痴漢五人隊 vol.3 外資系秘書レイカ


「御堂レイカ外伝」・・・AV批評界の風雲児、ウェッブ獅子王が手に入れた一本の痴漢DVD。
実はこれは囮捜査官・御堂レイカが満員電車で任務を失敗した一件が収録されたものである。
しかし、そんな経緯など知らぬ獅子王は、黒縁眼鏡の高慢ちき美女が五人の痴漢どもに犯される、
演技とは思えぬ秀逸な作品内容を、生々しく読者に伝えていくのだった。


 レイカは仕事が終わり、自宅に帰るとポストに名前も何も書かれていない封筒が入っていることに気づいた。
「誰からかしら……」
 そしてそれを取って、中身を見てみると、DVDのようだった。
 レイカはリビングに行き、早速それを再生してみる。
 そこに映っていたのは、かつての自分……。
「これは……、あの時の……!」
 負け知らずのレイカが、負けてしまった事件が、そこにあった。
 五人の男達に囲まれ、レイカは顔を赤らめて、切なげに声を上げていた。
 抵抗もしていたが、そんなもの、男達には関係ないといった様子だった。
「どうしてこんなものが……」
 レイカは忌々しくその映像を見ながら、昔のことを思い出していた。

 あの時は、確か山手線の電車に乗っていた。
 どうやらこの辺りで五人組の痴漢がいるという勇気ある女性からの告白でわかったことだった。
 正義感の強いレイカは、「絶対に捕まえるわ」と言って黒縁眼鏡に秘書風のスーツ、黒いランジェリーでその電車に乗った。
 車両までは特定出来なかったが、でも、この電車に乗っているかもしれないという可能性は高かった。
 こういう事件は再犯されることが多い。
 だから、同じ電車、同じ時間に現れることも、よくあることだった。
 中には時間をずらしたりする犯人もいるが、こういう事件は女性は声を上げづらい。だからこそ、そこを狙って同じ時間で痴漢をする者がいるのだ。
 そのことに、レイカは腹立たしいと思っていた。
 女性が安心して乗れる電車であってほしい。
 どうして女性ばかりこんなに酷い目に遭わなければならないの! ……と。
 そしてレイカは山手線の電車に乗っていたが、いつまで経っても、痴漢はやって来ない。
「残念、今日は収穫なし……か」
 そう思いながら、山手線から降りて、ホームを歩いていると、裸同然の女性がホームに力なく座っているのが見えた。
 レイカはすぐにその女性に走り寄る。
「大丈夫!?」
 上着を脱いで、その上着を女性に掛けた。
 ぱっと女性を見てみると、身体のあちらこちらに精液が放たれていたのがわかる。
「立てる? ……ちょっと、見世物じゃないわよ!」
 男達の熱っぽい視線に、レイカはきつく「見るのをやめなさい!」と言って、女性を駅長室まで連れて行った。
「酷い痴漢があったの。駅長室、使わせて頂戴。このままだと、二次被害が出てしまうから」
 そこの駅長は快く駅長室を貸してくれた。
 レイカはもしも用にと鞄に入れて置いたコートを女性に渡した。
「ありがとう……ございます……」
 女性は下を向いたまま、涙を流した。
 手をぎゅっと握りしめている。
 レイカは女性が着ていたであろう服をホームから拾い集め、紙袋に入れて女性に渡した。
「まず、名前教えてくれる? そうね。まずは私から自己紹介するわね。私は御堂レイカ。仕事はそうねぇ。簡単に言うと、囮捜査かしら」
 レイカは駅長室のお茶を勝手に女性と自分用に煎れて、それをテーブルに出した。
「怖かったでしょ? よく頑張ったわね。とりあえず、お茶でも飲んで、気持ちを落ち着けて」
 そう言うと、女性はゆっくりと頷いて、お茶を飲んだ。
 すると今になって怖さを思い出したのか、涙を流して泣き始めた。
 レイカは泣いている女性を抱き締めた。
「大丈夫よ。大丈夫。私が来たから、もう大丈夫よ。いっぱい泣いて、怖かった想いを全部吐き出して」
 女性はレイカに抱き着いて大声を上げて泣き始めた。
 レイカはそんな女性の背中をぽんぽんと軽く撫で、落ち着くまで待った。
「す、すいません……。私、痴漢されたの初めてで……」
「あのね、思い出したくないかもしれないけれど、痴漢……というより、レイプじゃなかった?」
「……はい。レイプ、だと思います」
「周りに女性はいなかったの?」
「居たんですけれど、皆見て見ぬ振りをして……っ」
 女性はまた涙を流し、それをハンカチで拭いていた。
「相手は、五人組?」
「はい」
 それを聞いて、レイカは「悔しい」と思った。
 同じ電車に乗りながら、被害者を出してしまったこと。
 犯人を野放しにしてしまったこと。
 こんな失敗、今までなかったのに……!
 そして、心から女性に「申し訳ない」と思った。
「男の特徴とか、何かわかる?」
「何も……。気がついたら、痴漢されてて、いろんなところ触られて、逃げたくても逃げられなくて……」
「わかったわ。辛いのに、話してくれてありがとう」
「絶対、絶対捕まえてくださいね……! 私みたいな想い、他の人にさせたくないんです!」
「約束するわ」
 そしてレイカはその女性が落ち着くと、駅の出口まで見送って、駅長にお礼を言って、一旦家に帰った。

 五人組の痴漢……。通称、痴漢ファイブ。
 近頃、痴漢もののAVで人気だという痴漢ファイブによる痴漢。
 狙われるのは美女ばかり。
 そして、電車にしか現れない。
 こんな、下劣で酷いことをする男達を、私は絶対に許しはしない。
 そうレイカは心で誓った。

 とりあえず、明日も同じような格好で電車に乗って痴漢されるのを待ってみよう。
 そう思い、クローゼットから明日着る服を出した。
 秘書という設定で、黒縁眼鏡は今日使ったもので、服は秘書らしい少し控えめなものを。
 ランジェリーは黒で決まり。
 そしてお化粧はそんなに派手にしなくてもいい。
 自分の顔立ちがよくわかっているレイカは、軽く化粧をすればいいということをわかっていた。
 無駄に化粧をするとケバくなって顔だけ浮いてしまう原因にもなりかねないのだ。
 それから、どんな手口かわからないということもあり、その痴漢ファイブのAVも上に言って入手した。
 それをテレビのDVDプレイヤーに入れて再生する。
 
まず、綺麗な女の人をカメラが捉え、その女性に一人、二人と男達が近づいていく。
 混雑する電車の中だ。
 自然と動線は出来ていた。
 そして男達は吊り革に掴まっているその女性の下半身や胸をゆっくりと撫で始めた。
 カメラは女性の表情を映し出す。
 酷く困惑していて、移動したそうにしていたが、ぎゅうぎゅう詰めの電車の中を移動出来なかったようだ。
 男達はその女性を囲って、両手で胸を鷲掴みしたり、パンツを脱がせたりとしたい放題だ。
「や、やめてください……」
 小さな抗議の声に、男達はただ黙っていた。
 そして、女性の後ろに居た男が、女性の秘部に手を這わせて女性に透明の粘ついた液体を見せ、カメラにもそれを見せた。
 まるで「嫌がっていないじゃないか」とでも言いたそうに。
 次第に、女性の嫌がる声が大きくなっていくと、事態を知った女性達や子連れのお母さん達は別の車両に移っていく。
 そして空いた車両には男しかいなかった。
 このことで五人はより大胆に動くようになる。
 女性の服を引き裂き、下着を奪い、裸にすると周りにその姿を見せる。
 女性はひたすら顔を真っ赤にして、俯いていた。
「うわ、すげえ……。生のおっぱいだ」
 学生からはそう言われ、中年からは「マンコが凄いことになってるぞ」と、女性の股の間から溢れ出ている愛液を見て嘲笑った。
 痴漢ファイブは乗客に見せつけるように女性を抱え、マンコに指を出し入れした。
「や、やめてください……っ」
 ぐちゅぐちゅ、とその車両に響き渡る音をしっかりとカメラのマイクは拾っていた。
 そして豊かな胸を乳首を弄ったり、揉んだりとその形を変えるかのように動かしている。
 マンコはいつの間にか指を三本入れられていて、愛液が床に落ちている。
 男達はスラックスから自身のものを出して、何度も擦って、そして女性に白濁とした液を掛けていた。
 女性は涙目で「もうやめて」と小さく言っていた。
 だが、男達の手は止まらない。
 ぴんと上に立った乳首をこりこりと刺激を与える。
 そして、その女性の秘部に、男の雄々しいそれがメリメリと入っていく。
「やめて、お願い! やめてぇ!」
 女性は声を張り上げた。
 だが、そんなもの無意味だった。
 男達の力によって、女性の体内に、男のそれが入ってしまった。
 そして腰を使って、ぐちゃぐちゃとそこを揺すられ、女性は泣きながら喘いだ。
「うあっ! あぁっ! やべでえ!」
 男達は代わる代わる女性を犯していく。
 最後の方には女性は上げる声すらなくて、ひたすら涙を流していた。
 そして、男達は女性の中に精を解き放って、駅に着くと車両から降りて行った。

 このDVDを見たレイカは、あまりの酷さに怒りの表情で固まってしまっていた。
 男達は顔が映らないようにしているのに、女性の顔はモザイクもない。
 これじゃあ、男達にとってはそれはもう天国のようなDVDだろう。
 でも、女性は?
 こんなことをされた女性が、電車に再び乗るだなんて出来ないだろう。
 酷い。こんなことをするだなんて。
 レイカは再び心に誓った。
 絶対に、この犯人達を見つけ、警察に突き出してやると……!

