魔法少女アイ外伝 魔法少女メグ③~捕縛~

4.捕縛

「えーと、この辺りのはずなんだけどな」
 耕一郎は口の中で小さくつぶやいた。
 閑散とした住宅街である。休日の住宅街には、出歩くものがおらず、ひっそりと静まり返っていた。
 このほとんど人のいない道を、複数の少年が歩いていた。
 総勢四名、暖かい季節に似合わぬ厚着で、先頭に立つ少年以外は俯きがちに歩いていた。
 先頭の少年は、すっきりとした背格好の、堂々とした雰囲気をまとっている。
 その集団で最も背が高く、大人びた彼は、少年から男へと成長している最中、という感じである。
 が、その彼に続く少年たちの様子は、ひどく異様であった。
「お、おぉ、おい、耕一郎、ぐんっ。ま、まだだだだ、なのか?」
 フードを目深にかぶった少年の一人が全身を大きく震わせながら聞く。
 その声は異常にぶれていて、ごぼごぼという水が泡立つような音が混ざっていた。
「は、はやはや、はやく、食いてぇ、女ぁ……食いてぇ……」
 もう一人の少年は、全身を小刻みに痙攣させていた。服に隠れた手はぎゅっと握られ、裾からはぽたぽたと半透明の汁が垂れ落ちている。
「あの女教師、すげぇ美味そうだったぁ、げへへ……絶対に食い尽くしてやるぅ……へへ」
 全員、ぶれにぶれた声、焦点のあっていない目、手足、背中に、ぼこっと膨れたコブのようなものがある。
 そのせいで、少年とは思えない禍々しさをはらんでいた。
「あはは、本当に君たち、ぶっ壊れちゃったねぇ」
 耕一郎は笑いながら、深くフードを被った少年たちの様子を笑い飛ばした。
 ゆらぎに捕らえられた男性は、壊れる。
 まずは精神が壊れ、性欲に特化した本能的な生命体になる。
 その欲望は体にも異変を及ぼす。生殖器は肥大化し、ぶくぶくに膨れる。
 特筆すべきは体質変化で、普段の生活を送れるような状態と、粘液質な触手のような皮膚とを自分の意志で変換が可能になる。
 女性をむさぼるためだけの生命体に変貌するのだ。
 未成熟な少年たちは、ゆらぎに取り込まれ、未や理性は侵食されつくしていた。
 もちろんそれは先頭の少年、耕一郎とて例外ではない。
 異常に膨らんだ性欲、そして膨れ上がった肉棒、体も、性交渉の時には異様に成長させることができる。
 性欲まみれの猛獣ということには変わりない。だが、彼にのみ与えられた特権がある。
 それは、集団を制御し、強制的に行動に従わせる能力だ。
 元来のおとなしさ、利発さ、そして社会的立場は、この少年たちに力を与えた者にとって好都合であった。
 恐ろしいほどの性欲を抱えた集団を制御するのにうってつけと判断されたのだろう。
 故に、ひとかけらの理性を残されている。
 その身に異常なまでの欲望を滾らせながら、本能と理性の混ざり合う脳内をフル回転させ、魔法少女の媚肉をむさぼるための策を弄す。
 彼が自分の力をハッキリと自覚したのは、メグの膣内に自分の分身を植え付けた時のこと。
 この力があれば、絶対に魔法少女を手に入れられる、と確信していた。
 ゆらぎの正体など、彼は知らない。いつの間にか自分に植え付けられていた、欲望発生装置……
 が、それを制御する器であると、彼は認識していた。
 故に、無敵。そして、無限。
 そんな彼が、メグのアリバイを自分の力で見つけ出すなど容易いことであった。
「ほら、ここだ。入るよ」
 彼の細胞を取り込んだメグの所在を見つけ出すなど、造作もないことなのだ。
「……ぐるる、ぐるるるる」
 唸り声をあげる少年を手で制しつつ、耕一郎は一見して目立たない一軒家に、遠慮なく入っていったのだった。

