を与える。
 もっと、もっと!
 そう訴えるのはレイカの雌としての本能。
 そしてようやく訪れる、大きな快感の波。
 電マとは違う、大きな期待を持てる強姦されるかのようなあの緊張感と気持ち良さ。
 まるで大きな氷が割れるかのような、そんな衝撃……。
 レイカは手足に力が入る。
 そして胸を天井に向けて大きく背中を仰け反る。
「イクッ」
 同じ女性として、その痛みをわかってくれるかもしれないと思うから、被害者は心を開いてくれる。
「い、イクッ!」
 そう思われるのは素直に嬉しいし、元々のプライドの高い自分の性格とそのそういった強さを周囲に演出してきたのだと思う。
「あぁっ! ダメになるぅっ!」
 軽蔑の眼差しは、そんな自分を解放してくれる。
 卑劣な男共から与えられる、ただの快感に屈した女に戻れるのだ。
 強さなんてない、ただのレイカになれる。
 女としての、レイカに戻れる。
「もっと、もっと欲しいのぉっ! 頭おかしくしたいのぉ!」
 腰を動かして、胸を揺らして。
 金の髪はベッドで波を作るように舞い、その上に白い裸体が淫らに、はしたなく存在する。
――違うのなら、その腰振りをやめてくださいよっ! 出来ないですよね? 男が大好きで誰にでも股を開くんですから!
――そんな人だと知っていたなら、相談なんてしなかったのに!
「そんな眼で見ないでっ! ああっ! おかしくなるっ!」
 女性達からの冷ややかな眼。
 そして男達の熱の籠った欲に忠実な眼。
 そんな風に見ないでと思いながらも、レイカは感じていた。
 いつもなら、ブレーキが掛けられたのだが……。
――見られた方が興奮するド変態の性癖のくせに。
――私達の言葉と目に興奮してるくせに。
 でもそのブレーキが壊れてしまった。
「二人きりの時くらい、素直に弱いお前を見せろよ」
拓哉に言われたあの言葉が、いい意味でも悪い意味でもレイカの心に隙を作った。
 強い御堂レイカを作れない。
 どこまでも淫欲に翻弄され、アクメしたい。
 男達の欲望のままに、乱暴されたい……!
 もっと、もっと。
 身体の熱は冷めることを知らない。
 むしろ、熱は上がっていくばかり。
 レイカは快感に身を任せ、更なる快楽を得ようと手を、腰を動かす。
 上半身の快感は、下半身にも伝播し、片手で両乳首を愛撫しながら、もう片方の手で陰核を捏ねる。
 胸はまだ熱があって、乳首がびんびんに立っている。
 陰核も立っていて、もう皮は剥けていて、自己主張をしていた。
 とろとろと濡れたそこの粘液を指に付けて、陰核で滑らせる。
 何度も何度も往復して、撫でていると、レイカは気持ち良さに眉を下げた。
 くちゅ、ぬぷ、と水音が響き、気分が一気に高まる。
 手の動きは止まらない。
 胸の乳首も、陰核も、早く早くと急かすようにずっと立っている。
 レイカはそれを激しく責める。
 何度も何度も、両方の乳首を片手で刺激し、陰核をもう片方の手で擦って刺激を与えた。
 大きく歪む胸は、その大きさに相応しい揺れ方をする。
 ぷるぷると揺れるその胸を、多くの男達は揉みたい、触りたい、吸い付きたいと思うことだろう。
 レイカはそんな豊満なバストを大きく歪めて、乳首の周りを、先端を刺激する。
 両方の乳首を片手で掴み、乱暴に扱う。
 そうすると、まるで強姦されているかのような気分になった。
 そしてぐちゅぐちゅのそこに指を出し入れする。
 膣壁を指で這わせて、イイところを探り出し、刺激を与えると、レイカは目がちかちかするような気がした。
 それ程、気持ちがよかった。
 気持ちよくなるときゅっと締まるそこを、レイカは指を増やしてさらに責め立てる。
 でも奥が物足りない。
 もっと太くて、長いもので奥まで突いてほしい……!
 そしてレイカは気づく、アナルも、弄ってほしいと願っている自分がいることに。
 ああ、誰か。
 誰か、アナルとオマンコを弄ってくれないだろうか。
 でも、それを言うことは、プライドが許さない。
 思うだけなら、出来るが……。
 強さを脱ぎ捨てたレイカはアナルとオマンコに入れられ、強姦される妄想をしながら胸や陰核を刺激し続ける。
 何度もイッて、それでもまだ足りない。
 もっと強い刺激が欲しい!