 とにかく、今は明日のためにさっさとお風呂に入って、眠りに就こう。
 そう思って、バスタブにお湯を貯め始めた。
 その間にも、ノートパソコンを起動させ、痴漢の被害情報などをまとめ、どこに現れるかを予想し、次のための仕事をしていた。
 この五人組の事件だけではなく、レイカは多数の仕事を請け負っている。
 そのため、一つの事件を解決しながら、複数の事件も取り扱うのが普通なのだ。
 まだあれもやらなきゃ、これもやらなきゃとしている内に、気づけばバスタブにはお湯が張ってあって、一時間は経っていた。
「いけない。お風呂入らなくちゃ。仕事は後にしましょう」
 そう誰に言うでもなく、レイカは呟いた。
 そして服を脱いで、お風呂に入る。
 バスタブのお湯は少し冷めていたものの、追い炊きをすることにした。
 この美貌だって、ただ何もしていないわけじゃない。
 レイカは自分の美貌を保つために、お風呂に入って、パックをして……と、自分の美貌を保つための努力をしている。
 ただ、それは習慣化されているから、苦に思わない。
 そして少し長めのお風呂を終えると、バスローブに身を包んで、部屋に戻る。
 パソコンで報告書を作り、それが終わると明日の準備を。
 何度か確認して、一日の動きを頭に入れると、ようやくベッドに入って、眠りに就いた。