────

「ほぉおお……ッ、んおぉ……ッ」
 ズッチャ! ズチュぅッ!!
「あぁうぅぅぅ、あぁん……ッ?、あぁ、あぁぁぁ、お、お願いだから、もうこれ以上はぁッ」
 猛烈な粘着音が、風呂場に響く。
 ずちゅ、ずちゅっと触手がメグの穴という穴をむさぼり、じっとりと漏れ出た半透明の汁がタコの触手にまとわりついていく。
「はぁぁん、あぁぁぁあん、し、しつこすぎるぅ……もうらめ、らめ、らめぇ……おマンコ、やらぁ……ッ」
 一晩中の凌辱に、失神と覚醒を繰り返したメグは、すっかり痺れた体がひきつるのに、委ねるしかなかった。
 自らの体から生まれた二体の異形が、体を蝕む。
 にじゅ! にじゅるっ! にじゅじゅっ! にじゅるるっ!!
 メグの弛緩した両下肢を、触手が絡め取り、ぴぃんと伸ばす。
「あぁあぁぁあ、お、オッパイ、絞らないで……」
 タコの触手がメグの豊かな乳に巻き付き、先端を絞る。
 巻き付いた触手のはざまから覗く乳房先端、鮮やかな乳首が、触手に引っ張られる。
 その触手は、じわじわと乳房をひっぱり、やがて形のよかった乳全体がぎりゅりゅっと音を立ててすっかり伸ばされ、二つの円錐形を形作っていた。
「ぎいぃぃっ! あぁぁぁ、胸が、伸び切っちゃうぅっ! やめて、引っ張らないでッ!!」
 甲高い悲鳴と共に、メグは髪の毛を振り乱し、頭をぶんぶんと振る。
 しかし、理性のない無機質な触手は、彼女の訴えなど聞き入れはしない。
「ひあぁ、あぁぁぁっ! オッパイ、が、ちぎれ、ちゃ……うぅぅぅっ! あぁぁぁっ!!」
 そうして引き延ばしている間も、触手はメグの乳房をもみほぐし、痛みと同等かそれ以上の快楽を乳全体へと流し込む。
 気づけば、メグの乳房は、下乳の裏までもが丸見えになるほど強引に引っ張られていた。
「あぅっ! あぅぅっ! ふあぁっ! もうダメっ! だめぇッ! またイく! イくイくイくイくぅぅぅぅッ!!」
 望まぬ乳首快楽と乳房蹂躙、その間も休むことなく続くアナルと膣内への激烈なピストンで、意識もうろうとしているメグはひとたまりなく絶頂へ上り詰める。
「ひゃぁぁぁぁぁぁうぅぅぅぅッ! イくぅぅぅぅぅぅーッ!!!!」
 全身をぴぃんと引きつらせての絶頂に、メグはよだれをまき散らしつつ、またぐらから汁を吹きこぼす。
 四肢をぴん、と張りつめ、脳髄に叩き込まれた凄まじい悦楽に、メグは空気を渇望し、口をパクパクさせた。
「あ、あぐぅ、あ、あぁぁぁ……ひあぁぁぁ……」
 数えきれないほどの絶頂にわななきつつ、メグは涙目のまま、ぐったりとする。
 その最中、であった。
「うわぁ、すごいじゃないですか。こんなになってるなんて、想像以上ですよ」
「はッ!?」
 メグの驚愕に、耕一郎はほくそ笑む。そして、手をくぃ、とひねるような動作を見せる。
 すると、触手が針のようなものを先端から伸ばし、それをメグの乳首につぷぷっと差し入れた。
「くぅんっ!?」
 メグの声が跳ねる。
 痛みは全くない。ちょっとつぅんと乳首をつねられたような感覚が走り、直後、メグの目の前が揺らいだ。
「こんなタコみたいな化け物に一晩中ヤられても、まだ理性を保ててるんだねぇ、すごいじゃないですか、先生」
「あ、あなたたちは……」
「こんなタコなんかじゃ満足できないでしょう? 先生がチンポ狂いっていうことは、僕にはちゃんとわかっているんですよ」
「……ど、どうしてここが」
「やだなぁ。先生のことが大好きな生徒が、心配して追いかけてきたんですよ? 歓迎してくださいよ」
「ふ、ふざけたこと、を」
 メグは気丈にも反論しようとする。が、その全身はすでに疲労感としびれで、指先すら動かせない状態であった。