「イクイクイクウゥッ!」
 ついにはレイカはずっとイキ続けているかのような状態になってしまった。
「ま、またイッちゃう!」
 そう思いながらも、ずっと手が勝手に動いてしまう。
「ひ、あぁっ!」
 またイッてしまったレイカは、荒く呼吸をする。
 ちらりと目に入った電マ。
 そして再びその二つの電マを手にすると、それを両の胸の突起に押し付けてスイッチを入れる。
 人では不可能なその刺激、それをレイカは受け止める。
「うぅ、ああああっ!」
 足ははしたなく大股に開かれ、胸には自分の手で電マを当てて、これを見た人はぎょっとするに違いない。
 こんな美しい人が、こんな淫らなことをするなんてと、白い目で見るだろう。
 そんな風に誰かに見られ、軽蔑され、冷ややかな眼で見られるのを想像しながら、身体をがくがくと揺らした。
 そしてレイカはその日最大の絶頂を迎える。
「い、イクうぅっ!」
 アクメを迎えたレイカは、少しの間、頭が真っ白になった。
「もっと……もっと……」
 意識を再び取り戻すと、レイカはそう言ってゆっくりと瞬きをした。
 思考が元に戻ると、レイカは周りを見回す。
 周りには電マが二つ、そしていやらしい液や汗がベッドのシーツにシミを作っていた。
 レイカが最後のアクメを迎えた時に思ったことは、ロマンもムードもへったくれもない。
 アナルとオマンコに太くて長いそれをぶち込んでほしい。
 ただそれだけだった。
 雌の本性が、顔を出した。

 いくら自慰をしても、肉体と精神の高ぶりは止められない。
 レイカは熱くなっている身体を抱き締めると、切なそうに眉を八の字に歪ませた。
 まだまだ、全然足りない……。
 こんなもんじゃないのよ。
 求めているのは、もっと、がつがつとした……。
 ああ、誰か助けて。
 そう思いながらベッドから起き上がり、腰を掛ける。
 大きな胸がゆっくりと上下した。
 どうしたらこの熱は収まるのだろう。
 そう考えた時、レイカはあることが浮かんだ。
 ああ、そうだ。
 自分は変装が出来る。
 誰にでもなれる。
 変装していれば、本当の自分はバレない。
 だから、いきずりの何も知らない男とやることだって出来る。
 いきずりの、何も知らない男とやりたい。
 淫乱だとなじられて、アクメしたい。
 ただの変態だと、痴女だと言われながら、アクメしたい。
 たくさんアクメして気持ち良くなりたい。
 男達の玩具になって、壊れてしまいたい……!
 思い浮かぶそれらは、レイカの抑えていた雌の部分……。
 だが、拓哉を相手にはしたくなかった。
 ここまで無様な姿を見せたくないという意地と微かな女心。
 拓哉にはこんな姿、見せたくなかった。
 ここまで、雌に堕ちた自分を見せたくないのだ。
 そうなると、やはり変装して知らない男とやるしかない。
 レイカは変装することにした。
 変装なんてこれまで何度もやってきた。
 だから、迷うことなんてない。
 適当にウィッグを被って、メイクをして、服を着る。
 変装し終えたレイカは、鏡を見る。
 このまま出掛けて、浮浪者や雑魚の痴漢相手にアクメしたい。
 誰でもいいから、この身体を、精神をどうにかしてほしい。
 ああ……。どんな風に犯されてしまうのだろう。
 どんな風に、乱れることが出来るのだろう。
 私は、これから犯されに行く。
 自分の意思で……。
 これからのことを考えるとまた汗がじんわり出てきた。
 そんな頭がピンクの靄に包まれ、夢遊病者のような足取りで玄関へ……。
 ああ、いけない。まずい。
 してはいけないとわかっているのに、止められない。
 熱に浮かされた身体は、玄関に向かって行く。
 わずかに残った冷静さを持つ精神が、それを必死に止める。
 だが、歩き出してしまった。
 足が、自然と玄関の方に向かって行くのだ。
 レイカの顔はとろんと蕩けている。
 そこには強いレイカなんてどこにもいなかった。
 かと言って、弱いレイカでもなかった。
 ただ、レイカは自ら淫らな思いを抱いて、底なし沼にずぶずぶと入っていくようだった。
 レイカがどれほど淫欲に蝕まれているのかがわかる。

 さあ、外に出よう。
 ひんやりとしたドアノブを手で触ったその時、スマホが鳴った。
 この着信音は、拓哉……。
 スマホを見てみると、メールが入っていた。
 そこには頼んでいたある男の情報が書かれている。
 瞬時にレイカの頭は切り替わり、冷静に戻った。
 これで、囮捜査が楽になるという安堵がレイカを包んだ。
 そして、今から詳細な情報を聞くために、拓哉に会いに行き、……セックスするという期待を持っている。
 レイカは一旦部屋に戻り、拓哉に詳細な情報を聞きたいからどこに行けば会えるのかとメッセージを打つ。
 そして、ウィッグや服を脱いで、シャワーを浴びる。
 拓哉に犯されるのなら、綺麗な状態がいいという、女としての心がそうさせた。
 いつものシャンプーやリンス、ボディーソープじゃない。
 特別な日用のちょっと高いものを使う。
 いい香りに包まれて、イイ女でありたい。
 そしてレイカは急いで髪を乾かし、新しい服を着た。
 スマホを見てみると、拓哉から返信がある。
 ホテルのバーで待っている。時間はバーが閉まるまでに来てくれればいい、と……。
 レイカは時計を見る。
 まだまだ余裕はあるが、待たせるのはあまり好きじゃない。
 レイカはホテルのバーに向かって行った。
 バーに向かっていると、すれ違う男達がレイカに目を奪われて行く。
 そしてレイカのシャンプーの匂いが男達を惑わせる。
 だが声を掛ける勇気はないようだ。
 何よ、声も掛けられないの?
 レイカはそう思いながら、男達を無視していった。
 ああ、早く拓哉に会いたい。
 仕事で頼んでいた男の情報を聞いて、それから……。
 滅茶苦茶に抱いてほしい。
 セックスして、アクメしたい。
 早く、早く会いたい……!