 朝、レイカは気合を入れ、秘書風に控えめで、綺麗系のお化粧と洋服を着て、例の電車に乗った。
 なるべく男性ばかりの車両へ行き、隅の席の近くで吊革に掴まって、周りを少し見て、「来るとしたら、この車両ね」と思った。
 だが、移動しながら獲物を探す可能性もある。
 どちらにしても、この美貌ならば、そう簡単に放っておきやしないだろうけれど。
 そんなことを思っていると、隣の車両から、一人の男が入って来たのが視界の隅に映った。
 こいつが連絡係?
 それとも、何ともないただの一般人……?
 そう思っていると、男はレイカの隣に立った。
 三分後くらいに、また一人、五分後に三人目、その五分後に四人目と五人目が入って来た。
 やった。ビンゴ。
 レイカは二日目で犯人と出くわすなんてと、嬉しくなった。
 そして同時に、この男達をどう警察に突き出すかを考えていた。
 ふと、レイカの形のいいヒップに手が這うのをレイカは感じた。
 二人、だろうか。
 ヒップには手が二つある。
 そして二人の男はレイカが逃げ出さないようにサイドを固めて、もう一人は、レイカの胸を触った。
 ヒップも、胸も、まずは形を確かめるように、ゆっくりと、触ると言うよりもなぞるようにして男達はレイカの体の形を堪能していた。
 レイカは少し身動ぎさせる。
 男達はそれでも手を止めない。
 汗ばんできたレイカのしっとりとした肌の柔らかく、むっちりとした気持ちのいい肌を、男達は楽しむと、後ろと左右から服を脱がせる。
 ワイシャツのボタンを一つ、二つと外し、大きな胸がシャツから解放されて外にブラジャーと共に晒される。
 タイトスカートも脱がされ、周りは徐々にレイカのその姿に気づき、子連れの人や女性達は別の車両に移った。
 レイカは「あなた達、こんなことして……」と余裕そうに言うと、「随分と勝気な秘書さんだ」と男はレイカの秘部に隠れた陰核を摘まんだ。
「んんっ」
 ふと漏れたその声は、甘く、知らず知らずの内に男達を誘惑した。
「俺達がいることを知っていて、ここに来たんだろ?」
 気づけば五人がレイカを逃がすまいと集まっていた。
「あら、そうとも言えるわね。あなた達を探していたんだもの」
 しっとりと汗を掻きながら、レイカはそう答えた。
 余裕の表情だ。
「どこの探偵会社だ?」
「探偵会社なんかじゃないわ」
 レイカは内腿を撫でられ、ぞくりと背中に鳥肌が立った。
「じゃあ、どこの会社の秘書さんだよ。なあ」
 男は荒い息でレイカの首筋を撫でる。
「こんなイイ雌のにおいをさせている秘書さんのいる会社だ。相当デカいんだろうなぁ」
 胸をこねくり回され、乳首を時折きゅっと握られ、レイカは甘い声を漏れ出させる。
 その色気は隣の車両まで届くのではないかというくらい、色っぽく、普通の女性では出せないものだった。
「私の役目はねぇ、あなた達を警察に突き出すことなのよ」
 眉目秀麗な瞳で男達の方を振り向いた。
 男達はそこで初めて見る。
 レイカの全身の美しさを。
 レイカの鍛えすぎていない美しいそのむっちりとしたボディを、惜しげもなく男達に晒した。
 ごくりと、どこからか生唾を飲み込む音がした。
 きっとこの車両のどこかにカメラマンがいることだろう。
 巧妙に、というよりは卑劣にもカメラを隠して撮影しているに違いない。
 男達の顔を映さずに、レイカの顔をしっかり映す。
 その技術があれば、別のところでも通用するだろうにと、レイカは心のどこかで思った。
「ねぇ、あなた達、名前教えてよ」
 レイカが揺れる電車で吊革に掴まってそう言う。
 男達のリーダーらしき人物が、下品に笑った。
「俺達は痴漢ファイブだ。結構ファンもいるんだぜぇ?」
「ふうん。チーム名じゃなくて、個人名教えてよ」
 身体を弄られながら、レイカはそう言った。
「それは、教えられねえな」
 そう言って、リーダーはレイカの乳首をぎゅっと摘まんだ。
「はぁ……んっ」
 ど、どうしたのかしら。
 いつもだったら、こんなことなんかで声なんて漏らさないのに。
 そう思いながら口を手で覆った。
 しかし、男達に手を封じられてしまう。
「じゃあ、今度はこっちからな。名前は何て言うんだ? 仕事は? 秘書っぽいから秘書さんって勝手にこっちは思ってたがよ。どうなんだよ」
「れ、レイカよ。あなた達の言う通り、外資系会社の、秘書よ」
 偽名なんか言ったって、どうせすぐにバレる嘘。
 それに、私がこの痴漢ファイブを必ず警察に引き渡すのだから、教えたっていいでしょう。
 レイカはそう思っていた。
「ひぁっ」
 考えに気を取られていると、レイカは男達に捕まり、酷く荒く胸を揉まれる。
 さらには連絡手段を奪われ、バッグも奪われてしまった。
「ちょっと……! 返しなさいよ!」
「ダメ。これは事が終わるまで返さない」
 男達は電車内にそれらを放り投げた。
「こんなにいやらしい胸をして、ここなんてびちょびちょじゃねえか」
「や、やめなさいっ! あなた達がしているのは犯罪よ!」
「おーおー、そうですよー。犯罪ですよー」
 誰かがそう言って、ギャハハと品なく男達は笑った。
 そしてレイカの身体を弄る。
 その中で、最も多く弄ばれたのは胸だった。
「こんなに大きいんじゃ、女にも見られるだろ。この大きさは中々ないからな。ん? どうした。顔を赤くして」
 ぐにゅぐにゅと形を変える胸。レイカは荒く息をする。
 き、気持ちいい……。
 でも感じちゃダメ。感じてはいけないの。これは、囮捜査なのよ。
 そう自分に言い聞かせたが、レイカの口からは小さな嬌声が漏れ出る。
「っふぁ……。んんぅっ」
「乳首こんなにびんびんに立てて、そんなに気持ちいいのか?」
 痴漢達はレイカを他の乗客に見せつける。
 男達は思わず前屈みになったり、じっと目を凝らしてレイカの姿を脳に焼き付けていた。
 痴漢ファイブの一人の男がレイカの乳首を軽く噛むと、レイカは「ああああっ!」と悲鳴のような嬌声を上げた。
「淡い色してるなあ。こっちの肌も噛んでやるよ」
「や、やめて! ひっ、いやあっ!」
 豊満な胸は噛まれ、噛み痕がくっきりと赤く残った。
 それがまた煽情的で、男達の責めたいという気持ちに火を点けることとなる。
「本当はやめてほしくないんだろう? ほら、下を見てみろよ」
 痴漢ファイブが嘲笑ってそれを見る。
「あ、ああ……っ」
 そこにはレイカから溢れ出た愛液でてかてかと光っている床があった。
「な、何よ。こんなの! 全然気持ちよくなんかないわよ。生理現象、だわ……っ」
 レイカは屈しなかった。
 まだ余裕がある。そう自分でわかっていたからだ。
「イカせる気なら、もっと本気でちゃんとやりなさいよ」
 強気なレイカはそう啖呵を切って、男達を煽った。
「このお嬢さんはもっと過激なものがいいらしい」
 リーダーがそう言って、仲間達に「好きにやってやろうぜ、いつものように」と追加で言った。
 するとメンバーは各々、好き勝手に動き始める。
 レイカの秘部をひたすら舐め、陰核を吸い上げる。
「き、ひぃいっ!」
 さらに胸をもっと揉まれ、胸のどこを触られても熱くなる身体に、レイカは戸惑いを隠せなかった。
 揉まれながら、胸の突起を吸われる。
「おい、この秘書さん、胸が弱いんじゃないか?」
「そうだな」
 男達は知った。
 レイカは胸が弱いということを。
 本人ですらこんなところ、普通だったら弱点になどなりはしなかったのだが、あまりにも豊満すぎるその胸が、小さな快感さえも大きな快感へと変えてしまうのだ。
 男が噛み痕を舌でなぞると、レイカは背中を反らせ、もっともっとと胸を突き出した。
「こっちにも集中しろよな」
 そう言った男が、レイカの秘裂に隠された、いくらか大きくなった陰核を愛液で指をぬるぬると滑らせ刺激を与える。
「な、あ、だ、ダメッ! んああっ!」
 レイカは軽く絶頂を迎えた。
 しかし男達の手が、舌が止まることはない。
 すでに愛液でぐちょぐちょのそこに、男はついに指を這わせ、ぴたりと閉じているそこをこじ開けて中に入っていった。
「パクパクしてるじゃねえか。本当は喜んでるんだろ? 秘書さんよぉ」
 膣内をぬちゃりとわざと大きな音を出しながら指で弄ぶ男と、上半身を弄ぶ男達。
 レイカは次の駅に着くまでに、この五人組をどうしても捕まえたいと思った。
 だが、男達をレイカは捕まえられない。
 何故ならば、男達は隙だらけだが、人数が多い。
 それもこんな痴態を晒して助けを求めに行っても、男達を捕まえられるわけがない。
 どこかにふらりと消えてしまえば、そのまま男達は街に溶け込んでしまうのだから。
 しかしレイカは違う。
 AVにされて、一生その姿が誰かの目に触れる。
 囮捜査官として、軽率だったとレイカは今更ながらに思った。
 こんなことならば、上に言って、男を借りて来ればよかった。
 そうすれば、男の力で一人は確実に捕まえられただろうに。
 いや、でも準備不足なのは自分がそう判断したからだ。
 上のせいではない。
 レイカはどこか冷静な頭でそう思うと、男達に取引を持ち掛ける。
「ねえ、私が欲しい情報、教えてくれたら、私の身体好きにしていいわよ?」
 もちろん、嘘なのだが。
 だが、それに引っかからない男はいない。
 こんなに素晴らしいボディを持った女性、なかなかいないからだ。
「どんな情報が欲しいんだ?」
「あなた達の、ことよ」
 じんわりと汗を掻きながら、潤んだ瞳で訴える。
 さあ、蜘蛛の糸に引っかかりなさい。
「痴漢ファイブのことか? 情報なんて何もないぞ」
 男達はそう言って大笑いした。
「そ、そんなことないでしょ! 自分の名前だって、何か、あるはずじゃ……。あっは……っ!」
 リーダーの自身がレイカの秘部にぐちゅりと音を立ててキスをすると、にゅるんと中に入った。
「くっ、持って行かれそうだ……! これは、とんでもない名器だなぁ!」
「おい、ズルいぞ!」
 そう言われながらも、リーダーは腰を振ることに集中した。
 ずちゅんと最奥を叩く音がして、レイカは身体を跳ねさせた。
「こんなの、ただの、レイプよぉ! やめてぇ……っ!」
 男達はその声にも興奮した。
 あの気の強そうなことを言っていた女を、ついに自分達の手中に入れたのだと。
 周りの乗客達は男だらけ。
 自分達がいい思いをするために何も言わない。
 正義か悪かではない。
 そこには性による欲望しか存在しなかった。
「や、やめ……! ひううっ!」
 レイカは胸を責められ、奥を突かれると、レイカの膣はぎゅっと締まり、子宮が下に降りていくのを感じた。
 男が腰を打ち付ける音が速くなっていく。
「中に出してやるよ!」
「やめて! お願い!」
 そして男の腰が止まると、レイカはお腹の中に温かいものを感じた。
 ああ、出されてしまった……。
 アフターピルを、今日は持って来ていたような気がする。
 後で、バッグを拾って、ピル、飲まなくちゃ……。
 レイカはそう思いながら、男達に体勢を強制的に変えさせられ、一人が上半身を持って、もう一人が下半身を持っている。
 そして、レイカの白濁とした液体が出ているそこに、自分のものを入れた。
「うおっ、きっつきつ! これは当たりだなぁ。なあ、秘書のお姉さん。上司にもこういうことされてんだろ? こんなにいいカラダしてんだからよ!」
 そう言いながら、レイカに腰を叩きつける。
 他の三人はレイカに精液を掛けたり、手を使ったり、胸を触ったりしていた。
 さらに、レイカの敏感なところを皆それぞれの巧みな技でレイカに強い快感を与えた。
「こんなことっ! されたことないわよっ! あっ、あっあっああっ!」
 防げない嬌声に、レイカはひたすら声を上げ続けるしかなかった。
「だったらその上司は使いものにならねえんだろうよ!」
 まんぐり返しのような体勢で、レイカのそこは接合部が角度によって丸見えだ。
 初心そうな男子が眼鏡の位置を直してじっと見ている。
 顔を赤らめ、股間が盛り上がって……。
 レイカは自分に言い聞かせる。
 ダメよ。思い通りになっちゃダメ。
 こんなことをされる女性を助けたいから、今の仕事をしてるんでしょう?
 それを助長させるかもしれない観察を、させてはダメ。
「み、見ないで……!」
 そう言うと、男達はますます興奮する。
 あの初心そうな男子も、鼻息荒く、じっと見ている。
 皆、皆見ている……。
 レイカはそう思うと恥ずかしさと言うよりも、負けたという事実が胸に重くのしかかる。
 でも、レイカは諦めなかった。
 一回負けようが、何度負けようが、最終的に勝てれば、それでいいのだから……。
「ね、ねえ、もっと、イイコト、しましょうよ」
 これは賭けだった。
 レイカの出来る、最後の賭け……。
「もっと、イイコトだ?」
 痴漢ファイブのリーダーがそう言って、レイカの言葉に耳を傾ける。
「好きな場所に連れて行けばいいわ……。そして、そこでたっぷりエッチなこと、しましょうよ。条件は、私の服と、バッグを持って行くこと」
「持ち物検査してからならいいだろう。おい、お前達、この秘書さんをいつものデラックスルームにご案内だ」
 ……デラックスルーム? ラブホテルの一室かしら。
 そう思っていると、レイカはようやく抱きかかえられている体勢から、床に下ろされた。
 そして男達は服をレイカに渡した。
「服を着ろ。ただし、下着はなしだ」
 そう言われ、レイカは下着をバッグに入れようとすると、その手から奪われ、電車の中の乗客目掛けて男が投げた。
