(1)
ぺらぺらに潰れた布団に、日焼けした畳、微かに黒ずんだ天井や壁、穴の空いた障子。
見慣れた光景の中で、澪は巫女服を結ぶ紐を少しだけ緩めた。
「たまには上も脱いでくれたって構わないんだけどな」
「だめです、こっちを触られるのは……苦手なので」
室内に染み付いた雄の臭気に鼻腔が、額の裏が、下腹がとろぉっと溶け崩れ、整えられた茂みの合間に淡いせせらぎを、身じろぎの度にぬちゅぬちゅっと水音を弾かせる粘り気を、彼の体臭すら打ち消すほどの濃く甘い芳香を滲ませる。
流もそれを察知したか、袴を脱がす指使いには荒々しさが。
澪は咄嗟に上半身を自らの腕で庇うも、無防備な下半身は瞬きの間に一糸纏わぬ姿へと貶められていた。
「敏感だから仕方ないか。開発してやればもっと気持ちよくなれると思うが」
「お断りです。どうしてもと仰るならここまでにしますが」
「わかったよ、そっちは無しってことで」
襦袢一枚を残して半裸を曝け出した澪は黙って頷き、天井を見つめる。
対する流は細くしなやかな肉付きにドーム状の圧倒的な丸みを乗せた女体へと覆い被さり、唇や首筋に数度の接吻を施す。
「んっ、あう、うううう……っ」
「相変わらずいい声で泣いてくれるな? こっちも気持ちいいのか?」
「はあ、あう……ぅ、あなたには、関係ありませんっ」
精一杯の強がりは、どこか焦げ臭さを纏ったぬめりとざらつきによって妨げられる。
腰を抱き寄せては唾液に薄甘く濡れた口内を撹拌し、舌を捉え、最も敏感な上顎を舐め刮げてくる流に抵抗など許されるはずもなく、澪はただ強めの吸引に耐え続けるのみ。
並行して固く太い指先が脚の合わせ目へと侵入し、表面こそ柔らかいものの筋肉の詰まった太ももをこじ開け、三叉路の中心に佇む秘裂へと右の人差し指が引っ掛けられた。
「んっ、あ……っ、はあ、あああうぅ」
「もう濡れてるじゃないか、だったらこっちに触っても」
「だから、っ、だめですって…………怒りますよ?」
喘ぎの合間に抵抗の意思を示せば、浮かび上がっていた左手がやむなくとばかりに腰へと戻る。
呆気ない幕切れに安堵するも、くちゅくちゅに濡れ溶けた襞のあわいを責められ、起伏の内側を丹念に刮げられると同時に腰がびくんっと弾み、頑丈な下着に守られていた豊満な乳房もぶるんっと躍動を示す。
そんな縦揺れに返されるは、熱っぽく血走った目線。
芽生えた怒りのままに左腕で乳房をガードするも、ここで立ち上がりかけた突起がずりっと擦れてぬめりを帯びた甘ったるい電流が乳輪へと染み広がる。
次いで鴇色の乳首が芯を孕み、次いでコイン一枚よりも広い乳輪がぷっくりと膨らみ、次いで乳管の付近にじんじんと痺れが走り……痒みにも似た疼きを抱えさせられた澪は腰を小さくくねらせることとなった。
「はあ、あんっ……っ、ひ、うううっ」
「どうした? やっぱり弄ってほしくなったのか?」
「くっ、う、ううぅっ……気のせいです、それよりも、早く、っ」
クリトリスの根元をくるくるとなぞり回す人差し指の先に、つぷっと膣口を解す親指の先
加えて、蜜に濡れた土手や小陰唇を摘み弄る他の手指。
神経を膨張させた何かが上り詰めてくる感覚に脳がぞわぞわっと震えを与えられるが、直後に彼の左手が腕と乳房の間に入り込んできた。
「ま、またそうやって、っ、は、あ、ああんっ!」
「目の前でこんなにぶるんぶるん揺らされるとな、どうにも我慢できなくなってくるんだよ」
襦袢の裾を横に引っ張られ、金属製のホックを外され、乳房の殆どを覆い隠す地味で分厚いブラを剥ぎ取られる。
すると仰向けに寝転がったことで僅かに標高を落とした乳房が姿を見せ、反動でぶるんっ、ゆさっと重たそうに揺れ弾む。
日の当たらない部分故に雪色へと透けた膨らみ、見えなさそうで見える静脈の形状、その頂点で愛撫を待ち構えるように屹立を果たした突起と、同じく接触を願うように乳臭くも甘ったるさを撒き散らす乳輪。
二の腕さえも覆い隠しかねない大きな膨らみに、息遣いに合わせてぷるんっと弾む柔らかさに、汗と混じり合った芳香に意識さえも吸い寄せられたのか、流は躊躇を示すこともなく両掌を丸みへと被せてきた。
「見ないで、っ……触らないで、っ」
「こっちでもイカせてほしいんだろ? 少しは素直になれって」
嘲りを混じえた言葉に怒りを露わにするも、大きな両掌が柔らかく蕩けきった乳房へと着地する。
表面に優しく添えられていただけのそれらは直ちにくの字、コの字と曲がりを深め、巻き添えを食らった乳肉は掘り起こされるように形を変える。
第二関節まで沈み込んだ指は柔らかな脂肪の間をたゆたいつつ、奥に潜む乳腺を目指すように内側へと狙いを定め、乳房全体をぐにゅっ、ぎゅっと揉みしだいていく。
90センチを軽く上回る膨らみは釣鐘状に引っ張られたかと思えば、鏡餅さながらに丸みを残したまま平らに潰れ、指の間から高さ3センチほど肉をはみ出させたかと思えばぷるんっと揺れて流の指先を弾き返す。
一方で刺激を浴びせられた皮膚は、細胞の一つ一つさえもざわめく勢いで切なげに疼き、愛撫が去った後には火傷さながらの疼きをもたらす。
執拗に捏ね回された肉もずきんっ♥と痛気持ちよさに晒され、本来であれば接触不可能な母乳を作る組織にさえもぞわつきを走らせる。
内外からの膨張感が高まる中で、澪は背筋を反り返らせたまま腰をくねらせてしまった。
「相変わらずいい乳してやがるな、柔らかいのにもっちりと吸い付いてきて、弾力も十分。それに……」
「あっ、あふ、ううっ、んあああああぁっ……だめ、触らないでって、言ったじゃないですかぁっ」
「悪いな、顔も身体もデカチチも触ってほしそうにしてたもんで」
「んく、うっああ、あふ……そんな、はずは」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う流を睨み返すも、両の人差し指が大きく張り出した乳輪へと引かっけられれば次の言葉はどこかへと消えていく。
そんな澪を嘲笑うように蠢く指先は”赤子から乳房を守るための部分”を触れるぎりぎりの強さで刮げ、爪の先だけを用いてソフトに引っ掻き、乳首の根元にくるくるっと幾つもの円を置き、乳輪と肌の境界線にフェザータッチを施してと生ぬるいスキンシップに徹する。
対する澪は綿の潰れた布団の上で腰をくねらせ、背筋を持ち上げ、艷やかな黒髪をなびかせてと抵抗の意を示すも、「このくらいだったら構わないだろ?」と退けられる始末。
さらに流は乳輪の表面に点在する淡い突起をかりかりっと引っ掻いては乳首へと指腹を寄せ、しかし触らずに虚空を掠めるのみと乳首を苛め続けるばかり。
追い打ちとばかりに唇を啄まれ、口内をぐちゅぐちゅに弄ばれ、舌を捉えられと敏感な粘膜を刮げられて、結果として澪は掴んでいたはずの太い腕から右手を離すこととなった。
「っあ、あっ、ひううっ……んはあ、あああああっ!」
「いい声で泣くじゃないか。ご褒美もくれてやらないとな」
「結構、ですっ……ぅっ、あ、っ、だめ、そっちは、あああぅっ」
力ない声も、敷布団に委ねられた両腕も意に介することなく、流の両手指が左右の突起とのアプローチを遂げる。
最初に芯を帯びた乳首の上半分を摘み上げ、くにくにくにっと上下左右に薙ぎ倒してくる。
次に中腹から頂点へと縦方向に引っ張り、扱く動きで突起に摩擦快感を塗り伸ばしてくる。