 レイカは自然と早歩きになっていた。
 小さなバッグを片手に、歩いて行くと、ちょっとした段差で躓き、倒れてしまう。
 バッグからスマホが飛び出る。
 レイカはすぐに立ち上がって、スマホを拾い上げ、電源が無事入るか確認すると、拓哉からメッセージが入っていると通知があった。
 レイカはその場で立ち止まって、そのメッセージを読む。
「あとどれくらいで来れるか?」
 待つの、飽きちゃったのかしら……。
 これでも急いでるのよ。
 もう少し待って頂戴。
 そう思いながらバーに向かって行く。
 ホテルの中のエレベーターに乗って、バーのある階を押す。
 エレベーターはレイカだけを乗せて、上がっていく。
 そして目的の階に着くと、エレベーターは古風なチーンという音がして止まった。
 やっと着いた……。
 エレベーターから降りて、スマホの時間を見ると、思ったよりも結構早くに着けことがわかった。
 そしてバーに入ると、店員が頭を下げてレイカを迎えた。

 ホテルのバーに着くと、そこは高級店らしく、ドレスコードがあるようだった。
 レイカはそのドレスコードを見事クリアし、店内に迎え入れられる。
 こんなこともあろうかとセミフォーマルのドレスを着て来て正解だった。
 さっき転んだとき、少しドレスが汚れてしまったけれど、それも気づかれない程だったらしい。
 レイカは安心した。
 バーに入ったレイカはゆっくりと辺りを見回す。
 ここに呼びつけた本人を探すためだ。
 ボックス席には……いない。
 ということは、カウンターのはず。
 そう思いながら、カウンター席を見てみる。
 そしてカウンター席に座る拓哉を見つけた。
 レイカはゆっくりと拓哉に近づき、セミフォーマルのドレス姿でこう聞く。
「お隣、よろしいかしら?」
 レイカがそう言うと、拓哉は「早かったな」と言ってレイカを隣の席に座るように促した。
 拓哉もそれなりの服を着ていた。
 ……悪くないわ。
 そう思いながら、レイカは席に座った。
「酒は奢ろう」
「あら、お酒以外は?」
 そうレイカが冗談を言うと、拓哉は呆れた顔をして、店員にカクテルを注文した。
「何よ。釣れないわね」
「遊びに付き合うつもりはない」
「冗談くらい言ってもいいと思うのだけれど」
 そんなことを言いながら、レイカは身体が汗でじんわりと湿り気を帯びていくのを感じる。
 家で自慰をしていたその熱が、再び上がって来たのだ。
 平然とした顔をしているが、レイカは内心、このまま犯されたいと思っていることがバレないだろうかと冷や汗ものだった。
 だが、バレたらバレたで、それを上手く何かに利用できたらいいと、前向きに考えることにした。
 カクテルが届くと、それを一口軽く飲む。
 甘い味がして、悪くない。
 でも、少し子供っぽいかしら。もう少し、刺激がある方が私は好きね。
 そんなことを思いながら、グラスをゆっくり回す。
 レイカは余裕のある女を演じていた。
 そうでなければ、先程までのあの熱を思い出してしまいそうだったのだ。
 そしてそんな余裕のある女を演じつつ、仕事のこともしっかりと忘れない。
「それで、本題なんだけれど、あの男の詳細な情報を頂戴?」
「ああ、情報は紙にまとめてある」
「……今時、アナログなのね」
「データが漏れないようにしているだけだ。そのくらい……」
「わかっているわよ。ちょっとからかっただけじゃない。まとめたもの、こちらに渡してくれる?」
「……これだ」
 レイカは拓哉に渡された書類に目を通す。
 これだけの情報があれば、囮捜査がかなり楽になる……。
 男の好みの女のタイプまで書いてある。
 変装はそれに合わせてしていけばいい。
 それから性癖なんかも書いてあって、よく居る場所なんかも書かれている。
「ありがとう。これで仕事が楽になるわ」
 表立って言うわけにはいかない職なだけあって、囮捜査なんて外でうっかり漏らすことは出来ない。
 誰が聞いているかわからないからだ。
「ホテルに部屋を取っている。そこでさらに詳しい話をしよう」
「わかったわ」
 レイカは残っていたカクテルを飲み干す。
 その間に拓哉が会計をして、二人で店を出る。
 レイカは拓哉にバーから連れられて、泊まっているという部屋に行くことになった。
 エレベーターに乗って、拓哉は迷わず最上階を押した。
ホテルの部屋は最上階のVIPルーム、ということだろう。
 わざわざこんなところを取らなくても……とレイカは思ったが、それは拓哉の決めることだからと口を突っ込むのをやめた。

 ホテルの部屋に入ると、物がほとんど置かれておらず、それが拓哉らしいなと思った。
 ベッドは大きく、ソファーも広い。
 テレビだって大きいし、必要なものは全て揃っている。
 しかも露天風呂つきだ。
 余程高い金額を払わないとこんな部屋取れないのに……。
 そんなことを思っていると、拓哉は部屋の冷蔵庫からフルーツ系の缶チューハイを二つ取り出し、レイカに一つ渡した。
「あら、ありがとう」
「まだ飲み足りないだろう? 部屋に用意されていたもので悪いが、これでも飲んでいてくれ」
 ……缶のプルタブを開け、一口飲む。
 アルコール度数もそんなにないし、仕事の邪魔にならないとレイカは判断し、ソファーで酒を飲みながら話すことにした。

「ねえ、どうしてこんなに高い部屋を取ったの? まさか、私のため?」
「そういう訳じゃない。他に部屋がなかったんだ」
「あら、そう。でも普通の部屋だと……ちょっと不安よね。防犯面が」
「そうなんだ。だからVIPルームが空いていて丁度良かった。……お前は、こんな部屋を取るなんてって顔をしているがな。こっちもいろいろと考えているんだ」
 そんな風に近況を含めていろいろと話していると、レイカは少し肩の力が抜けるのを感じた。
 だが、同時に、弱い自分を見せたくないという気持ちも崩れてしまいそうで、少し怖かった。
 仕事の話もあるしと、レイカは割り切って話をしていたが、その裏ではかなりの葛藤があった。
 ダメよ、レイカ。
 しっかりしなさい。
 あなたは強い女でなければいけないのよ。
 その洗脳染みた思考を、レイカは何度もぐるぐると頭で回ってしまって、話に集中出来ない時もあったが、すぐに持ち直した。