 それをキャッチ出来た男は鼻息荒く、その下着のにおいを嗅いだり、感触を味わっていた。
「駅に着くまでまだ時間があるな……。俺の上に座れ」
 リーダーにそう言われたレイカは言われた通り、リーダーの上に座った。
 そして服の下から胸を弄られる。
 形を変えられ、布が乳首に擦れる。
「んっ、ふぅ」
「やっぱり胸が弱いんだな」
 そんな……。私、胸が弱いだなんて……、そんなこと、今までなかったのに。
 そう思うレイカだったが、それはレイカの運が良かったに過ぎない。
 演技をしていたから、本当の自分の姿は出さずに済んでいた。
 しかし、今回は五人組だ。
 五人組に代わる代わる弄ばれては演技をする暇などない。
 耐えることにしか集中出来ないのだ。
 そして五人組は、駅に着くとレイカが逃げ出したりしないように警戒し、駅近くのラブホに入って行く。
 痴漢ものなのに、ラブホに行くなんて条件、よく飲んだわね。
 レイカはそう思ったが、どうにかそれがいい方向に行くようにと願いながら、ラブホの一室に入った。
 男達はレイカをベッドに仰向けに寝転がらせると、カメラを回していた人物を呼んで、レイカの顔と全身をしっかりとカメラで撮った。
「外資系秘書レイカ。ほら、笑えよ」
 男に言われて、レイカは顔をふいっと背けた。
 男に完全には従わない、強気なレイカが戻りつつあった。
 しかし男達は面白くない。
 レイカの頬を軽く叩き、カメラの方を向かせた。
「ほら、自己紹介」
「外資系秘書のレイカよ……。もう、これでいいでしょ。いつまでカメラ回してんのよ」
 カメラはレイカの胸の勃起した乳首を映し、そして鍛えすぎていない腹部を映し、その下の、いろいろな液体で汚れたそこをも映し出した。
 男はレイカ大陰唇をくぱぁと開き、そこをドアップでカメラは捉えた。
「俺達に痴漢されてこんな大変なことになってまーす」
 そう言いながら、皆下品な声で笑っていた。
 レイカは屈辱的で、いつものきりっとした眼も、今は涙で潤んでいた。
「痴漢ファイブ、これからこの秘書のレイカにお仕置きをします!」
 そうリーダーが言うと、男達はレイカに屈辱的なポーズを求めた。
「自分で足持って、マンコが見えるようにしろ」
「な、何よ! そんなこと、しないわ……っ」
 男はレイカの頬を打った。
「痛いっ」
「痴漢されて喜んでいるようなメスの躾はしっかりしないとな。ほら、足を持つんだよ!」
 レイカは嫌々足を持って、そのメスのにおいがするそこを晒した。
「毛までびしょびしょになってるじゃねえか。どんだけ期待してんだよ」
「……っ」
 レイカはそこを見られるのは慣れている。しかし、言葉責めをされると弱いところがあるのだ。
「肛門まで汁が垂れてる……。どんな変態だ」
 レイカは頬を打たれる。
「な、何するのよ!」
「この雌豚を調教してくださいって、言えよ」
「え……?」
 思わず聞き返した。
 この雌豚を調教してください……?
 口が裂けても言いたくない。
 だが、言わないと何をされるのかわからない。
 言っても何をされるのかわからない。
 なら、相手の隙を突くために、言った方がいい。
 レイカはそう判断した。
 足を広げて持つと、男達はそこをカメラで映し、そして男が肉棒をゆっくりとレイカに挿入していく。
「あっ、ああ……っ」
 ずぶ、ずぶ……と入っていくそこに、レイカは圧迫感を感じる。
 中をぎゅっと締め付けながら、もっともっとと身体が欲しがるように言う。
「くーっ、ぎゅうぎゅうに締め付けてくるなあ!」
 男は一心不乱に腰を振った。
 そして他の男達はカメラを回しつつ、レイカの胸を弄り、手を使って扱かせたりとしたい放題だ。
 レイカは男達の顔を見る。
 しっかり、覚えられるように。
 こんなことをされながらも、レイカは囮捜査官であるということを忘れなかった。
 だが、男達の顔を覚えようにも、代わる代わる犯され続け、脳がとろとろに溶けてしまって、しっかりと覚えていることが出来なくなっていた。
 男達もそれぞれ顔がわかりにくいようにストールを巻いていたり、サングラスをしている。
 これでは、証拠として不十分……。
 どうしよう。私、この五人を捕まえられるの?
 レイカは焦りを感じていた。
「何、考えてるのかな! レイカ!」
 男がレイカの最奥を自身で叩いた。
 ごちゅっと音がして、レイカは背中を仰け反らせる。
 胸がたゆんを揺れ動いて、それが煽情的だった。
 男達はレイカの胸に飛びつき、手で弄んだ。
 がちゅんがちゅんと、中を責めるその男も動きを止めない。
「ああああっ! おかしくなるぅ! 頭が、ショートしちゃう!」
 胸を中心に弄られて、手は男達の欲望を扱いて、秘部にはモノを銜え込んでいる。
 背中がベッドだから、どんなに激しくされても背中が、腰が痛くなることはない。
 だが、心は違う。
 こんな卑劣な男達に犯されて、ただで身体を差し出して……。
 だが、レイカは念には念をとバッグの中に、盗聴器を仕込んでいた。
 二重底になっていて、それを見破ることはほとんど出来ないだろう。
 せめて声だけでも録音がされていれば、犯人特定の手掛かりになるのではないかと、レイカは僅かに残ったぼんやりとした頭で思っていた。
「まだ何か考える余裕があるんだな!」
 男がさらに腰の動きを速める。
「そ、そんなに突かないでぇ!」
「こっちも揉んでやるよ。あ、ここに吸引器があるんだよ。これでもしみてるか」
 男達は乳首の吸引器をレイカの乳首に装着した。
「ひぃっ! だめ、乳首いじめないで!」
 乳首はぴんと立って、吸引器によって強制的に大きくされている。
「乳牛みたいだなぁ」
 男はそう言って、吸入器をこつんと叩いた。
 するとレイカの乳首に刺激がいって、レイカは小さく「うぅ」と鳴いた。
 男達は吸入器を持って、引っ張ったりしてレイカを弄ぶ。
「こっちを忘れるなよ」
 その途端、強い衝撃が腰の辺りに響いて、レイカは「ひゃああ!」と嬌声を上げる。
「うわ、潮吹いたぞ!」
「そんなに気持ち良かったのか? この変態」
 変態……。そんな、私は変態なんかじゃないわ。
 そう言いたかった。
 だが、レイカはそんな言葉を言う余裕もない。
 がつがつと奥を突かれ、胸は吸引され、手は勝手に男達のそれを扱くために使われている。
 それでもレイカは、どこかで冷静な自分がいることに気づいていた。
 でも捕まえるための余裕がない。
「まだ何か考えられる頭があるのか」
 男達はそう言って、レイカをいじめる。
 そしてきゅぽっと音がして、胸の吸引器を外される。
 レイカはじんじんとする乳首に、男達の荒い息が掛かり、思わず声を上げてしまう。
「んっふぁっ」
 男はレイカの乳首を舐める。
「あっ」
 肥大化した乳首は、敏感に感じ取った。
 ただ舐められただけ、それなのにこんなに気持ちがいいなんて……。
「でかくなったなぁ。あんなに控えめだったのに、今じゃこんなに自己主張して」
 ぴんと指で乳首を弾かれる。
「んんっ!」
 甘い声が不意に漏れ出す。
 違う。こんなの私じゃない……!
 レイカはそう思いながらも、乳首に与えられる刺激に頭がとろけそうになっていた。
 乳首を吸われ、揉まれ、時折噛まれ……。
 人差し指と親指で摘まれて、擦られると何とも言えない気持ち良さがレイカを襲う。
「そ、それダメぇ!」
「もっとだってよ」
 リーダーがそう言うと、男達はレイカの乳首を弄ぶ。
 ふんわりとした胸が男達を誘い、その手で胸を弄ばれ、さらに期待に満ちている肥大化した乳首を多くいじめる。
「だめぇ! イッちゃう! イッちゃうからあ!」
 レイカが余裕なさそうにそう叫ぶ。
 すると男達はますます興奮してきて、レイカの胸を弄ぶ。
「イク! イク! イッちゃうううう!」
 そしてレイカはぷしゃっと潮を拭いてイッた。
 男はその時の締め付けで思わずレイカの中に射精した。
「オラ、休んでる暇ねえぞ。四つん這いになれ」
 男は別の男と交代し、四つん這いになったレイカに自身を挿入する。
「ああっ」
 レイカがそう漏らすと、男は背後からレイカをがんがん突いて責める。
 そして胸をひっぱり、乳首をこねくり回される。
 それを背後からカメラが撮る。
 代わる代わる、男達はレイカを犯していく。
 そしてレイカの身体中に精を吐き出され、白濁汁に塗れベッドにうつ伏せになっていると、男達はレイカにシャワーを浴びさせ、服を着せて、どこかに連れて行く。
 レイカはどこに連れて行かれるのかわからなかったが、道の途中で気づく。
 この道は、ラブホに来た道……。
 つまり、男達は駅に向かっている。
 どうして? なんで、駅に向かっているの?
 そう思いながら、レイカは連れられて電車に乗る。
 山手線……。
 どうするつもりなの。
 そこには男の人達ばかりで、女の人は何故かいなかった。
 そして痴漢ファイブはレイカを吊革に両手を拘束すると、服を脱がせた。
 さらにその服を鋏で切っていく。
 もうレイカは全裸同然だ。
 乗客達は熱の籠った眼でレイカを見る。
「み、見ないで……」
 身動ぎするも、そんなもの全く抵抗になどなっていなかった。
 男達はレイカの足を広げ、下半身を他の乗客によく見えるようにレイカを抱きかかえた。
 すると自然と胸もゆさっと揺れて、全身が乗客に晒された。
 見られている。
 そう思うと、何故かレイカの下腹部がきゅんと疼いた。
 そして男がレイカの大陰唇を広げると、そこには小陰唇がてらてらと光っていた。
 濡れている……。
 痴漢ファイブはもちろんのこと、乗客達も興奮した。
「こんなになるまで期待してるんだな」
「すげえな。あの姉ちゃん、気が強そうなのに、あんなにして……」
「胸がでかいな。あのおっぱい、触りたいぜ」
 欲望の目で見られるレイカは、悩まし気に眉を顰めた。
 くちゅり、と痴漢ファイブの男がレイカのそこに指を入れる。
 そしてゆっくりと抜き差しする。
 ぬぷぅと音がして、さらに愛液は溢れていく。
 男はレイカの中に指を一本、二本と徐々に増やしていった。
 三本程入れると、淫らな水音を響かせながら抜き差しする。
「あ、ああああ……つ!」
 レイカは言葉にならない快感を味わう。
 そしてそれを見た男達はレイカの近くへと群がる。
 五人はそれぞれお互いを助け合い、お互いを邪魔しないように代わる代わるレイカに刺激を与えていく。
「この秘書さんは大分エロイことが好きみたいだ。触りたいやつはいるか? 触っていいぜ」
 痴漢ファイブのリーダーがそう言うと、男達が群がった。
 レイカの胸を触り、クリトリスを摘まんで擦る。
 さらには膣内に指を入れて、「きゅっと締まる……。すげえ。これが女のカラダか」と呟く男もいる。
 まるでレイカは男達へ捧げられた生け贄のようだった。
「胸も好きみたいだから、しゃぶりついて乳首を舐め転がしてやると喜ぶと思うぞ」
 男がそう言うと、一番前に居た男がレイカの胸にしゃぶりついた。
 乳首を舌で転がし、ゆさゆさと揺らすようにその感触を味わう。
「やっ、いやあ!」
 レイカはそう言っていたが、快感を味わっているのは蜜壺から滴る愛液で気持ちがいいことがわかってしまう。
 さらには横からレイカの尻を触る男もいた。
「あなた達、覚悟しなさいよ……! こんなの、ただの犯罪なんだから!」
 レイカがそう言うと、男達は焦ったような顔をした。
 しかし、痴漢ファイブのリーダーがこう言う。
「こんなに人数がいて、全員を捕まえることは無理だろう。それに俺達のことすら、捕まえられないだろうからな!」
 痛いところを突かれたとレイカは思った。
 しかもそれのせいで周りの乗客達は皆、自分が捕まることはないと確信してレイカへの責めの手を再び始めたのであった。
 その中で、レイカの後ろの穴を触る手があった。
「ち、違う……! その穴は違うからぁ!」
 そう言うも、その手はゆっくりとレイカの肛門の中に人差し指をずぷりと入れた。
「前と後ろのどちらも弄られて嬉しいのか? ん?」
 痴漢ファイブがそう言うと、カメラがレイカに近づいていく。
 レイカの嫌だと言う口と、そうとは思えない煽情的な真っ赤な表情をカメラは収めた。
 そして責めの手は時間が経っていくとより強く、容赦のないものになっていった。
 レイカは悲鳴にも似た嬌声を上げることしか出来ない。
 もう捜査のことなど考えられない程に、レイカは追い詰められていた。
「お願い、イカせて……っ」
 代わる代わるレイカの責めの手が代わり、レイカはイクことが出来ずにいた。
 もうイキたい。イキたいのに、イカせてくれない……!
「お願いよぉ! イカせて!」
 レイカがそう声を上げると、痴漢ファイブは「だってよ。それじゃあ皆さんお待ちかね! 輪姦でもするか!」と言って、レイカの足を広げた。
 男達は列を作り、レイカに挿入し、腰を振っていた。
「あっ、あっ、ああ!」
 レイカは短い間に何度もイッていた。
 それこそ、ずっと待っていたからこそ、身体はその刺激に応えるように敏感に感じ取っていたのだ。
 身体はもう汗が滴る程……、熱くなっていた。
 その間も、痴漢ファイブはレイカが逃げ出さないように逃げ道を塞ぎ、より反応を良くするために五人の力で巧みな術を使い、レイカを追い詰めていく。
 胸を揉み、乳首に刺激を与え、クリトリスを擦り、後ろの穴を弄り、耳を舐める。
 それらが出来るのは、五人組だからだろう。