次に人差し指と中指の爪で突起を優しく抓り、乳輪をなぞり倒す小指と薬指も合わせて複雑な愛撫を繰り出してくる。
次に乳房を絞り揉みながら乳首へと指を向かわせ、揉み解す動きと捏ね潰す動きの両方で刺激にギャップを与えてくる。
次に人差し指の爪で乳首を弾いて転がし、じんじんとした痺れや痛みを乳腺へと浸透させてくる。
次に乳首の頂点に指腹を置き、乳管を探り当てる要領で右に左に動いては、時折爪を立てて焦れったさを鋭い痛みで彩る。
積み重なる愛撫に比例して全身の毛穴が開くような熱も高まり、澪は汗ばんだ肌を拭うように背筋を捩らせてしまった。
秘裂の奥に、とろりと粘度を帯びた滴りを察知するのと並行して。
「ひうううっ、あっ、んはあっ、あふううっ、っ……ぅ、だめって、言ってるじゃないですか、ぁ」
「言葉ではな。身体は……どうかな?」
翻弄を自覚しつつ澪は身体を起こそうと試みるが、ここで右の唇を舌の表面で刮げられる。
こみ上げる”ざわざわ”と”ぬるぬる”が子宮の辺りに赤く焼けた鉛さながらの熱と重みを施し、それがポルチオ、Gスポット、襞の凹凸と様々な領域にまで浸透を始める。
乾ききったスポンジに甘くほろ苦い蜜が吸い取られるような、全身を一回り小さく凝縮させるような、乳房の内側に芽生えた何かがずきずきっと皮膚の裏側を責め立てるような快と不快の集合体は神経を膨張させながら手足の先へと這い進み、皮膚の感度を向上させつつ額の裏側で小さな爆発を何度も何度も起こし始めた。
その度に澪は枕を抱き寄せ、毛布の端を掴んで引っ張るが……流は相変わらず左右の乳首を交互に舐め転がすだけ。
尖らせた舌先で押し転がしては摘み上げ、螺旋でも描くように掻き毟り、窄ませた唇で摘み上げ、唾液を乗せた唇の裏を使ってぬるんっ、ころころっと太めの突起を練るように転がし、ほんの少しだけ立てた前歯を使って上下左右に薙ぎ倒し、乳暈の仄かなざらつきもろとも舐り刮げ、視線を合わせながら不規則なタイミングで乳首を啜り上げ、内側でずぐんっと強まるばかりの疼痛を探り当てるように乳房を内側の組織ごと丹念に揉み捏ね……無言のまま繰り出される愛撫に翻弄された澪は、安っぽい布団の前で腰を泳がせ、コシのある黒髪を踊らせ、視界をぼやけさせる涙を手の甲で強引に拭ってとせめてもの抵抗を示してやった。
「こんな、あぁっ……気持ちよくなんて、っ、は、ああっ、あふ、っ、んはああっ」
「…………じゃあどうしてこっちは濡れてるんだろうな?」
乳腺を丁寧かつ荒々しく嬲り倒すような揉み込み。
痛み混じりの気持ちよさが眉間の皺を深めたところで、下腹部にはもう一つの切なさが。
ぎゅんっと子宮の内部が縮こまるような、幾度となく男根を受け入れてもなおぎちぎちっと甘ったるくも手厳しいホールドを繰り出す膣内が蠢動を強めるような、陰核脚を起点に会陰部や突起の頂点に浸透していく期待感が女性器どころか肛門にまで支配を及ぼすような、おぞましくも”欲しくてたまらなかった”気持ちよさが稲妻さながらに背筋を打ちのめす。
まだ触れられてもいないのに、色白の肌はのぼせ上がる勢いで桃色へと染め上げられる。
まだ触れられてもいないのに、クリトリスには目に見えない電流か何かで引っ張られていく。
まだ触れられてもいないのに、襞と襞の合間は薄白く濁った粘っこいせせらぎで満たされる
まだ触れられてもいないのに、激しいピストンを期待したポルチオはぐぐっとせり上がっては体積を増し始める。
腫れていく錯覚に囚われた全身はスキンシップを待ち構える勢いで震えを強め、閉ざしていはずの脚からは力が抜け、どぷっと垂れ流された愛液の塊が内ももや雄臭さに満ちたシーツを汚すのも構わずに澪は脚を扇状に開いてしまった。
「この前より、随分素直になったじゃないか」
「早く、終わらせたいだけですっ、私だって……暇じゃな、い、いぃっ」
抗弁を途切れさせるは、鉤状に曲げられた人差し指。
それが土手の肉を割りくつろげたかと思うと、膣口を守るように張り巡らされた襞を一枚ずつ摘み、指腹に乗せられた本気汁をローション代わりに膣口を撹拌し、合間合間に大陰唇の外側につつーっとフェザータッチを施す。
目の細かいヤスリで弱々しく弄られるような痛み混じりの心地よさと皮膚の表面をむずつかせるだけの単純接触が織りなすギャップに、澪は背筋を反り返らせ、キスでもせがむつもりで尖らせた唇を流に差し出してしまった。
「デカチチに相応しいいやらしさだな……そうでないと面白くない」
「っ、私は、いやらしい女なんかじゃ、っ、う…………んむ、ぅ」
屹立を果たしたクリトリスをぴんっと弾いて転がされるのと並行して、大胆な侵入を遂げた舌先が我が物顔で口内を弄り尽くす。
突起の根元やその真下に広がる皮膚越しの性感帯を撫でくり回されるのと並行して、味蕾に滲んだ唾液を徹底的に啜り取られる。
膣内に細やかな振動を送り注いでいた指先がぬるぬるぐじゅぐじゅの襞をあやすのと並行して、内頬や上顎が”彼の味”でコーティングを余儀なくされる。
追い打ちとばかりに両手で乳房を掌握されれば、頭をもたげるのは”このままイカせて”という浅ましい感情。
澪は首を振ってそれを拒むも、直後に曝け出される流の巨根。
天井を睨むようにそびえ立つ肉の柱はびくっ、どくんっとランダムに脈動を誇示し、微かに開いた鈴口からはぼたぼたっ、どろぉっと太い縦糸を照り光らせていた。
兜を彷彿とさせるシルエットの裾野には高く張ったエラが用意されており、襞と噛み合っては凹凸を薙ぎ払っていく災害じみたピストン運動を否応なく想像させられてしまう。
そして膣内では咥え込みきれない太竿に、ゴルフボールでも詰まっているかと勘違いするほどに大きく発達した陰嚢と睾丸。
力を得ることで大きな脅威と戦おうとしている自分を”一匹のか弱い雌”へと貶めかねない形状を前にさせられた澪は、意志とは無関係にごくりと喉を鳴らしていた。
「まいったな、そんなに早くぶち込んでほしかったのか?」
「なっ……! そんなわけないじゃないですかっ! 私は、ただ……」
デリカシーなど欠片たりとも存在しない言葉に上半身を起こしかけるが、直後に筋肉質で逞しい身体が覆い被さってくる。
栗の花を連想させる青臭さと膂力を漲らせた重みが視界も手足の動きも封じ込めたところで、太く張り詰めた亀頭が膣口をくちゅりと擦り上げる。
互いの粘膜に刻み付けられた微細な起伏が体液を隔てたまま噛み合い、ずりっ、くちゅっと生じた摩擦快感によって腰にはずきんっともどかしさが駆け抜ける。
抵抗など許されるはずもなく、澪は視線を逸らしたまま下半身の力を抜いた。
「これだけぐちゅぐちゅなら、気持ちよくなれるんだろうな」
「っ、あっ、ああ……んっ、どうして、焦らすんですか、っ、はうううっ」
入口を浅く掻き混ぜるだけの亀頭、人差し指と中指の側面で挟み潰される突起、乳管に極細の紐を出し入れされているような錯覚。
早く挿れてほしいのに、溢れんばかりの力が暴走しかねない状況下にて、澪は声にならない声を溢れさせる。
対する流は澪の乳房を掴み寄せ、谷間を通り抜ける汗の雫を潤滑油として膨らみを揉み尽くすばかり。
後頭部をひりひりと苛む衝動に耐えかねた澪は、彼の腰を掴んで膣口と鈴口を自発的に重ね合わせてしまった。
「おねだりも上手になってきたじゃないか」
「っあ、あふ……っ、っ、くっ、あああああっ!!」
直後に、男性器がずぷんっと挿入を深める。