 そして話していると、拓哉はもっと多くの情報を手に入れていたことがわかった。
「もっと情報、くれないの?」
 甘えた口振りで聞くレイカに、拓哉はじっとレイカを見つめた。
「報酬は別でいただくからな」
 そう言うと、拓哉は声の大きさを落とした。
 そして外では言えないような詳細な情報をレイカに拓哉が話した。
 レイカはその頭のよさで、情報を整理し、何度か曖昧なところの確認を取り、仕事に必要、いや、それ以上の情報を自分のものにした。
 情報はもう頭に入っている。
 レイカは書類を拓哉に返した。
「こちらでこれは処分しておく」
 そう言われ、レイカは頷いた。
 そして仕事が終わると、レイカは次第に身体がまた熱くなっていくのを感じる。
「情報ありがとう」
 そして、レイカは溜め息を吐いて、熱っぽい目で拓哉を見つめ、口を開く。
「ところでさっきね、……例の二人組と千手に犯される想像をして、イッちゃったわ。ここに来る前だけれどもね」
 しかも変装して、知らない男達に犯されたいとも思った……。
 その話をした途端に、拓哉は獣のような雰囲気を纏う。
 まるで獲物を見つけた肉食動物のように、貪欲な瞳……。
「あたしのことも、過去も、調べてるんでしょ?」
 そう言うと、拓哉はゆっくりと瞬きをした。
「……」
 無言。
 その無言が雄弁に物語っていた。
 やっぱり調べていたのね。予想は当然していたし、そうするのが普通でしょう。
 そうレイカが思っていると、拓哉は無言でレイカにキスをした。
「んっ」
 レイカは鼻にかかったような甘い声を上げた。
 そしてレイカの頬に手を添え、拓哉は口を開く。
「二人きりのときくらい、素直になれよ」
 拓哉のその言葉に、レイカは心の鎧を脱ごうと決めた。
 元々脱げかかっていたものだ。
 決めてしまえば、あっという間にレイカの心は丸裸になった。
 そしてレイカはその裸になった心がもっと甘えたい、縋りたい、犯されたいと叫んでいることに気づいてしまった。
「……少し、酔ったわ」
 酔いのせいだということにして、飲み終えた缶をテーブルに置き、ベッドに移動しようとした。
 すると拓哉が、レイカをお姫様抱っこしてベッドまで移動させた。
 結構力もあるのね、などと当たり前のことを思うレイカ。
 拓哉はそんなことを思われているとは思わずに、ただ、ベッドに投げ出されたその美しい肢体を見る。
 ああ、じれったい……!
 レイカは自分でも気づかない内に手を伸ばし、拓哉の頭を抱いていた。
 その豊満すぎる胸が、拓哉に当たる。
 拓哉はその豊満な胸を手でたぷたぷと揺らすように触る。
「はあ、ん……っ」
 そして浮き上がったその乳首を、拓哉は軽く抓んだ。
「こんなにさせて、そんなに欲しかったのか?」
 そう言いながら、乳首を何度もとんとんと叩く拓哉に、レイカは頷いた。
 レイカの瞳が、とどめが欲しいと言っている。
 服を一枚ずつ脱がされ、レイカはうっとりとした表情で、それを受け入れる。
 拓哉は完全には服を脱がずにいた。
そして裸になっていくレイカの体に、唇で何度もキスをする。
「今日は下着、着けてなかったんだな」
「だって、ドレスじゃ紐が見えちゃったら台無しじゃない……ああっ!」
 気づけば、レイカの秘裂に隠された陰核を拓哉の亀頭が小突いている。
「んんっ」
 ぬるぬると滑るその感触が、ずっと欲しかった。
 もう、たまらない……!
 気持ちいいっ!
 自分では出来ないその感触に、レイカは心を躍らせ、そして自ら快感を求めていく。
「腰、動いているぞ」
 そう言われながら胸を吸われる。
 強く吸われ、思わず声が漏れてしまう。
「あ、ああっ!」
 ぬちゅ、とレイカのオマンコから亀頭で滑らせ、水音が出ている。
 粘液がそこから出ているのがわかる。
 レイカは自分から拓哉にキスをした。
 二人共、互いに唇を貪り合う。
 レイカの口内で二人の舌が絡まり合って、ぴちゃぴちゃと水音がしていく。
 徐々に熱くなっていく身体を、レイカは隠しきれずにいる。
 だが、完璧でありたいというレイカの気持ちが、わずかに残っていた。
 全てを見せようとしないレイカに、拓哉はレイカをベッドに縫い付ける。
 それを感じ取った拓哉は、こうレイカの耳元で囁いた。
「このホテルの扉を出るときに、最高のレイカに戻ればいいさ」
 そっか……。そうよね。このホテルの扉を出るときに、最高の私に戻れば良いのだから。
 拓哉に言われた言葉が正しいと、レイカは思った。
そしてレイカは隠していた欲望を曝け出す。
 大きなおっぱいを揺らして、拓哉に縋る。
「チンポちょうだい。千手みたいに、犯して」
 そう言われてしまっては、拓哉も手を出さないわけにもいかない。
 熱と熱が伝わり、二人の至る所が気持ち良くなりたいと訴えかける。
 拓哉はレイカの少しずつ濡れ始めたそこを、亀頭で何度も滑らせ、刺激を与える。
 これから、拓哉に激しく抱かれる……。たくさん、恥ずかしいことをされるんだ。
 私は、ただの雌になってしまう……。
 レイカはそう思うと酷く興奮した。

「どうやって自慰をしたんだ?」
 そう言われながら、胸にしゃぶりつかれる。
「ひうぅっ!」
 敏感な胸を触られて、弄られて、しゃぶられて、それだけでレイカは感じてしまう。
 舌で何度も敏感な胸の飾りを突かれ、転がされる。
 秘裂も亀頭で滑らされ、刺激が与えられている。
 上と下を軽く弄られて、気分は高まっていく。
 気持ちよさに、その長い睫毛も身体も震える。
 自分では出来なかった。
 男でなければ出来ない、その責めに、レイカは喜びマンコを濡らす。
 裸のレイカのその姿は、どんなAVよりも、官能小説よりも男の目を惹くだろう。
 絶世の美女が、男に犯され、マンコを濡らしているのだ。
 こんな美女が目の前に居たら、誰が我慢など出来るだろう。
 レイカは拓哉の責めに耐えながら、どう自慰をしたかを答える。
「自分の、犯されているビデオを見ながら……っ」
 恥ずかしそうにレイカはそう言って、拓哉が与えて来る責めを受け入れる。
 胸と、ぐちょぐちょとマンコの外側ばかり、弄ばれる。
 それだけじゃ足りないわ……! 中もやってよぉ!