 何人の男に抱かれ続けただろうか。
 気づけば、外は夕暮れだった。
 そして、全ての男達が精を吐き終えるくらいになると、レイカはやっと解放された。
 痴漢ファイブは「また来いよ」と言って笑っていた。
 レイカは屈辱的だった。
 裸にされ、痴漢をされて、レイプされて……。
 しかも犯人を逃してしまうだなんて。
 レイカは電車の床を拳で叩いた。
 痛みが、レイカの手に伝わった。
 それは紛れもない、レイカの負けだった。
 初めて負けてしまった。
 これまで、こんなことはなかったのに。
 レイカは服を着ようとしたが、鋏で切られていて、とても着られる状態ではなかった。
 そこに転がっている自分のバッグを手に、レイカは裸で駅に降りた。
 そして駅長室を借りて、上に連絡をした。
「はい……、はい……。申し訳ありません」
 そう言いながら、レイカは歯を強く噛んだ。
 次は、絶対にこうはならない。
 そう思いながら、拳を強く握りしめた。
「囮捜査って大変なんですね……。あ、これ洋服です。サイズ、合ってると思うので、よかったらこれを着てください」
 その駅の駅長は女性だった。
 事情を聞いた駅長は、洋服を買いに行ってくれて、レイカは大助かりだった。
 まさか裸で帰るわけにもいかないからだ。
「ありがとうございます」
 レイカは洋服を受け取って、その駅長と少しばかり話をした。
「それにしても、その痴漢ファイブ……でしたか? 許せないですね。電車を使ってそんな悪質な行為……。絶対に許されるべきではないです」
「ええ。でも、私ももう負けませんから。これ以上、電車内の痴漢を蔓延らせないためにも、頑張りますね」
「よろしくお願いします。ああ、そうだ。少し気分を変えるために、コーヒーでもいかがですか?」
「いただきます」
「はい!」
 その駅長とレイカは仲良くなれそうだった。
 だが、そんな仲良く友達に……などということはなかった。
 あくまでも仕事上の付き合い。
 それだけだ。