ゴムさながらに伸縮性に富んだ粘膜は襞を広げつつ対応するも、固く張り詰めたカリ首に起伏の名残を蹂躙されれば、脳内には火花が撒き散らされる。
一発で最奥付近まで没入した亀頭は壺状に閉じた膣奥にぐりんっと嵌め込まれ、粘膜に敷き詰められたざらつきを控えめなストロークを与える。
泡の混じった愛液が結合部から溢れ出る中で、反り返った背筋をなだめるように乳房を鷲掴みにされる中で、乳首を荒々しく揉み絞られる中で、触れられてもいないクリトリスにじわりともどかしさが染み渡る中で、澪は緩む唇もお構い無しで嬌声を飛ばす。
だが喘ぎの合間に逃げる女体は大きく固い掌に連れ戻され、互いの下腹部が角度を合わせ、ずちゅっ、どちゅっと重苦しいピストン運動をGスポットに浴びせられ……強まる摩擦快感に比例して、澪は脳内を駆け巡る桃色の火花を自覚させられることとなった。
「どうだ? ここが弱いってのは知ってるからな」
「っく、ふあ、あっ、あ、あっ、ああああんっ!!」
「それと、残るはこっちか……」
十分な発育を遂げた乳尻を揉みくちゃにし、臍下の腹筋で立ち上がったクリトリスを練り転がすのと並行して、魚卵状の起伏で満たされていた部分をカリ首がずりぃっと滑り落ちていく。
愛液ごと掻き出しかねない圧迫とカリ首と深く入り組んだ襞が噛み合う違和感に前身は真っ赤にのぼせ、ずんっ、ずんっ、ずんっと規則正しく響く重低音じみた水音を前に、澪は流の背筋に爪を立ててしまった。
もっとも彼に刻み付けた痛みなど些末そのものだったのか、激しいピストン運動は腟内に刻まれたじょりじょりでぬるぬるの溝を遠慮なく振り払い、特に凹凸が集まった部分にエラを重ねてはピンポイントで小刻みな前後をぶつけてと、手痛い反撃を食らう始末。
その度に澪は腰を3次元的にくねらせ、日に焼けた畳をきしきしっと軋ませ、築50年級の狭い部屋全体を震わせる。
「そんなに動くと、崩れちまうぞ」とからかい半分の声に、ただでさえ真っ赤な顔をより色濃く染めながら。
螺旋状に異物を絞り上げる男根を奥へと吸引する下腹部に、脳がくらくらっとめまいを起こすような恥じらいを覚えながら。
扇状に広がった艷やかな黒髪を指先で弄ぶ仕草に、愛おしさを募らせながら。
「ぅ、ああ、っ、ああっ、はああ、ああああんっ!! だ、めっ、です……奥は、あっ、はあ、ああぁっ、また、果てて……っく、うううっ!」
「いつもみたいにイッちまえばいいんだ、気持ちいいのだってわかってる、っ……無理して隠すことなんてないんじゃないか?」
「だって、っ、ああ、うううっ……んは、ああっ、あ、あっ、っひい、うううっ!」
喘ぎで中断させられた声も、塞がれた唇によって行き場を失う。
追い打ちとばかりに肉感的な丸尻を引き寄せられれば、ぐちゅんっと粘っこい水音が弾けたタイミングで子宮口をこつんっと触れるか触れないかの強さで押し叩かれる。
「………………っ!? あ、あああああああっ!!!」
最初に頭をもたげたのは違和感。
次に衝突を果たした粘膜がぞわっと震え、荒波めいた勢いで膣口や子宮内部、肛門の奥にまで愉悦が浸透を始める。
制御など到底不可能な痺れは手足をがくがくっと跳ね暴れさせ、ぬるつきを纏った”見えない何か”が襞やクリトリスを甘切なく締め付け、こぼれ落ちた涙で視界はあっけなく輪郭を失う。
迫るオーガズムを察知させる急変を受けた流はピストン運動を中断させて澪の額を優しく撫でるばかり。
”愛されている”というまやかしに絆された澪は頬へと宛てがわれた大きな右手に自らの掌を被せるが……ここで、子宮口に2度目、3度目の衝撃が。
「あっ、ああっ、だめ、それは、あ、あっ、ああぅ、ああっ、ああああああっ!!」
「一番弱いところを責められた感想はどうだ?」
「知りませんっ、そんな、ああああっ」
どちゅんっ、と体重の乗った一撃が浴びせられると、相対的にボリュームで劣る身体は伸し掛かる流と布団によって挟み潰されていく。
戦闘を連想させるレベルのプレッシャーが眉間に皺を深く刻ませるも、直後に舌先が口内へと入り込む。
唾液を啜り、疼く粘膜をなだめ、喉奥まで吸引され……今まで以上の激しさを湛えたキスに澪はもがいて、胸板を押し返して、持ち上げた膝を彼の腰に回してと抵抗の意を示すも、下半身を軽く突き出した瞬間に子宮口にノックが浴びせられる。
「だめっ、それは、本当に、っ、いいぃっ……気持ちよく、おかしくなっちゃうから、あぁ」
絶頂を仄めかす掠れ声に伴い、子供を育てるための器官を押し戻すような突き上げに襲われる。
かと思えば今度は、クリトリスを捻って転がす動きに並行して抽送に回転が与えられる。
かと思えば今度は、襞を捲り剥がすような角度を混じえたピストン運動で摩擦に圧迫が加わり始める。
かと思えば今度は、子宮口の微かな切れ目に鈴口が押し当てられ、くりっ、くりくりっと遠慮がちな刺激が施される。
かと思えば今度は、腰を掴まれたところでぐちゅんっと勢いよく亀頭を叩き込まれ、瞼の裏側に幾つもの点滅を強いられる。
かと思えば今度は、分厚い襞によって作られた最奥とカリ首が噛み合い、その部分だけを集中的に責められる。
今日もこれまでと同じようにただただ翻弄されてしまうのか……そんな後ろ暗い思考が頭をもたげる中で澪は流にしがみつき、曲げた両膝を用いて膣内全体をぎゅうっと引き締めた。
「う、おっ……そろそろ出してやりたいところだが、先にそっちをイカセてやらないとな」
「っあ、あぐ、ううっ……結構です、っ、はあ、あっ、うあ、あああああああっ!!」
辛うじて絞り出した”お断り”の言葉を踏み躙るように、開ききった両手が乳房への征服を試みる。
腋窩との境界線に潜む敏感な部分も、乳輪と皮膚の繋ぎ目も、乳首の根元も、乳腺へと続く極小の穴も全てを固い指紋で薙ぎ伏せられ、その合間合間にはパン生地でも練り込むような強めの圧迫感。
さらに彼の両手が腰に戻るのと同じタイミングでばすんっ、ばすんっ、ばすんっと腰を打ち付けられることで2つの乳房は残像さえ生じさせるレベルで大きく波打ち、生じた風が額に貼り付いた前髪に涼しさをもたらす。
激化したストロークに並行して立ち上がった乳首を捏ねくり回され、抓られ、扱かれ、その合間にクリトリスも引っ張られてと性感帯を纏めて責められることで子宮内に塊めいた何かがこみ上げ、腟内を満たし、全身へと染み広がり、最後に脳を焼き焦がす。
細胞の一つ一つにざわめきが塗りたくられる中で、澪は近付いてきた流の顔に口づけを返してしまった。
「ああっ、あああああんっ、はああああっ、ああっ、ああっ……果て、っ、るぅ……っあああっ」
絡み合う舌と舌に次いで、乳腺が膨張するような、乳管が細い毛か何かで割くつろげられるような錯覚に陥る澪。
オーガズムに至るうねりを今更拒めるはずもなく、反り返る背中に、畳が折れかねないほどに跳ね暴れる腰に、流の背中を掻き毟る手指に唆される形で、組み敷かれた女体は絶頂へと追いやられることとなった。
「くっ…………出すぞ」
直後に膣奥を穿つ亀頭が痙攣と膨張を曝け出し、子宮口に熱っぽさが浸透していく。
直後に異物を絞り上げていた粘膜が緊張を失い、ぞわぁっと蠢きを強めてはカリ首を奥に奥にと引っ張っていく。
直後に尿道に強張りが走り、ぷしゅっ、ぷしゅっと粘度の低い液体が迸り、シーツと流の身体を汚す。