オマンコ、オマンコにもやって!
 そう思っていると拓哉は意地悪そうに笑っていた。
 ああ、私、拓哉に弄ばれてる。
 責めてほしいところを責めてくれない。
 でも、気持ちいいことはされている。
 レイカはもどかしくて堪らなかった。
 そして拓哉は口を開く。
「普通自分の犯されたところを撮られているビデオでオナニーするか。この変態」
 拓哉はそう言うと、再び胸にしゃぶりつく。
「言わないで……! ああっ!」
 ぐちゃぐちゃなそこを亀頭でただ滑らされているというのに、気持ちいい。
 胸をしゃぶられて、胸を責められて、気が遠くなりそう。
 そうしていると、拓哉はレイカの胸にしゃぶりつくのをやめて、手を伸ばす。胸を徹底的に弄るためにだ。
片手で両方の乳首を掴まれる。
 そしてその乳首をぎゅうっと思い切り抓られた。
「痛いぃ! あっ! あ、ああああっ!」
 レイカはその痛みさえも気持ちよく感じていた。
「おっぱいが、気持ちいいの! 痛いのに、感じちゃうぅ!」
「この変態が。お前は本当の変態だな。この胸だって、まるで牛みたいじゃないか」
 そう言いながら、拓哉はレイカの胸を乳牛のように絞る。
 親指と人差し指で根元を掴み、他の指でゆっくり上から絞っていく。
「牛じゃない! 牛じゃないのぉ! 私は、牛なんかじゃないわ!」
「心の奥底ではそうは思っていないんじゃないか? お前は牛のように扱われて、嬉しいだろう?」
 そして今度は陰核を亀頭で責められる。
 どうしよう。凄く、気持ちいい。
「マンコがどろどろだぞ。興奮してるのか。お前はやっぱり雌だな。変態が」
 そう言われながらついに秘裂を分け、膣内の浅いところを刺激する。
「そんなんじゃダメなの、もっと、もっと奥に入れて!」
 もっと奥に、もっと滅茶苦茶にされたい!
 そんなレイカの気持ちを見透かしたかのように拓哉は言う。
「どうしようもない女だな。お前が今まで救ってきた女達が見たらどう思うか」
 今まで救ってきた女達が自分を冷たい眼で見ていると想像する。
 尊敬してたのにと、まるでゴミを見るような眼で見られる……。
 違うの。違うのよ。
 そう思っても、救ってきた女達は軽蔑の視線のまま……。
――変態。
「ああっ! ごめんなさい! 変態で、ごめんなさい!」
「そうだな。お前は間違いなく変態だ。そんな変態が、どんな目で見られるかな」
 拓哉はそう言い、レイカを窓ガラスの方に連れて行く。
「お前なんてただの雌だ」
 そう言われながら、バックでその待ち望んでいた大きくて長いそれをレイカの中に入れられた。
 拓哉はカーテンを開け、そのままレイカをバックで犯す。
 やっと待ち望んでいたそれがレイカに訪れた。
 ぐぐっと、膣壁を押しやって、中をピストンされる。
 Gスポットを突かれ、子宮口を押される……。
 淫らな音が部屋いっぱいに広がり、雌のにおいがした。
「雌のいやらしいにおいがするな」
 レイカにそう言いながら、拓哉は突き上げる。
「あんっ! だ、だめぇっ! おまんこ、壊れちゃう!」
 冷たい窓に胸が押されて、潰される。
 まるでかつての電車のガラスみたい……。
 そう思って見てみると、そこには自分の淫らな顔、そしてビルが見えた。
 ああ、もしかしたら、誰かに、見られてしまうかもしれない……!
 窓から見られてしまう!
 そして過去と現在の快感が交差する。
 たくさんの人に見られて、イッてしまう。
 いやらしい姿を見られて、気持ちよくなって、頭がおかしくなる!