 家に帰ったレイカは作戦を練り直した。
 次に行くときは、乗客に警察を混ぜておいて、痴漢ファイブを捕まえようと……。
 このまま負けたままでいたくはない。
 それに、同じような想いをする女性を作ってはいけない。
 その気持ちだけがレイカを動かしていた。
 レイカはパソコンを操作していると、知らない相手からメールが入っていた。
 そのアドレスは所謂捨てアドというもので、迷惑メールかと思ったが、念のため開いてみると、そこには今日あった痴漢ファイブとの映像が残っていた。
 それも、痴漢ファイブの顔を映さず、レイカの顔と、身体ばかりを撮っている……。
「何よこれ……。どうして私のアドレスがわかったのよ」
 そして本文にはこう書かれている。
「警察に言っても無駄だ。我々の賛同者が中にいる」
 ……!
 なんて卑怯な男達だろう。
 国家権力まで使うだなんて。
 さらに下に文は続いている。
「どうしてもまた我々と戦いたいのなら、もう一度山手線の後ろから二両目に乗れ」
「……言ってくれるじゃない」
 レイカは次こそは絶対に勝つと心に誓った。

 指定された日、後ろから二両目にレイカは山手線の電車に乗った。
「本当に来るとはな」
 レイカの後ろにぴたりと男が付いてきていた。
「痴漢ファイブね……。久しぶり、とでも言うべきかしら」
「勝気なところも相変わらずだな」
 そう言いながら、男はレイカのきゅっと引き締まったヒップを撫でた。
 きゅっと上がっているのに、柔らかいそのヒップに、男は舌なめずりした。
「あなた達を、絶対に捕まえてやるわ」
「おや? お前は秘書さんだろ? 警察みたいなことを言うんだな」
「警察は、私の味方よ。被害者の、私のね」
「メールで教えておいただろう? 警察にも我々の賛同者がいるんだよ。そいつが揉み消してくれるから、俺達は堂々と痴漢が出来る」
「それが嘘かもしれないでしょう? 私を馬鹿にしないことね」
 男はレイカの服の中に手を入れて、レイカの胸の飾りを摘まんだ。
「んっ」
「ここをこんなに起たせておいて、何を言っているんだ?」
「生理現象よ。ブラが擦れただけだわ」
「どうだか……」
 ぴん、と男がレイカの乳首を弾くと、レイカは「うっ、ん……」と甘い息を漏らした。
 男はレイカのシャツのボタンを外すと、ゆっくりと下着の下でレイカの胸を揉む。
 目の前に座っている男も痴漢ファイブのメンバーだった気がする。
 つまり、最初から私の逃げ場はない……ってことね。
 レイカはまたも悔しい思いをした。
「黙ってればまた気持ちよくしてやるから」
 そう言って、レイカのスカートを脱がし始める。
 すとんと音がして、スカートはいともたやすく床に落ちた。
 痴漢ファイブはレイカのパンツをぎゅっと持って、後ろはティーバッグ状態、前も細くなっていて、丁度クリトリスに擦れるようになっていた。
 そして男は下着を動かし、レイカのクリトリスに刺激を与える。
「んっ、ふぅ……っ」
 レイカは声が漏れないように手で覆った。
「どこまで耐えられるかな? ここ、もう濡れてるみたいだがよぉ」
 そう言って、下着を下げると、下着のクロッチの部分が濡れていた。
 そして胸を弄りながら、中を指で擦ると、レイカは熱い息を吐く。
「不感症な、マグロの方が良かったかしら?」
 レイカは顔だけ振り向きながらそう言った。
「言ってくれるねぇ。おい」
 男がそう言うと、レイカの目の前に座っている男がスラックスから自身の肉棒を取り出した。
 そして男は目の前に座っている男の肉棒に、レイカの秘部が来るように抱きかかえて、そこに腰を下ろさせた。
「ひぎぃっ!」
 レイカの濡れ始めたそこに、その肉棒は大きく、レイカは目を大きく見開いた。
「ぎゅうぎゅう締め付ける……。この前より凄いな。いきなりされるのが好きなのか? この変態」
「わ、私は、変態なんかじゃないわ! それに、感じてなんていないんだから!」
 そう言いながらもレイカのそこからは愛液が次から次へと分泌されていた。
「この前の動画、気に入ってくれたか? 秘書さんは人気でよぉ、今回もカメラ回させてもらってるんだわ」
 そう言いながら、レイカの背後の男はレイカの腰を掴むと、上下に揺す振った。
「あっ! ああっ!」
 思わず声が出る。
 接合部からはずちゅっずちゅっと激しい淫らな音がして、レイカの最奥を叩いている音がした。
 太くて、大きくて長いそれは、レイカの子宮を抉るように突く。
「や、やめてえ! おかしくなっちゃう!」
「おかしくなれよ! おら、もっと動かせ。お前もだ!」
 痴漢ファイブの男がそう言うと、座席に座っている痴漢ファイブの男も腰を上下に激しく動かし始めた。
「あなた達、こんなことして、ただで済むと思ってるのっ?」
「ああ。だってその証拠に、俺達はまだ捕まったことがない」
「そんなのっ、運がよかっただけじゃない……っ! ひ、いぃっ!」
 レイカは突かれて声を出す。
 次第に周りが「あ、あれって痴漢じゃないか?」と気づき始める。
 今日の電車は女性の乗客もいる。
 その女性達からは軽蔑の眼でレイカを見て、隣の車両に移って行った。
「変態ね。あんなの見せられて、気分悪いわ」
 そう吐き捨ててから車両を変える女性もいた。
 レイカは恥ずかしくて、悔しくて、俯いた。
「ほら、よかったな。立派な変態秘書さんだ」
 そして突かれながら後ろの男が手を胸に回して乳房を、乳首を触って弄り回す。
「ここもこんなになってるじゃねえか」
「ああっ!」
 レイカは一段と高い声で喘いだ。
「秘書のレイカさんは胸が好きなんだよな」
「そんなこと、ない、わ……っ」
「嘘はよくないなあ!」
 男はそう言って、レイカの乳首をぎゅっと抓った。
「ああああっ! ごめんなさい! 嘘よ! 嘘だから、お願いだからやめてえ!」
 その声に、電車内で寝ていた女学生達も異常を察した。
「ひっ! 何、あれ……。ちょっとやばくない? 別の車両行こう」
「本当、何あれ。男も変態だけど、女の人も変態じゃない! 行こう行こう」
 レイカはそう言われるのが心の底から悔しかった。
 違うのよ。本当はあなた達のために痴漢をやっつけようとしてるだけなの!
 そう言いたかった。
 だが、口から出るのは喘ぎ声ばかり。
 でも、レイカは諦めない。
 どこかに隙があったら、この男達を警察に差し出す。
 それが自分の役目だと思ったのだ。
 そして車掌がこの車両に来ると、レイカは「ち、痴漢です!」とありきたりな言葉を言った。
 男達は一瞬動きを止めたが、車掌がレイカを見たとき、こう言った。
「AVの撮影ですか。そんな許可、今日は出してないんですけどねぇ。あまりシートを汚さないでくださいよ」
 味方と思われた車掌すら、そう言ってレイカを相手にしなかった。
 男達は「びっくりさせるんじゃねえよ」とレイカのクリトリスを抓った。
「ひぎぃっ!」
 そしてレイカはその途端、イッた。
「おい、お仕置きだぞ。これは。なのにイッたのか。変態だな」
 そんな……。私が、変態……?
 レイカの心は粉々に砕けてしまいそうだった。
 いつものプライドの高い、それでいて気の強いレイカはなりを潜めてしまった。
 同じ女性に変態と言われ、皆迷惑そうに、レイカを見ていた。
 何か変なものを、汚いものを見るような眼で……。
「口開けろ」
 レイカは強制的に口を開けさせられ、そこに男の肉棒が入っていく。
「しっかりご奉仕しろよ? 噛んだらどうなるかわかるな?」
 レイカは口の中に、そしてマンコに肉棒を入れられて、目から涙が出た。
「嬉しそうに涙まで流しやがって……。カメラ、しっかり撮れよ!」
 そう言うと、男達は腰をレイカに激しく叩き始めた。
「んごぉっ! んぶぅ! うぇっ!」
 レイカは吐き出してしまいそうになるのを必死に我慢し、上の苦しさと、下からの快感に震えていた。
 そしてしばらくすると男達は動きを止めた。
 レイカは口から精液を出し、それが床に滴り落ちた。
「零しちゃダメだろ。なあ」
「……っ」
 レイカは何も言えなかった。
 情けなくて、臭くて、耐えられなかった。
 滅多に見せないレイカの涙が、静かに零れた。
「ったく、仕方がねえな。あと三人、メンバーいるからその身体、耐えられたら今回の映像は諦めてやるよ」
 そう言われ、レイカの瞳に光が戻った。
「ほんとう……?」
「ああ。痴漢ファイブは嘘は吐かねえ」
「やる……。やるわ」
「よし。じゃあ、お前ら。この秘書さんの相手をするぞ」
 そしてレイカは五人の男に代わる代わる犯された。
 でもこれで、AVが出ないなら……。
 そう思うと、耐えられるような気がした。
 だが、レイカにはもう一つ、不安があった。
 この痴漢ファイブを、捕まえられないんじゃないだろうかと……。
 犯されて、AVが出なくなったら……。
 それは個人的な問題で、自分はもっと大きなものに立ち向かっていたはずだ。
 痴漢ファイブを捕まえる。それだけが、目的じゃないかと。
 だが、そのことに気づいたのは、体力的にきつくなって、身体を男達に完全に預けてしまってからだった。
「あっ、はあっ……」
 喘ぎ声も、上げられない程に疲れていた。
 長時間、ずっと胸をいじめられ続け、下からも突き上げられ、口に入れられて……。
 弱い胸も二人から指先で擦られ、舌で舐められ、噛まれて快感が頭に走る。
 さらには口に指を入れられ、疑似フェラをさせられ、膣に肉棒を無理矢理受け入れさせられていた。
 気づけば、レイカは全身精液だらけだった。
 そして駅に着くと、男達によって全裸でホームに降ろされた。
 裸で点字ブロックの内側に倒れ、服もバッグも全てレイカの近くに落とされた。
「きゃああああ!」
 他の車両に乗っていた女性がホームに降りてすぐにレイカを見て絶叫した。
 そして駅員に連絡をして、レイカは駅長室へと運ばれた。
「また、囮捜査ですか」
 その女性駅長は、前回もお世話になった人だった。
 レイカは身体を濡れタオルで拭かせてもらうと、悔しそうにこくりと頷いた。
「犯人は、捕まえられそうですか?」
「いいえ……」
 バッグに仕込んでいたカメラは抜き取られてしまったし、男達は警察に賛同者がいるとも言っていた。
 もし、それが本当なら、レイカ一人が騒いだところで捕まえられることはないだろう……。
 レイカは悔しくて涙を流した。
「レイカさん……」
 女性駅長は、静かに泣くレイカを抱き締めることくらいしか出来なかった。