潮吹きを自覚させられた澪は恥ずかしさのあまり視線を逸らし、緩んでいた唇を強く噛むが、ここで乳房が一回り大きく膨らみ、乳首を這い上がるような圧迫感とともに母乳も噴出させてしまった。
「いや、あっ、あ、あっ、ああ……何、これっ、あ、あっ、あひ、いいいいいっ!!」
「……なるほどな、そういうことだったのか」
次々と溢れ出る白い礫が愛撫など到底許されない領域にさえ愉悦を塗りたくり、乳腺をほろ苦く蝕んでいく。
対する流は右の乳首を口に含み、絶え間なく滲む乳白色の滴りを飲み干していく。
ごくっごくっとわざとらしい音まで立てて。
「や、ああっ、飲まないで、っ、あ、あはあああぁ……っ」
一度果てたはずの身体は、乳房を中心に発散した快感を再度蓄積させていく。
そしてそれが拳大の体積を得たところで、乳房の内部組織がちぎれかねないほどの痛気持ちよさに襲われる。
追い打ちとばかりに吸引を強める流に屈した澪の身体は、二度目の絶頂へと追いやられてしまった。
「ああっ、ああっ、あはあ、あああぁ……果てる、っ、果て……あああああああんっ!!」
外にさえ響きかねない嬌声と、力任せに揉みしだかれる乳房と、射精を終えたにもかかわらずストロークを取り戻すペニス。
母乳を吸われながらの新しい快楽を前に、澪はそのまま気を失った。
(2)
二度目の絶頂を迎えた後、澪は呆気なく気を失った。
しかし柔らかくも手に吸い付いてくるような乳房を揉みしだき、乳首を捻るように転がし、内側に溜まった母乳を絞り出し、合間合間に白濁に塗れた襞を薙ぎ伏せてやれば、快感によって直ぐに目を覚ます。
蠢きを激化させる襞に、ぎゅっと異物を絞り捻るように縮こまる膣内に、最奥で亀頭を待ち構える子宮口にペニスは幾度となく強すぎる快感を授けられ、その度に精液を吐き出していた。
「っは、あっ、ああ……っ、ま、まだするのですか?」
「次が最後だ、よく頑張ったな」
荒々しい性交の果てに、干し忘れた布団の上にぐったりとうつ伏せで横たわる澪。
無防備に差し出された丸尻に、赤く色づいた秘裂をとろぉっと伝い落ちる精液混じりの愛液に、ひくひくっと不規則なタイミングで蠢く粘膜の層に、ペニスはむくりと固さを取り戻し……流は考えるよりも先に彼女の身体へと覆い被さっていた。
「ひああ、っ、あっ、あふ……ううっ」
肉厚の膣口と摩擦によって赤黒く腫れた亀頭をくちゅっ、ぐぢゅぅっと押し当て、幾度となく激しいストロークに晒されてもなお弛みを欠片たりとも見せない膣穴に撹拌を施す。
対する澪は激しい疲労故に大きく発達した丸尻だけを高く捧げ、綿の潰れた枕に汗塗れの頬を委ねるのみ。
花蜜を連想させる仄かな甘みに、火傷せんばかりの熱を湛えた餅肌に、ぐねりと異物を締め潰しては奥へと吸引する膣内に促されるまま、流は彼女の尻を掴み挿入を深めていった。
「随分とイキやすくなったな、ここまで開発されるとは思ってなかったぞ」
「っくあ、あ、あはあぅっ……い、いいから、もう終わりに」
一度目の打ち付けで子宮口の手前まで亀頭を進ませ、要所要所に配置されたぬるぬるとろとろの”狭まり”をカリ首で掻き広げていく。
二度目の打ち付けで先端を膣口まで一気に撤退させ、入り組んだ襞に逆方向からの摩擦を与える。
三度目の打ち付けでGスポットにカリの上部を合わせ、ざらついた部分でごしごしごしごしっとペニスを丹念に扱き倒す。
四度目の打ち付けでGスポットとポルチオを交互に責め、並行して乳首とクリトリスもあらぬ方向に捻り回してと快感に快感で追撃をかける。
すると澪は今日始めて抱かれたかのように顔を上げ、背筋を反り返らせ、安っぽい作りの室内に嬌声を響き渡らせた。
「ああっ……うっ、んは、ああっ、ああ、あっ、ああああああっ!!」
澪は腰を暴れさせ、乳房を揉む両手に自らの掌を被せてと、一定間隔で噴き出す母乳も意に介することなく腰を踊らせる。
右回り、左回りと円を描くごとにせめぎ合う襞がカリ首と噛み合い、凹凸の合間に粒立ちを潜ませた襞がざりっ、ずりっとエラの裏側に強烈な摩擦をもたらし、その合間合間には刺激を浴びせられた異物をなだめるかのような甘ったるい抱擁。
緩急を持ち合わせた名器を前に、流もまた今日抱いたかのように彼女へと覆い被さると、亀頭を締め上げてくる異物を振り払いながら……子宮口と鈴口を重ね合わせた。
「……っ!! また、それを……ぅっ、あ、あっ、あううううううっ!!」
挨拶代わりに双方の切れ目をくちゅりと接触させるだけに留めるも、澪は電流でも叩き付けられたように身体をのたうち回らせる。
そんな中で乳房を掴み寄せ、ぐりっ、ぐりっと切っ先を押し込めば、顎に向かって涎を滴らせた澪は両手指で虚空を掻き毟り、焦点の定まらない瞳で天井を見上げてと、”甘イキ”確定の反応を返す。
急変に勢いを得た流は母乳塗れの両手で乳房を練り揉みつつ、ただただ乱暴なストロークを繰り出しては下降を始める子宮口を押し返してやった。
「ひあ、あっ、うあ、あああっ、果てる……また、さっきみたいに、金剛様でっ、あぅ、ううっ」
「そうだ、チンポでイカされるんだ。でもここまで気持ちよくしてもらえるんだ、悪くない話だろ?」
煽りを混ぜた言葉を吐きつつ、流は子宮口の中心だけをノックし続ける。
強弱の付いたピストン運動は余程効くのか、澪はあちこちを掻き毟りながら尻をくねらせ、呂律の回らない嬌声とともに黒髪を露骨になびかせる。
さらに膣内はペニスと一体化を果たす勢いで閉じ縮こまり、カリ首を捲り剥がしては裏筋に吸い付いてと内に秘められた劣情を曝け出す始末。
Gスポットは亀頭の裏側をじょりじょりっと執拗に摩擦し、ポルチオは適度な張りと弾力を持って鈴口の周囲を包み込む。
そしてあらゆる部分に配置された凹凸はペニスへと絡み付き、扱くように前後したかと思うと皮を引っ張り、エラの内側に侵入し、狭苦しいリングを嵌め込んでと……一秒でも早く射精してくれと言わんばかりの仕草を見せる。
そのいじらしさに劣情を滾らせた流は覆い被さった状態をキープしつつ、釣鐘状に垂れ下がった乳房を掴んで捏ね回し、突き上げのペースに合わせる形で揉み絞ってやった。
「だ、だめっ、挿れながら、されると、っ……本当に、果てて……っ!! ふあ、あああ、ああああああんっ!!」
子宮口を穿ち返したタイミングで、根元から乳輪の付近へと圧をかけたままの手指を滑らせては目には見えない乳腺への刺激を試みる。
腰を軽く引いたタイミングで、乳山の中腹に中指から小指までを深く漏れさせながら、親指と人差し指でさらに乳首を真下へと強く引っ張る。
ざらつきを亀頭の裏側で擦り上げたタイミングで、乳腺が隠れているであろう部分に両掌を宛てがい、強張りの残る部分をぐっ、ぐっと遠慮がちに練り解す。
すると鴇色の乳首がじわぁっと薄白い滴りを滲ませ、ぽたっぽたっと落ちゆくそれが指先や体液のたっぷり染み付いた布団を清めていく。
流は思わず先端に溜まった母乳を指腹で掬うと、それを丹念に舐り刮げてしまった。
「飲まないでっ、お願いですから……そんな、汚いです、あ、ああっ、はうううううっ!!」
「そんなことないと思うんだけどな、っ……お礼に、もっと気持ちよくしてやるよ」
長めのストロークで膣奥までを満遍なく責めながら、不意打ちで乳首を捻って薙ぎ倒しながら、流は右手指をクリトリスへと向かわせる。