 大勢の男に見られて……。
 そんな想像ばかりが頭に浮かぶ。
 いつもなら、そんな想像に負けず、レイカも責めるが……。
 今日も責めようとするが、その手首を握られ、そのまま責められ続ける。
 片手で、両の手を封じられた。
 レイカはとろんとした目になる。
 拓哉はレイカに、レイカの自分の隠れた欲望、マゾの露出狂を曝け出すように犯す。
 胸をぺたりと窓につけて、バックから突かれる。
 何度も何度も突かれて、ついに絶頂を迎えた。
「イッちゃううう!」
「イけ」
「ああっ、は、ああん……」
 そしてイッても、まだその大きなそれはレイカの中にある。
 レイカはイッたばかりだというのに、レイカのそこをまだ掻き回すように犯し続ける拓哉。
 気持ちよすぎてどうにかなりそうだ。
「お前は変態だな」
 その言葉が、レイカを酷く興奮させた。
「返事くらいしろよ。変態」
 そう言われながら、顔を上げさせられる。
 窓ガラスに反射して映るレイカの顔は、間違いなく雌の顔をしていた。
「やめてぇ! へ、変態だから、認めるから、お願い見せないでぇ」
 そう言いながらも、レイカは自分の姿を熱の籠った目で見ていた。
 私、誰かに見られちゃうかも……。
 こんな、おっぱいを丸出しにして、後ろから突かれて……。
「考え事か? 随分と余裕だな」
 そう言われると、腰を掴まれ、中で思い切り暴れられる。
「ああああっ!」
「お前のここ、ぐちょぐちょだぞ。何を考えてたんだ。雌が」
「じ、自分が犯される姿を見て、興奮してたのぉっ!」
「本当に、変態だな」
「変態よぉ! 変態だから、お願い! もっと、たくさん犯して!」
「立場が分かっていないようだな」
 そう言われ、尻を撫でられるかと思うと、尻を軽く叩かれる。
「ごめんなさいっ! 変態で、雌でごめんなさいっ」
 思わず出た言葉。
 拓哉は「そうだな」と言って、激しく突く。
 次第に拓哉も精を吐き出したくなる。
「どこに出してほしい?」
 そう聞くと、レイカは迷わずに言う。
「お願い、おまんこに出してぇ」
「とんでもない変態だな。お前は」
 そう言われながら中出しされ、拓哉のそれが抜けると、どろりと白い液がレイカのそこから流れ出る。
再びベッドに連れて行かれると、舌を絡み合う
 そして拓哉はレイカの胸を弄り出す。
 胸、弱いのに……!
「お前は胸を弄られるのが好きだよな。よかったな。胸を弄られて」
 そう言いながら、拓哉はその巧みな技でレイカの胸を責め立てる。
 片方を口で吸い、少し甘噛みをしたりすると、レイカはその痛みにすらも感じてしまう。
「んんっ!」
 じゅるりと音をさせて、拓哉はレイカの胸に吸い付く。
「痕は、つけないでぇ……」
 仕事に支障が出そうなことだけは避けなければならない。
 そう思い、レイカがそう言うと、拓哉はわかっていると言わんばかりにレイカの胸を執拗に責める。
 胸を揉み、乳首を指先で弄り、マンコを拓哉の自身で突き刺す。
 強い快感が、レイカを襲う。
 自慰の時も強烈な快感は感じた。
 しかし快感の魔法は長くは続かない。
 自慰の時はどれだけ快感を味わっても最後にはどこか虚しさがあった。
 でも拓哉とのセックスは違う。
 ゴージャスな身体を惜しげもなく晒し、拓哉と言う雄に全てを曝け出すレイカ。
 そんなレイカに、ずるりと自身を出した拓哉は、レイカにこう言う。
「自慰はどんな風にやるんだ? 見ててやるから、やってみろ」
 そ、そんな……。
 そう言われて、レイカは戸惑っていた。
「ちゃんと出来たら、ご褒美にまた突いてやる」
 ……本当に?
 そう思い、レイカはおずおずと手を秘裂に沿わせ、もう片方の手を胸に刺激を与え始めた。
 陰核を弄り、胸を自分で弄り、嬌声を上げる。
「見ないで、見ないでぇっ!」
 そう言うも、手は止まらない。
 どろりと流れ出る精液はそのままに、ひたすら自分を絶頂へと高めていく。
 自分一人の時よりも、見られているその快感に、レイカは自分と言うものを失い始めていた。
「イク! イッちゃう!」
 そう言うと、レイカは絶頂を迎えた。
 しかし拓哉は「誰がイッていいと言った? それにイクときはイキますとちゃんと言わないとダメだろ」と言って、レイカの両手を片手で押さえつけ、レイカの秘部に手を這わせた。
「ここがいいのか?」
 そう言いながら、拓哉は陰核を捉え、指で押し潰すように刺激を与える。
「あっ、あっ、ああっ!」
 レイカは喘ぐことしか出来ない。
「そんなに気持ちがいいのなら、ずっとここだけをいじめてやろうか?」
「や……っ! 中にも、中にも入れてぇ!」
「どこの中だ?」
「レイカの、雌マンコに入れてください! お願いします……っ」
「ま、いいだろう。入れてやる。だが、自分で動けよ?」
 レイカはベッドの隅に行き、正座で待っていると、拓哉はベッドに寝転がった。
「ほら、自分で入れてみろ」
 レイカは騎乗位で、拓哉のそれを持って、ゆっくりと腰を下ろしていった。
 ずぶずぶと入り、その入って来た快感をレイカは受け止める。
「……っ」
「自分で動けるだろ? 動け」
 そう言って、拓哉はレイカを下から突き上げる。
「んあっ!」
 レイカは繋がったまま、拓哉に覆い被さるように四つん這いになった。
 そして自ら腰を振って、刺激を与える。
 拓哉は平然とした顔で、レイカの胸を舐める。
「んぅっ!」
 レイカは下と上の刺激に、喘いだ。
 ぐちゅぐちゅとそこで音をさせながら、レイカは動く。