「ご、ごめんなさいね。こんな、人前で泣くなんて、今までなかったのに……」
「いえ、大丈夫ですよ。それよりも、道中お気をつけて」
「ありがとう」
 レイカは家に帰った。
 そして、いつものように仕事をし終えると、新着メールが来ていた。
 そこには痴漢五人隊シリーズ第三巻「外資系秘書レイカ」というタイトルで動画が送られてきていた。
 レイカは中身を見ずに、とりあえずパソコンの中に入れておくだけ入れておくことにした。
 どうせ痴漢ファイブは映っていないのだろうし、意味なんてないだろうけれど。
 そして、何がどうなったのか、痴漢ファイブに関する事件は、警察からの任を解かれ、これ以上のことをすることが出来なくなってしまった。
 きっと、例の警察内部の賛同者による圧力だろうと、レイカは勝手に思った。
 捕まえたかった。それなのに、こんな結果……。
 レイカは敗北感でいっぱいになった。
 これが、レイカの初めての負けだ。

「私もまだまだ若かったのよねぇ……。今なら絶対捕まえてやるのに」
 そう言いながら、レイカはDVDを取り出して、パッケージと一緒にゴミ箱に捨てた。
 そうそう。そう言えば、今日、AVの話をする雑誌が発売されてたわね……。
 もしかしたら、何か今抱えている事件のヒントになるかもしれないわ。
 そう思ったレイカは偶然買っていたその雑誌を広げた。
「はい、ウェップ獅子王のコーナーです。アダルトビデオの……」
 これが今の若者達にウケるのかというところにまず疑問を持った。
 今時、DVDなんて持たないでネットで全て済ませることの方が多いのだから。
 だが、その日、そのコーナーで取り上げたAVはレイカが強制的に出演させられたものだった。
 まさか、過去の私……?
 じゃあ、あのDVDは、この雑誌の発売に合わせて送られてきたものなの?
 いつまで苦しめられなくちゃいけないのよ。
 でも、どうして居場所がわかったの……?
 本当に、警察内部に賛同者がいるとしか思えない。
 レイカはぶるりと背筋が凍る思いだった。
 誰かが、私の過去を詮索している。
 誰かが私を、監視している……!
 そう思うと恐ろしくて、眠るに眠れなくなってしまった。
 それでも、次の日があるからどうしても寝なければならなかったのだが。
 こんなもの……。ああ、あの時、今ほどの力があれば……。
 そう思うと、再び当時の悔しさが蘇った。