時に突起の頂点だけを生ぬるく引っ掻き、時に根元から摘んだそれを緩やかになぞり上げ、時に腰の動きを止めてまでクリトリスを扱き尽くし、時に抽送のタイミングに合わせて圧迫を施していく。
一方で腟内を荒々しく蹂躙するペニスにはぞわつきが走り、大きく張った睾丸も凝縮を始める。
下腹部を満たす疼痛に射精を確信した流は、最後に澪の尻を掴むと加速させたストロークで降下済みの子宮口へと狙いを定めた。
「くっ、う……出すぞ、イク準備をしておくんだな」
「はあ、あううっ、あひいいっ……ま、また、あっ、ああああっ、果て……あ、ああっ、んはあああああっ!!」
そして壺のような佇まいを持つ膣奥がぎゅっ♥と異物を締め上げたところで、流は精液を迸らせる。
心地よい虚脱感と達成感の中で腰を前に出せば、同じタイミングで絶頂へと追いやられた澪が全身を痙攣させて布団へと崩れ落ちる。
母乳と潮を噴出させながら掠れた声で喘ぎ、愉悦の余韻で手足をびくっと弾ませてとあられもない姿を見せるも、しかし最後の一滴まで精液を搾り取るように腟内を蠢かせてと、アフターサービスにも余念のない少女。
流が満足げにペニスを引き抜くと結合部からは夥しい量の精液が溢れ出る。
それは太ももを、膝を伝い、既に浸透を済ませた母乳や愛液と混ざり合っていく。
数度の射精に疲労を覚えた流はその場に座り込むが、どうやら澪は気を失ってしまったようで呼びかけても返事は一切戻ってこなかった。
(3)
「んっ……はあ、うう……ぅ」
ふと目を覚ますと、そこには見慣れた天井。
おそらく絶頂を迎えた際に気を失ってしまったのだろう、澪は開けたままの巫女服も忘れて身を起こし、部屋の電気を点けた。
障子の隙間から届く冷たい風が性臭を打ち消す中で傍らに投げ出された特性のブラを手に取ると、着衣に残った微かな温もりが、布団にこびり付いて離れない乳臭さが、大量の白濁で糸を引いた陰部が呼び水となり、”まぐわい”によって乱れきった己の姿を瞼の裏へと鮮明に映し出す。
「あんな、何度も何度も……辱められて」
陰部に残るは、襞の一筋一筋を異なる方向に蠢かせるぞわつきと、子宮内部をぎゅんっ、ぎゅるんっと縮こまらせる甘酸っぱい余韻。
それらはやがてうねりと化し、陰核脚を通じてクリトリスや下腹部を支配し、敏感な部分を先の丸い針で引っ掻くような気持ちよさへと置き換えられていった。
「何だ、もう起きたのか? 流石に若いだけのことはあるな」
「っ……申し訳ありません、1人で勝手に」
ふすまの開く音とともに鍋を持った流が部屋へと入ってくる。
布団の隣に置かれていたちゃぶ台に鍋が、焼き立ての干物が置かれた皿が、取り皿が、炊きたての白米を山盛りとした茶碗が置かれ、室内は途端に甘辛い醤油の匂いに包まれていった。
「悪いな、流石にそれは俺にもどうにもならなかった」
「……いえ、気にしないでください。それより、先にシャワーだけでも。すぐに戻ってきますので」
「わかった」、「その間に味噌汁も準備しておくからな」と優しく呟いた彼の広い背中に見送られつつ、澪は脱衣所へと向かうことにした。
※※※
体液を綺麗に流し終え、着衣を全て整えた澪は流に促されるまま干物へと箸を進める。
肉厚の身はふっくらと柔らかく、それでいて旨味が凝縮されており……先程の羞恥を忘れさせてくれる味に、自分の料理とは比較にならないほどに優れた味に、しばし言葉を忘れることとなった。
「……………………これ、すごく美味しいですね」
「清花が作ってくれたんだ」
聞き慣れない名前に首を傾げてしまう澪。
彼女は白山三滝の麓にある白山神社の巫女とのことで、殆ど里や町を訪れることもなくなった流のためにあれこれと世話を焼いてくれるとのことだった。
「この煮物も作り方は教わったんだが……どうにも火加減が上手くいかなくてな」
「そんなことありません。確かに少し醤油が入りすぎているかもしれませんが」
「普段は澪に世話になりっぱなしだからな、かなわないよ」
いつになく人懐っこく笑う流。
対する澪は”清花”という少女の存在を気にするあまり、取り皿に置いたはずの煮物を味噌汁の中に落としてしまい、また流に笑われてしまった。
「結構可愛い所あるんだな」
「見ないでください、っ……誰にだって、間違いくらい」
清花とは誰なのだろうか、自分と比べて胸も大きいのだろうか、何歳くらいなんだろうか、付き合いの長さはどのくらいなのだろうか。
様々な葛藤が脳裏を過ぎればどうしても食事に集中できず、澪はつい箸を置いてしまった。
「まだ疲れてるみたいだな。何か入れておいた方がいいとは思ったんだが」
「お気遣い、ありがとうございます」
この男は、あくまで自分が力を得るために利用しているに過ぎない。
そんな彼が他の女性と関わりを持っていたとしても、まぐわいに差し支えがあるわけではない。
そもそも自分が異性に対して恋愛感情を抱くなんてあり得ない。
子宮と乳腺の間に棘でも刺さったようなささやかな痛みを自覚させられる中で、澪は流から視線を外すと逃げ場でも探すようによく晴れた星空を見上げた。
(4)
「次はいつになる?」
「そればかりは、何とも言えません。ですが……必ず戻ってくるつもりです」
「やばくなったらすぐに逃げろよ。死にさえしなければ負けじゃない、そのくらいの気持ちでいいと思うんだけどな」
「随分と心配してくれるのですね」
激しい性交の翌日。
滝行によって身を清めた澪は、生活拠点である道場を後にする。
いつものように途中まで彼女を見送ることにした流は滝の音を背中に聞きながら隣を歩くが、撫子の花を彷彿とさせる仄かな甘い香りに、頑丈な下着で押さえつけているにも関わらず揺れを完全に殺しきれない大きな乳房に、弱々しい風になびく艷やかな黒髪に、嫌な予感を拭いきれないでいた。
「どうにも、胸騒ぎがするんだ」
「勘、のようなものでしょうか? そこまで仰るのであれば私も少し気を引き締め直さないといけないかもしれませんね」
「あ、ああ。油断は潰しておくに限るからな」
或いは、単なる虫の知らせか。
判断など下すことのできない仮説が頭の中で回り始める中で、流は澪の肩を抱き寄せた。
「っ……いやらしい人」
「そんなんじゃないって。わかるだろ?」
「………………とにかく、私は行かなければなりません。心配していただけるのはありがたいのですが」
「そうだったな、悪かったよ」
麓の町へと向かう彼女の後ろ姿。
普段であれば数歩見送っただけで来た道を引き返すのだが……全身をざわめかせかねない”予感”を前にした流は、遠ざかる背中をいつまでも眺め続けてしまった。
「らしくないんじゃないのか、俺も……」
巫女の小娘1人に何を執着しているのか。
確かにあの身体は、あの胸は抱き心地も良好。
腟内も包容力と締め付けを両立させており、甘えてくるような蠢きで男根を射精へと追い込んでくる。
(5)
「いつもと、雰囲気が違ったような……」
砂利の残る急な坂道を足早に降り、沢の流れる音と合図に右、右、左と正しい下山ルートを選ぶ澪。
慣れた足取りは思考を侵入させるだけの空白を作り出し、ふと脳裏をよぎるのはたった一つの違和感。
「妙に心配されたというか、一体どういうつもりなんでしょうか」
まるで自分が死ににでも行くかのような態度だった。
最後に抱かれたときも荒々しく雄の欲求をぶつけてくるのではなく、乳首や陰核をじっくりと責め立ててくるような、触れるか触れないかの力でなだめてくるような、これまでとは異なる愛撫に晒されたことで……澪は身も心もとろとろに蕩かされ、下着の裏側で立ち上がった性感帯には強烈な摩擦快感が。