 仕事で鍛えただけあって、その動きは艶めかしく、拓哉へ快感を感じさせるのはそう難しいことではなかった。
 拓哉は目の前にある大きな胸を弄り、そしてレイカの腰の動きに合わせ、深く突き刺さるように腰を突き上げた。
「んぐぅ!」
 レイカは胸を大きく仰け反らせた。
「ぎゅうぎゅう締め付けてるな。もしかして、イッたのか? 言ったよな。イクときはちゃんとイキますと言えと」
 そう言いながら、拓哉はレイカをがんがん突き上げる。
「ごめんなさぁい! 許して! 死んじゃうっ! 死んじゃうわぁっ!」
「これくらいで死なないだろ。ほら、お前も動け」
 拓哉の目の前にはレイカの大きな胸が揺れている。
 両手でレイカの胸を掴み、形が変わる程弄ぶ。
 レイカはどうにかなってしまいそうだった。
 上と下の刺激が同時に来る。
 それも、待ち望んでいた形で。
「まだ出来るだろ? 膝を立てて、やれ」
 レイカは言われるがままに前に倒していた身体を起こし、膝を立てて腰を動かす。
 ゴージャスな身体を見せつけるように、ゆっくりと動き始めるレイカ。
「お前には刺激がなさすぎるか? 手伝ってやる」
 そう言って、拓哉はピストンする。
「ひぃっ! うああっ!」
 自分の腰の動きと、拓哉のピストンで、これまでになかった刺激がレイカを襲う。
「結合部が丸見えだな。泡が立っている。精液だけじゃないな。お前のスケベな液が溢れ出している」
「言わないでよ……っ!」
「まだ口答え出来るのか。じゃあ、これはどうかな」
 ピストンしながら、両手でレイカの胸を掴んで胸に刺激を与えた。
 気づけば騎乗位からレイカが押し倒され、足を肩に担がれ、より奥に拓哉の自身が当たるようになっていた。
「おまんこ、気持ちいいっ! 胸、気持ちいい! 私、またイッちゃう! イクぅううううう!」
「……くっ」
 レイカがイクと、その締め付けで拓哉も達した。
 だが、まだ拓哉のそれは元気で、レイカもまだまだイキたいと願っている。
「もっとちょうだい! ずっと欲しかったの!」
 そこには雌の顔をしたレイカの姿しかなかった。
 拓哉は「ぐずぐずマンコが。お前はセックスが出来ればそれだけでいいだろ」と言いながら、再び責める。
 再び拓哉がベッドに仰向けになると、レイカがその上に乗る。
 拓哉の太ももに、上半身を預けて、レイカは上体を反らして足を大きく開いた。
 そこには結合部がしっかりと見えていて、まるでAVのようだった。
「あっ、はぁん! お腹が、お腹が気持ちいいのぉ!」
 拓哉のそれがレイカのGスポットに上手く辺り、レイカはイキ狂いそうだった。
 レイカの声も、姿も、その辺のAVなんかよりもずっと官能的で、圧巻だ。
「ここがお前のイイところだろ?」
 そう言いながら、拓哉はレイカを突き上げる。
 その度にレイカの胸は大きく揺れ、金色の髪がふわっと宙に広がる。
 レイカの胸を掴み、拓哉はその胸を少し抓ったり、乳首を刺激したりする。
 するとレイカの膣が収縮した。
「胸を弄られただけで締め付けるんだな」
 そう言って、さらに拓哉はレイカの胸を手で弄ぶ。
 両方の乳首を抓んで、引っ張る。
「んああっ!」
 痛いはずなのに、気持ちいい……!
 気づけばレイカは潮を噴いていた。
 その潮は当然、拓哉に掛かる。
「そんなに気持ちがいいのか? 雌が」
 冷ややかな眼で見られ、レイカは興奮が止まらない。
「ごめんなさいぃっ!」
「わかってるなら、もっと締め付けろ。変態は変態らしく、言われた通りにしろ」
「ああーっ!」
 レイカは獣のように叫びながら、身体を上下に動かす。
 膣はぎゅっぎゅと、拓哉を離したくないと言っているかのように締め付ける。
 その中で、拓哉は奥へ奥へと自身をレイカの最奥を目指して突き動かしていた。
 拓哉からは結合部が丸見えで、それも興奮する理由の一つだった。
 レイカの動きがゆっくりになっていくと、拓哉が下から突き上げる。
「うああっ!」
「休むな。動け」
 そう言いながら、腰を上下に動かす拓哉。
 レイカは言われた通りに、腰を動かし続ける。
「おまんこ、気持ちいい! おまんこが、中が、捲れちゃうぅ!」
「お前は本当に変態だな。犯されて気持ちいいのか。まんこだってずぶずぶで、中が捲れそうになるくらい突き上げられて、それがいいんだろ」
 拓哉にそう言われ、レイカはぎゅっと膣を締め付けた。
「……っ、まんこで返事をするな」
 拓哉がそう言って、突き上げる。
「ああっ!」
 レイカは軽くイッた。
 そしてまた潮を噴いて、レイカは意識を失いそうになったが、拓哉がそれを許さない。
「眠るにはまだ早すぎるだろ」
 そしてレイカをベッドに仰向けに寝かせると、両手をその辺に置いておいたネクタイで縛り上げ、レイカの足を大股開きさせる。
 レイカは次は何をされるのだろうかと、期待でいっぱいになった。
「どうした。雌の顔をしているぞ」
 そう言いながら、拓哉はレイカにキスをした。
 深くキスをして、口内を犯されるレイカ。
 犯されたそこは気持ちよくて、目を細める。
縛られた手で、レイカは拓哉の首に腕を絡ませた。
 もっと、と言っているかのように。
 拓哉もそれに気づき、深いキスを何度もした。
 口を離すと、レイカは荒い息をしていて、胸の飾りも立っている。
「キスだけで立ってるのか? こっちも……、立ってるな」
 そう言いながら、乳首と陰核を確認する拓哉。
 嫌、やめて……! そんな淡々と見ないで!