「この場所で味わいたいんですけど、味方を呼ばれちゃってますからね。みんなで先生を連れて、愛の逃避行です」
「……そんな、真似……」
 メグは少年たちの様子をうかがった。少年たちは、よだれを垂らしながら焦点の合わない目でメグをじっと見つめている。
 理性を失っていつつも、統率の取れた陣形……この少年たちは、凌辱のための肉棒役だ。
 少年たちは耕一郎の支配下であることは明白だ。
 集団で行動しているだけで、この耕一郎こそが、計画的にメグを追い詰めたのだ。
 相手は子供と侮り、策などないとタカをくくったメグの力押しが、完全にあだとなった。
 相手はゆらぎだ。
 見た目は子供でも中身は大人と同等の知能を持ち、欲望を満たすために頭脳をフル回転させた異形だ。
 その身も心も、力強さにあふれている。
 絶望感がメグの中に満ちていく……。
 薄れゆく意識の中、耕一郎の顔が、間近によってくるのを認識した。
「さぁ、眠ってください。先生がゆっくり体を休めて下さらないと、僕たちが困るんですよ」
「あ、あんた……私を、どうする、つもり……?」
「ふふっ。今までの恩返しですよ」
 耕一郎の邪悪な笑みがメグを貫く。
 メグには、耕一郎は少年には見えていない。少年の皮をかぶった、邪悪の化身、ゆらぎの悪意の集合体であった。
「僕たちが教えてあげます。先生は優秀ですものね、なんてったって、何度も復習して体に覚え込ませてるでしょうし」
 あまりにも邪悪。
 そして、その瞳に映りこむメグ自身の、とろけたような表情が、彼女が意識を失う直前にみた光景だった。
 メグの意識が暗転するまでの間、耕一郎の邪悪な言葉が、メグの脳裏に刻み込まれる。
 その後、メグの体を締め付けていた触手は耕一郎の体に吸収され、たっぷりとした力が耕一郎の全身にみなぎっていく。
 その達成感と愉悦に北そ見ながら、耕一郎は少年たちに命令し、メグを捕縛した。
「ははははは! メグ先生、ゆっくり休んでくださいね!! 目が覚めた時が、悪夢の始まりですよッ!! 調教地獄という悪夢のね!!」
 耕一郎は高笑いしつつ、その場を去るのであった。 


この作品が一瞬でも綾守先生がいなくなったことの皆さんの孔を埋めれれば幸いです。魔法少女アイ外伝は楽しみにしてファンも多いと思うので、二次作品ですが楽しんでいただければ嬉しいです。

二次元ドリームマガジンに追悼特集に掲載された綾守先生のあらすじに私が想像で追加したものを伊藤巧先生に書いて頂いた作品です。

もちろん今後も伊藤巧先生にお願いしており続きます。
感想があれば励みになりますのでお書きください。
またアンケート(アンケート1 と アンケート(2回目)だけでもいただけたら今後の参考になりますので協力して頂ければ幸いです。

次回はアンケート3を取るので、ご協力よろしくお願いします。

2件のコメント

  1. このような形で綾守先生の関連した作品が読めて嬉しいです。
    次回以降の更新楽しみに待っています。

    1. こんばんは、ナリタさん。
      HPを見て下さりありがとうございます。
      コメントをいただけ非常に嬉しいです。
      魔法少女メグのほうは少しずつですが、更新していきますのでよろしくお願いします。
      同時にくノ一淫闘帖外伝と百姫夜行の外伝も企画を進行させていますので、気長に待っていただければ幸いです。

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