足が一歩前に出る度に秘裂を濡らす僅かな愛液がぬちゅっ、ぬちゅっと音を立てれば、澪は思わず立ち止まってしまう。
「いけません、集中しなければ……んっ、んんん……ぅ」
子宮口を苛む稲妻めいたもどかしさに、澪は木漏れ日を追いかけるように顔を上げる。
こちらは単に力を得るため、向こうは欲求を思う存分ぶつけるため、お互いがお互いを利用しているだけに過ぎなかったはず。
なのに麓の町との距離が近づくにつれて、”今日も抱かれたい”、”またあの男臭さに包まれたい”、”金剛様で自らの胎蔵を貫いてほしい”、”気を失うまで愛してもらいたい”と、額の裏側では浅ましい欲求が燻りを強めるばかり。
故に澪は手の甲で滲む汗を拭い、白衣の内側でじんじんと痛む乳首をなだめるように掌で包み、切なげな溜め息をこぼしてと、子宮内部を白く粘っこく染め上げる愉悦の痺れを誤魔化すような仕草を繰り返してしまった。
「これではまるで、あの人の望むままに振る舞っているみたいじゃないですか」
目を閉じれば内側をあからさまに押し広げられる圧迫感が、折り畳まれた襞とカリ首が噛み合う独特の摩擦感が、どちゅんっと子宮口を押し返される窮屈さが蘇り、脳細胞の一つ一つさえも桃色に染め上げられていく。
必然的に臍の下辺りがじーんっと痺れを強めるも、左の爪先に力を入れれば形を得つつあった気持ちよさは広がるように薄れていき、やがて跡形もなく消えることとなった。
「あっ………………」
順調な下山の中で、最後の分岐点に辿り着く。
右に行けば麓の温泉街、左に行けば白山神社。
清花という名前の、顔も知らない女性の存在を思い出せば足が左へと向かうが、澪は小さく首を振ると看板を視界に入れないようにして分かれ道を右へと進んだ。
(6)
澪の下山から数時間後。
流は伯王筋の神社である白山神社を訪れていた。
「相変わらずしけてやがるな」
高い巫能を持つ巫女はおらず、参拝客も観光地の賑わいと比較すれば少数。
故にどこか寂れた雰囲気を持つ神社だったが、そんな場所にも彩りが一つ。
それが、境内の掃除に一生懸命な高橋清花の存在だった。
「もー、しけてるなんて言わないでくださいっ。だからこうやって毎日毎日お掃除してるんじゃないですか」
「何だ、聞こえてたのか」
風にふわりとなびく髪に、女性の平均を下回る小柄さ。
そして澪とはどこまでも異なる凹凸に乏しい肉付き。
巫女服の上からは存在感を全く感じさせない乳尻から視線を逸らしつつ、流は清花へと数歩歩み寄った。
「こんな時間に珍しいですね、どうかしたんですか?」
「ああ、しばらく道場を留守にするからな。最後に清花の顔くらい見ておこうと思って」
「…………もしかして、この前の人と関係あったりとか」
巫能に乏しいにも関わらず、この勘。
隠し事はできないだろうなと考える一方で心配はさせたくない、そんな矛盾の中で流は「どうだったかな」と曖昧な笑みを浮かべてしまった。
「意外だな、澪のことまで知ってたとはな」
「一緒に滝行したこともあるんですよ? でもやっぱり年の差を実感させられたというか」
おそらく、身体付きの差を思い知らされたのだろう。
「もちろん学ぶべきことはたくさんありましたけどね」と唇を尖らせつつもどこか嬉しそうな様子の彼女に”人誑し”としての才能を見せ付けられた流は、内心が絆されていくのを自覚しつつも、本来の話題に戻るための筋道を探し始める。
麓の町でのボランティア活動で度々助けてもらったことを思い出しながら。
「神招姫について、知ってることがあったら教えてもらいたい」
「わたしだって、詳しいことはよくわかりませんよ? それでもよければになってしまいますが」
「……………………」
沈黙を返事と捉えたか、清花は笑顔を残しつつも話し始める。
神招姫役を拝している御巫(かんなぎ)・神薙(かんなぎ)・甲凪(かんなぎ)の中から選ばれた総代である八幡神威が、最近消息を絶っていること。
そこで、まだ幼い御巫涼皇が総代の代理を務めていること。
澪は御巫家宗家でも有名な存在であり、道場で何の修業をしているのか気になって仕方がないこと。
自身の家を末席の末席の末席と称するだけあって、得られた情報は流単独で調査しても得られたであろう物ばかりだった。
「わたしが知ってるのは、このくらいでしょうか」
「すまない。それで十分だ、まあ最初からあまり期待してなかったからな」
「あー、今のちょっとひどいような気がするんですけど」
「ん、ああ、悪かったって」
軽く謝罪を返しつつ、「また来るよ」と流はその場を後にしようとする。
だがその直後に、清花に服の端を引っ張られてしまった。
「……どこ、行くんですか?」
「野暮用があってな」
「嘘ばっかり」
「すぐ戻ってくるよ。とにかくまずは、情報収集だな」
おそらく、自分も動かなければならないのだろう。
流は清花の頭を撫でてやると、足早に白山神社を後にした。
(7)
麓の温泉街にある小さな土産物屋。
普段は休みがちの店だったが、都合の良いことに今日は営業中のようだった。
早速とばかりに店内へと入れば、用事の中身を察してくれたのか、店主と思しき男は点けっ放しだったテレビのスイッチを切ってくれた。
「まさか、貴方ほどの男性がわざわざ山を降りてきてくださるとは思っていませんでしたよ」
「随分と買いかぶってくれたみたいだが、アンタ達の期待に応えるつもりはない」
「……男性の呪術者でこれほどの力を持つケースは極めて例外的、残念なことです」
八幡神威との接点を持っているかもしれない男。
そんな彼のスカウトじみた言葉を跳ね除けつつ、流は本題へと切り込む。
「御巫澪を知っているか?」と。
だが無謀な”賭け”の直後に突き刺さるは、ただならぬ敵意と殺気。
しかし店主はすぐに笑顔を取り繕うと、「ええ、一応は」とだけ返してきた。
「……………………」
「これ以上喋るつもりはないってことか。神威は何を考えている? 行方不明なのは本当か?」
「さあ、どうでしょうね?」
「俺もそんなに気の長い方じゃない。もう一度だけ聞くぞ…………神威の居場所を詳しく教えるんだ」
「…………どこまで、知っている?」
すると店主は唐突に立ち上がり、手刀を流の首筋へと近付ける。
空気の層を容易く切断するであろう一撃は寸前で止められたが、右肩の近くには重い痺れが刻み付けられた。
「別に、何も知らんさ。ただ、子供に総代の代理を務めさせてまで雲隠れした理由を知りたくてね」
「本当か?」
「ああ、だが俺も勘はそこそこ鋭いぞ」
「わかりました。この話は聞かなかったことにします」
店主は再びテレビのスイッチを入れる。
静まり返っていた店内がニュースの音で満たされれば、流は一歩二歩と後ずさるが、ここで鼻を突くのは薬品めいた刺激臭。
”奥の手”を察知し損ねた己の未熟さを痛感させられつつ、流は後ろ手でガラス製の引き扉を開けた。
「不用意に近付いたのは失敗だったみたいだな。この薬……嗅がされればただでは済まなかっただろう」
「っ!! まあ、いいでしょう……だがもう二度とここには来るな、たとえ私の正体を掴んだとしてもだ」
「偉そうに、と言いたいところだが、その忠告は信じさせてもらうぞ」
両目を見開き、狼狽した様子の店主を尻目に店を出る流。