 そう思うものの、レイカのマンコは、身体は期待に満ちていた。
「いやらしい……。誰がこんなにしていいと言った?」
「ごめんなさい。ごめんなさい!」
 ぐちょぐちょと、拓哉はレイカのそこを手で刺激する。
 チンポとは違う細い指……。でも、その指はチンポでは出来ないような動きをする。
 それぞれがバラバラに動き、まるで虫にでも犯されているかのようだ。
「あっ、あっ!」
「そうだったな。お前は、こっちも構ってやらなきゃいけなかったんだった」
 拓哉はそう言うと、レイカの片方の胸を手で、もう片方の胸を舌で弄り始める。
「ダメ、ダメぇ!」
 快感で頭が変になりそうだった。
 レイカはひたすら拓哉の責めを受けながら、口ではダメだと言う。
 しかし、縛られた両手を拓哉の首に絡めていることから、本心でダメだと思っていることではないことは容易にわかる。
 そして、再びレイカの中に拓哉のそれが入っていく。
 レイカのその中は、温かく、拓哉のそれを優しく包むように迎え入れた。
「全然渇いてないな。……どれだけ変態なんだ」
 そしてレイカの胸にしゃぶりつきながら、腰を前後に動かし始める。
 レイカのポルチオまでそれは届き、意識が飛びそうになる。
 気づけばレイカは足を拓哉の腰に絡ませ、縛られた両手を拓哉の首の後ろに絡ませていた。
「腰に足を絡めて、どうした。そんなにイイのか?」
「んあっ、あっ! だ、ダメェ!」
 レイカは喘ぎ声を出して、そうだと言っているかのようだった。
「どこがダメなんだ。お前のここはこんなに素直だぞ」
 そう言いながら拓哉はレイカのGスポット、そしてポルチオを責める。
 レイカの嬌声はもはや人間のものなのか獣のものなのかわからないくらい、人間の言葉ではなくなっていた。
「い、イイっ! 気持ち、イイッ! イク! また、イッちゃううううう!」
 そう言って、レイカはまたイッた。
 びくんびくんと、レイカの身体が震える。
 だが拓哉の腰の動きは止まらない。
 レイカは意識を失うに失えず、ひたすら快感を受け取るばかり。
 こんな姿、救ってきた女性達には見せられない……!
 もし見られていたら、きっと軽蔑されてしまう。
 そう何度も思うと、レイカは冷たい視線があるように感じられて、余計に拓哉の責めに感じてしまった。
「何を考えてるんだ? 今はこっちに集中しろ」
 そう言って、拓哉はレイカを突く。
 ごり、ごり……と、ポルチオを刺激し、その度にレイカは気持ち良さでアクメする。
「イキすぎだろ。変態」
 拓哉の言葉に、弄られている胸が、突き上げられているそこが熱くなる。
「あ……、お、あ、あ……っ」
 もはやレイカはただの雌に成り下がってしまった。
「完全な雌だな、お前は」
 そう言われて、レイカはさらに足を拓哉に絡ませ、突き上げられる度に声を漏らした。
「お、……あっ、ああっ、ぐ、んあっ!」
 漏れ出る声は人間のものではない。
 言葉になっていないのだ。
 レイカはそんな声を漏れ出しながら、責められている自分に興奮を覚える。
 ずっと責められっぱなしで、疲れてきた。
 でも、それでも容赦なく責められていく。
 無理矢理、中を責められて、胸を捻り上げられて、乳首を舐められる。
 こんな責めを、ずっと待っていた……。
「また何かを考えているな。ただの雌が考え事なんて、そんなものしなくていい」
 拓哉が、人間扱いしてくれない。
 どうしよう。凄く……感じちゃう……。
レイカはそう思いながらさらに感じていた。
 さらに体勢を変え、拓哉はレイカとより深く繋がれるバックからの責める。
 拓哉のその大きな自身がレイカの奥の方に繋がり、また、片手をレイカの胸の下に置いて、レイカの胸も弄る。
 レイカは表情を見られない安堵からか、より大胆に声を上げ始める。
「そんなにこれがいいのか」
 そう言う拓哉は、レイカの尻にも手を這わせる。
 大きくて垂れなどどこにあろうかという尻を撫で、そして、アナルへと指を押し進めた。
「だ、ダメ! そこは、汚い、から……!」
「そう言っておいて、しっかり洗ってあるんだろう?」
「……そう、だけど」
 レイカはもしかしたらと思って、肛門もしっかり洗っていた。
 それだけではなく、浣腸も……。
 それを見破られ、レイカはますます自分がこの男にされることに恥ずかしさを覚える。
「尻も弄ってやる」
 そう言い、拓哉は突きながらレイカのアナルに指を入れ、抜き差しを始めた。
 もちろんもう片方の手はレイカの胸を鷲掴みして、乳首を弄ぶ。
「あああああっ! ダメぇぇえええ!」
 いつも以上に感じてしまう。
 アナルに、指が入っていて、本数が増えて、前と後ろで間の壁を責められる……。
 なかなかされない責めに、レイカは嬌声を上げる。
「お、お尻が、おまんこが、壊れちゃう……!」
 そう言うと拓哉はさらに突きながら、弄びながら言う。
「こんなことでお前のが壊れるわけないだろ。変態なのだから」
 そう言われ、レイカはとろんとした表情になる。
 そうだ。私は変態なんだ……。雌なんだ……。
 人間じゃ、ないのよね。
 レイカはまるで夢でも見ているかのように気持ちよさそうに嬌声を上げながらアクメを迎え続けた。
 そして気づくと二人はずっと獣のように突き上げ、突き上げられていた。


これはbc8c3zがあらすじ・設定を作り、それを元に根本鈴子先生に書いてもらった綾守竜樹先生著・御堂レイカの2次創作です。
綾守竜樹先生のファンの方に読んでいただければ、それに勝る喜びはありません。
一瞬でも先生がいなくなったことの皆さんの孔を埋めれれば幸いです。

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