賭けに負けたのであれば、次の一手を考えなければならない。
やはり外へ行くべきか、それとも……と思索を巡らせながら、流は雑踏の内に己の気配を委ねた。
(8)
古びた道場にて、流はいつも通り鍛錬に励んでいた。
基礎的な筋力トレーニングに始まり、1000回、2000回と数を積み重ねたところで型を保つための体幹トレーニング、そして精神統一のための瞑想を挟み、最後に実戦を想定した動きの再確認。
日が昇る頃に始まったトレーニングも、終わる頃には昼下がり。
刺すような熱気に包まれたまま窓を開ければ、涼しい風が吹き込んできた。
「…………収穫はなし、か」
休憩が始まると同時に、追い払い続けてきた雑念が再び脳の奥の奥へと纏わり付いてくる。
”澪は無事だろうか”、”もっとできることはあったんじゃないだろうか”、”こんなことしている場合か”と。
情報収集にも限度がある、たとえどれほどの強敵であろうとそう簡単に負けるようなことはないはずだと、懸念を理屈で退けつつ、流は大の字になって日に焼けた畳の上へと寝転がった。
「…………来客の予定はなかったはずだが」
乱暴にこじ開けられた扉、次第に大きさを増す複数人の足音。
流が姿勢を戻すよりも先に、スーツ姿の男5人に取り囲まれていた。
「話がある、ついてきてもらおうか」
男達は必要最小限の動きで銃を抜き、頭部、心臓、腹部、手足とあらゆる急所に銃口を突き付ける。
流はコンマ数秒の内に射線を確認すると、真正面に立ち塞がる男から身体を少しだけ右にずらした。
「全くもって色気のないお誘いだな。もう少し気を使ってくれてもいいと思うが」
「お前に好き勝手動かれるとあのお方が困る、これは警告ではないぞ」
道場内の気温さえも上昇させるように、空気の流れさえも歪ませるように、膨張し始める殺気。
じりじりと接近する爪先。
小さく動く目線。
そして、四方を取り囲むように間合いを保つ洗練された動き。
勝つには勝てる相手、だが無傷でやり過ごせるか、殺してしまっては都合が悪いなと思考を巡らせつつ、流は5人との間合いを測り続けた。
「自分の勘違いにも気付けない癖に、偉そうに言ってくれるじゃないか」
「…………これだけの人数を相手に、抵抗しようとはな」
発泡の瞬間を察知した流は回り込んだ男を盾にするつもりでさらに身体を右に逃がすと、周囲が僅かに明るさを帯びた。
甲高い破裂音とともに。
※※※
「…………滅茶苦茶にしやがって、誰が直すと思ってるんだよ」
スーツ姿の男達を撃退した流は、銃の乱射によって破壊の限りを尽くされた道場内で1人座り込んでいた。
隙のない振る舞いとはいえ、所詮その強さは人間レベルの範疇に留まるもの。
師からの教えを受けた流にとって、苦戦を強いられるような相手ではなかった。
「はあ……しかし、俺が狙われたってことは……こいつはいよいよまずいかもしれないな」
銃弾が貫通した扉、燃え焦げた掛け軸、割れた盃に傾いた神棚、傷だらけの畳。
修繕だけでも多大な時間を要することだろう。
「逃げ足だけは一丁前に早かった、次はどんな手を打ってくることやら」
相手の視線や手足の動きを頼りに銃弾の雨霰を躱し、強さを増す光を目の端で捉えつつ縦横無尽に道場内を動き回り、引き金に指をかける合間に最初の1人を痛撃を浴びせる。
ついで崩れ落ちた身体を2人目に向かって蹴り上げ、乱射が止まったところで不用意に間合いを詰めてきた3人目の右肩を潰し、正拳で4人目を、肘打ちで5人目をそれぞれ気絶。
最後に目を覚ました男に「二度とここに来るな」と脅しをかければ、どうにか追い払うことに成功した。
「な、何だ!?」
しかしここで、道場どころか山全体を揺らしかねないほどの轟音が。
慌てて外に飛び出すと、我先にと逃げ出した数多くの野鳥が雲一つない空を埋め尽くそうとしていた。
「どういうことだ、地震ってわけじゃなさそうだが……」
澪の身にも危険が迫っているのだろうか。
刺客の力量も同じようなものであれば、大した脅威にはならないだろうが……拭いきれない虫の知らせを前に不安を募らせていると、紫がかった青い小鳥が目の前に現れた。
「こいつは、オオルリか」
かつて、澪に懐いていた小鳥を思い出す。
修行の一環で気を張り、それを念にまで昇華し、鍛え上げることで念の結界が形成されるが、殺気を完全に削ぎ落とすことまではできないため、道場の周りを訪れる動物は一匹たりとも存在していなかった。
しかし、澪の清浄な気に誘われたのかこのオオルリだけは彼女の周りをよく飛び回っていた。
「確か……幸運の象徴って呼ばれてるんだよな」
もしかしたらこの鳥は、澪の危険を知らせてくれたのかもしれない。
ならば自分も、あらゆる伝手を用いて助けに行かなければならない。
意を決した流は支度を済ませ、下山ルート途中の山小屋に足を踏み入れると電話を借り、忘れようとしても忘れられないであろう電話番号を入力する。
幸いにも、電話はすぐに繋がってくれた。
「師匠ですか……ご相談がありまして」
1999年9月15日13時15分。
まだ残暑は残るものの、季節は確実に移り変わろうとしていた。
(9)
その後、”師匠”への連絡を終えた流は足早に山を降りるが……温泉街に向かうよりも先に白山神社を訪れることにした。
「何日ぶり、だったかな」
「流さん……珍しいですね、こんなに早く会いに来てくれるなんて」
境内では清花が笑顔で出迎えてくれたものの、その表情にはどこか陰りが感じられた。
「……どうか、したのか?」
「布告が届きました…………柱様をお戴きしても恥じぬように精進潔斎を為せ、とのことです」
「それは、つまり……」
「勧請、どうやら新しい神を招くつもりみたいですね。でもずっとお姿を隠していた神威様が急にお戻りになるなんて」
自分の預かり知らぬところで、様々な思惑が動き出そうとしている。
師匠の力を借りたとして1人で抗うことができるのか……脳裏をよぎる最悪の結末を振り払いつつ、流は震える清花の手に視線を落とした。
今の自分は、不安や恐怖を慰めてやることさえできないと、無力感に打ちひしがれながら。
「最近。御薙澪様のことをお聞きしていましたよね? 何か関係があるのですか?」
「…………もし、俺が神威と戦ったら……どうなると思う?」
質問に質問を返せば、途端に清花の表情が強張る。
「絶対に会おうとなんてしないでください、そもそも勝ち負け以前の問題で相手にされないと思います」
「随分言ってくれるじゃないか、そこまで差があるってのか」
「もちろん、勘でしかありませんが。ただわたしは一度だけ神威様のお姿を見ています、雰囲気に圧倒されて声すら出せませんでしたが」
清花の勘は、確かによく当たる。
だが今回だけをそれを凌駕しなければならない。
恐怖に飲まれかけた肉体を、精神を救い出すつもりで、流は大きく身体を伸ばした。
「まあそれは俺だって十分承知している。わざわざ勝てない相手に喧嘩を売りに行くほど馬鹿じゃないからな」
「嘘ばっかり。でも、わたしが止めたところできっと無駄なんでしょうね」
「…………ああ、すまんな」
巫能に乏しい彼女であっても圧倒的な力量差を察知することは容易なのだろう。
顔さえ向けられない、歯の根が合わない、止めることなど到底不可能な全身の震え……遠い記憶の中に捨てたはずの忌まわしき”思い出”を蘇らせてしまった流は、気付けば震えをなだめるつもりで彼女の手の甲に掌を被せていた。
「寒いのか?」
「そんなわけ、ないじゃないですか…………そうだ、もうすぐ秋のお祭りですが、今年はどうするんですか?」
「え、急にどうしたんだよ」
「人手が足りてないってのはご存知ですよね? 力持ちの流さんがいないと困るんですよ。だって今回から綱を新調する予定で、もう藁だってみんなで集めちゃったんですからね?」
「わかってる、わかってるよ」
これはきっと、清花なりの再会を願う言葉なのだろう。
ならばなおさら生きて帰らなければならないと、流は差し出された手を強く握り締めた。
「これは?」
「お守り、です。お代はお祭りのときでいいですからね」
「ああ、帰った時に必ず返すよ」
左手に受け取ったお守りを握り、流は一歩を踏み出す。
清花は最後まで、笑顔を向けてくれていた。
これはbc8c3zがあらすじ・設定を作り、それを田上雄一先生に作ってもらった綾守竜樹先生の百姫夜行の2次創作です。そのうちアンケートをすると思いますが、その際にご協力いただけましたら幸いです。
今後もどんどん続いていきます。
よろしくお願いします。
仕事が忙しくなりお返事をなかなかできず申し訳ありませんでした。
それでは感想を。
>90センチを軽く上回る膨らみは釣鐘状に引っ張られたかと思えば、鏡餅さながらに丸みを残したまま平らに潰れ、指の間から高さ3センチほど肉をはみ出させたかと思えばぷるんっと揺れて流の指先を弾き返す。
さすがは澪、素晴らしい巨乳ですね。
>潮吹きを自覚させられた澪は恥ずかしさのあまり視線を逸らし、緩んでいた唇を強く噛むが、ここで乳房が一回り大きく膨らみ、乳首を這い上がるような圧迫感とともに母乳も噴出させてしまった。
>「いや、あっ、あ、あっ、ああ……何、これっ、あ、あっ、あひ、いいいいいっ!!」
神招姫名物のムネから精を『射乳』ですね。涼皇や澪のようなきりっとした女性が母性を搾り取られるのがたまりませんねふふふ…
>いつものように途中まで彼女を見送ることにした流は滝の音を背中に聞きながら隣を歩くが、撫子の花を彷彿とさせる仄かな甘い香りに、頑丈な下着で押さえつけているにも関わらず揺れを完全に殺しきれない大きな乳房に、弱々しい風になびく艷やかな黒髪に、嫌な予感を拭いきれないでいた。
この後に南方による肉禊によって身も心も魂までも奪われ搾り尽くされてしまうと思うとなんだか切ないですね…
>「もー、しけてるなんて言わないでくださいっ。だからこうやって毎日毎日お掃除してるんじゃないですか」
なんだか波音とは違った感じで庶民派で親しみが持てますね。高橋清花ちゃん登場と。
>風にふわりとなびく髪に、女性の平均を下回る小柄さ。
>そして澪とはどこまでも異なる凹凸に乏しい肉付き。
>巫女服の上からは存在感を全く感じさせない乳尻から視線を逸らしつつ、流は清花へと数歩歩み寄った。
波音も脱げばそこそこ胸はありましたが、それよりも凸凹に乏しいとは、まあ貧乳はステータスだ!
>「…………もし、俺が神威と戦ったら……どうなると思う?」
>質問に質問を返せば、途端に清花の表情が強張る。
>「絶対に会おうとなんてしないでください、そもそも勝ち負け以前の問題で相手にされないと思います」
原作で、攻撃力に限れば人類最高の一角であろう涼皇を鎧袖一触でしたからね。八幡神威…もはや神の領域の存在なのでしょうね。
元になった神威本人は戦争に反対していたようで冷酷一辺倒な女性ではなかったようですが、その相棒のムツキが百合的にこじらせてひとつになったことで今の『生ける氷河』になった、というのが来歴でしたね。
さて、流れはどうするのか…
色々と気になる伏線ばかりで待ち遠しいですが、どうかお体に気を付けて無理なくお過ごしください。
清花ちゃんもイラスト通りの清らかでありながら粘り強さや人徳をかんじさせる美少女巫女さんで素晴らしかったです。
ありがとうございました。
最後に一つ、原作を確認したところ『四』の時点で九月二日だったのですが、
>1999年9月15日13時15分。
との事で、あくまで原作と分岐するのが『参』後半でオリキャラたちが介入を始めるのは原作以降ということでしょうか?
こんにちは、ダガービーズさん。
ご感想非常に嬉しいです。
澪の胸の描写にはかなり拘ってあらすじを作ったので、そこを読んでいただけ非常に嬉しいです。
この百姫夜行外伝~Circulation編~First Person Viewでは澪のエロさと肉体開発がうまく表現できており、皆さんに好評で嬉しいです。
清花は今後も出てくるので、楽しんでいただけましたら幸いです。
★最後に一つ、原作を確認したところ『四』の時点で九月二日だったのですが、
>1999年9月15日13時15分。
との事で、あくまで原作と分岐するのが『参』後半でオリキャラたちが介入を始めるのは原作以降ということでしょうか?
実はこの外伝は原作3巻4巻を混ぜたもので、原作には忠実ではありません。
だからそれがわかるように日付も少し違います。
大体の流れは同じなので、9月前後の話と言うのは合っていますが、日付も原作には忠実ではありません。
だから今後、波音は神棚ネットワークで全国に晒されますが、原作では涼皇はすぐには動きますが、この二次創作では動きません。
代わりに違う人物が動き、澪の髪型も短髪にならない感じです。
初めは原作に完全に忠実に行こうと思っていたのですが、魔斬姫伝・呪い屋零などとクロスオーバーなどいろいろ考え・・・大体の流れは原作通りにして登場人物が多い分、少しずつ流れも変わっていきます。そこらへんの違いも楽しんでいただければ幸いです。
あと綾守竜樹ファンサイトで新規のファンを増やすといいつつだいぶ用語の解説や意味、キャラの設定などをだいぶ省いて書いていませんが、そこらへんも次回更新で一気にわかるようにしています。
正直、原作の日付と違うことをわかる方がいるとは思っていなかったので嬉しいです。
>元になった神威本人は戦争に反対していたようで冷酷一辺倒な女性ではなかったようですが、その相棒のムツキが百合的にこじらせてひとつになったことで今の『生ける氷河』になった、というのが来歴でしたね。
神威とキサラに関しては非常に迷っています。
綾守竜樹先生と生前交流があった沢村さんも百姫夜行の二次創作を書いてもらう予定ですが、沢村さんはネットで発表されていた淫封女伝:神招姫たちの艶闘という百姫夜行の元になった作品で書くご予定です。
私のほうの百姫夜行外伝~Circulation編は読んでもらったように本になったほうの百姫夜行の流れとキャラで行こうかと思っています。
そこで正直、神威やキサラのキャラや過去・性格などどうするか?迷っています。
百姫計画を成功させるか?直前で止めるか?百姫計画が成功しても集めた精を神威はどうするのか?
いろいろ考えています。
年内中にアンケートを取るので、その際に神威やキサラ、百姫計画などについてもアンケートを取るので、
ご協力お願いします。
ただ前半はすでにあらすじは出来ています。
次回の更新は10月か11月予定ですが一気にキャラや話も進展していきますし、更新も多くなる予定です。
ただその分、官能シーンは少なくなるかと思います。今まではほぼ官能シーンばかりだったので(笑)
今後ともよろしくお願いいたします。