 次の日、偶然にも痴漢が出ると言われる電車に乗ることになったレイカは、まさか山手線じゃないだろうかと警戒したが、山手線ではないことにほっと安堵した。
 しかし、直前になってレイカに連絡が入る。
「山手線に痴漢が出たようだ」と……。
「今日は厄日ね……」
 レイカはそう思いながら、山手線に乗った。
 当時と違う、秘書風の格好ではないものの、もしあのAVを見ていたらレイカだと気づくことだろう。
 レイカはしばらく電車に揺られていると、しばらくして同じ車両の奥の方から女の子の声が聞こえてきた。
「や、やめてください……。痴漢は犯罪、なんですよ」
「そんなこと言って、実は期待してるんだろ?」
「ちょっと待ちなさい。あなたを警察に引き渡します」
「なんだよ。人がせっかく気持ちよーくしてやろうってのに。この嬢ちゃんだって本心じゃ嫌がってないはずだぜ」
「この子はやめてくださいって言ってたわ。女性を軽く見てるんじゃないわよ。ちょっと強く言えば大丈夫だとでも思ってるのかしら?」
「そんなの知らねえよ。……ん? その顔、どこかで」
「いいから、降りなさい!」
 そう言ってレイカは男の腕を捻り上げた。
「いてててて! もっと優しくしろよ!」
「犯罪者が何言ってるのよ! ごめんね。私と一緒に、次の駅で降りてもらえる? 被害者からの告白が必要なのよ」
「はい……。わかりました」
 そして三人は次の駅で降りた。
 その駅は、偶然にもあの女性駅長のいる駅だ。
 これはいい。話が通りやすいだろう。
 そして駅員を呼んでもらい、駅長室に行く。
 そして皆で警察署に向かった。
 女の子は一人だと怖いからと、レイカに側にいてもらえるようにと頼んだ。
 レイカは快くそれを受け、今、女の子と一緒に警察署のちょっとした部屋にいた。
「えっと、助けてくれてありがとうございました」
 女の子はレイカに深々と頭を下げた。
「ううん。いいの。これが私の仕事だから。それより、怖かったでしょう」
「……はい。でも、本当に、あの人が捕まってよかった。怖かったんです。冤罪って思われるかもしれないって」
「そうよね。痴漢は冤罪にされてしまうこともあるから、そこのところもう少しなんとかしてほしいわよね」
「はい。でも、レイカさんはお仕事って言ってましたけど、警察とは違うんですよね? 何のお仕事なんですか?」
「簡単に言うと囮捜査なのよねー」
「囮ってことは、もしかしてこんな怖いことを何度も経験してるんですか?」
「……ええ」
「そんな……。レイカさん、凄すぎます」
 そう話していると、婦警が入って来て、女の子に話を聞いていた。
 その間、レイカは出されたコーヒーを飲みながら、今回捕まえた犯人の顔を思い出す。
 なんだか会ったことがあるような気がするのよねぇ……。
 そう思いながら、昔を思い出していると、ハッとした。
「あ! あの男、痴漢ファイブのリーダーじゃない!」
 レイカは思わず立ち上がってそう叫んでいた。
「ち、痴漢ファイブ……?」
 女の子も婦警も首を傾げている。
「ちょっと上の人、出してもらえるかしら。婦警さん」
「え?」
「御堂レイカが会いたいって言ってるって言えばいいわ」
「は、はい」
 そしてレイカは警察署の偉い人に話を通すことにした。
 別の婦警が現れて、部屋まで案内してくれた。
 それから数分して、レイカの怒号が部屋に響き渡っていた。
「だから! あの男は痴漢ファイブっていうAVに出ているやつで! とんでもない連続痴漢レイプ魔なんです!」
「その痴漢ファイブって昔の話だろう? それに本当に君を犯した男なのかね? 見間違いでは?」
「私が見間違いなんてするわけないです!」
「大体、AVだってそのー何、痴漢ファイブ? の顔は映っていないんだろう? 本人と確認出来なければ過去のことはどうしようもない」
「そんな……。じゃ、じゃあ他の仲間は! あと四人メンバーがいるはずなんです!」
「だからそれも証拠がないことには……。せめて映像に顔が映っていればねぇ」
「……もういいわ。失礼します!」
 レイカは怒り心頭で部屋を出た。
 そして警察署を出ようとすると、あの助けた女の子が駆け寄って来た。
「レイカさん!」
「あ、あら。もう話し終わったの?」
「はい。でもまだ何日か話しに行かなくちゃいけないって……」
「そうなのよねぇ。私も目撃者だから、証言必要になったら言って頂戴」
 そう言って、レイカは女の子に名刺を渡した。
「負けちゃダメよ。強い女になりなさい」
「……はい!」
 そうして、レイカは仕事場に向かった。
 今度は別の電車で連続痴漢の犯人がいるらしいとのこと。
 情報は、ロングヘアの金髪が好き……。それだけ。
 レイカはこの仕事は私じゃないと出来ないわね。なんて思いながら近くに洋服屋で印象ががらりと変わる大人しめの服を選んで買った。
 そのまま店で着替えて、先程まで着ていた服は店から貰った袋に入れて持って行く。
 今のレイカは秘書風で、眼鏡も黒縁で、まるで、あの日のようだった。
 ……リベンジよ。私は強くなったのだから。
 吊革を手で握って、しばらくの間ずっと電車に乗って痴漢が出るのを待っていた。
 そしてしばらくすると、背後に気配を感じた。
 男が荒い息をして、レイカの髪を持って匂いを嗅いでいる。
 レイカは気持ち悪いとは思ったものの、仕事だからと我慢した。
 でも、少しは身動ぎをする。
 何もないのも、怪しく思えてしまうだろうからと。
 そして男がレイカの尻をゆっくりと撫で上げる。
 思わずお尻に力が入った。
「きゅっとしてて、むっちりとした、いいお尻だ……」
 両手で触られ、レイカは今すぐ蹴りを入れてやりたかったが、レイカはそれも我慢して、「やめて……」と小さく訴えた。
 だが男はますます鼻息を荒くするばかりで、全く聞いてくれない。
 レイカは振り向いて、男の顔を確認した。
 そして同時に、携帯でその男の顔の写真を撮った。
「やめてって、言ったわよね?」
 男は訳がわからないといった顔をしていたが、どういう状況なのか理解すると、レイカに襲い掛かる。
 しかしレイカはそれを軽く避けて、「車掌さんを呼んで!」と周りに言った。
 すると正義感が強そうな学生が車掌を連れて来て、その男を次の駅で降ろし、警察署に連れて行った。
 レイカはどういう仕事をしていてそうなったのかなどを言うと、警察に「大変ですねぇ」と、とても同情された。
 そして帰りの電車で、まばらにいる乗客と一緒になって座席に座っていると、目の前に立つ男が居た。
 何よ。別に座席があるんだから、私の前に立たなくてもいいでしょう。そう思った。
 だが、男の発する言葉で、レイカは身体が、頭が凍り付くことになる。
「久しぶりだな。外資系秘書レイカ」
 目の前に居る男を見た。
 痴漢ファイブの、メンバーの一人……。
「何の用かしら。私、あなたに用なんてないのだけれど。それに他のメンバーは? 解散でもしたの?」
「まあ、いろいろあったんだよ。だが、まさか、こんなところでレイカに会えるだなんてな」
「また、私を犯す気? だとしたらお生憎様だけれど、私は犯される気なんてないわよ」
「強気なところも変わってねえな」
「そっちこそ。その下品な笑い、いつまでも変わらないわね。でも確か、あなたリーダーがいなかったら何も出来なかったわよね? 弱虫さん」
「弱虫なんて呼ぶのはお前くらいだよ。俺は今は一人でやってるからな」
「まだ続けてるのね。だったら、私が捕まえてあげるわ」
「警察でもない秘書の癖に」
 秘書と思わせておくのは都合がいい。
 だからそれを肯定した。
「そうよ。だけど、ただで負けてあげるほど、私も弱くないの」
 すると男はレイカの頭を掴んで、男の股間に顔を近づける。
 そこにはスラックスの中の欲望が大きく硬くなっていることがレイカの頬に当たってわかる。
「ねえ、あの時の映像、あなた達の顔も映ってるもの、あるでしょう? それをくれるなら、あなたの罪を軽くしてあげることが出来るけど」
「……何者なんだよ」
「ただの外資系秘書よ。ただのね」
「……あの頃のは、もう処分して、ない」
「嘘」
「本当だ。あるのはダビング出来るやつだけだ」
「そんな」
 レイカはがっくりと力が抜けてしまった。
 その映像があれば、もしかしたら他のメンバーも罪に問えたかもしれないのに。
 ないだなんて……。
「それより、こっちを楽しませてもらうぜ」
 そう言って、男はレイカの服の胸元を手で弄った。
「ダメよ。やめなさい! んあっ!」
 男はレイカが胸の弱いところを覚えていた。
「前より、少し大きくなったか? このマシュマロみたいな感触、懐かしいな」
「離しなさい! あっ」
 胸を弄られながら、レイカはひたすら「やめなさい」と言って、嬌声を小さく上げていた。
「ここを開発してやったのも俺達だろ。なあ。捕まえられるもんなら捕まえてみろよ。ここの乗客全員お前のことは見えてないみたいだからな!」
 乗客は皆下を向いたり、寝たふりをしている。
 これだから、痴漢が世にのさばるのだ。
「ここはどうなってんだ?」
 レイカのスカートの中に手を入れる。
 そして、下着の上から、クリトリスを触り、そのままパンツの横から指を秘部の膣に入れた。
 男の指に絡みつく襞、少しばかり濡れていて、出し入れを何回かすると、すぐに淫らな水音が聞こえてきた。
「ほら、ここはこんなに気持ちよさそうに音を出してるじゃないか。お前だって本当は犯されたいんだろう?」
「そんなわけないでしょ!」
「仕方ねえなぁ」
 男はレイカを座席から引きずり下ろすと、足を座席に乗せさせ、床にレイカの頭が着くようにした。
 そして男が座席に乗り上がり、レイカの秘部にぐちょぐちょと指を出し入れし始めた。
「や、めて……っ。やめな、さい……っ!」
 足に力を入れて男に掴まれた足を解こうとするが、そう簡単には足を離してはくれない。
「ほら、これが欲しいんだろ!」
 そう言って、男は肉棒をレイカの秘部にずぶずぶと入れた。
「あぁっ!」
 そして男はレイカの足を抱え持って、腰を振る。
「あっ、あうっ! やめて! やめてえ!」
 こんなこと……されるなんて……。強くなったのに。
 レイカは悔しくて仕方がなかった。
「おら! 突かれてよがってんじゃねえか! 認めろよ! お前は変態なんだ!」
「い、やぁ!」
 それから何度も何度も突かれ、レイカの胸はその動きにたゆんたゆんと揺れていた。
 予期せぬブラの刺激もあり、レイカの乳首は立っている。
「乳首も擦れて気持ちいいってよ!」
「こんなの、こんなの私じゃない……! 覚えてなさいよ! 絶対に、いつか捕まえて、やるんだからあっ! あっ! イクッ! イクゥッ!」
 レイカは派手にイッた。
 そして、潮を吹いた。
「潮吹くくらいよかったのか? もっと突いてやるよ!」
 レイカは男に好きなように突かれ、胸を揉まれ、精を中に吐き出された。
「そういやこっちはまだ味わったことがなかったな」
 レイカに座席に手を置かせ、尻を高くさせる。
 そして胸を触りながら、男はレイカのお尻の穴に指を出し入れし始めた。
「そ、そこは……!」
 臭いが辺りに広まる。
「そう言いながら、もう三本も入ってるぞ。……入れるからな」
「やめて! やめてえ!」
 ぐぐっとアナルに入って行く肉棒に、レイカは今までとは違う感触に、眉を顰めて耐えた。
「ここもあったけえなあ。気持ちいい」
 そう言いながら、男は腰をがつがつと打ち付ける。
「壊れちゃう! 壊れちゃうからっ、お願いだからっ! あっ! んうっ!」
「壊れろ壊れろ! お前が壊れてくれりゃこっちも楽でいいんだよ!」
 レイカは座席に当たる乳首が、お尻の穴が気持ちよくて「あっああっ! あああああっ!」と言ってイッた。
「おら、出すぞ。しっかり受け止めろよ」
「嫌ぁ! 嫌なのお!」
 そう言いながらも、レイカのそこは精液を受け止めていた。
 男は精を吐き出し、後ろにも前にも精液でレイカは汚れてしまった。
 そして男は少しばかり余韻に浸ると、どろりとその肉棒をレイカから抜いた。
 そしてティッシュで自分のものを拭いてそれを電車内に投げ捨てる。
「また頼むからな。外資系秘書レイカ」
 男はそう言って駅に着くと電車から降りて行った。
 扉が閉まる。
 どう見ても異常なことがあったというのに、誰も、助けてくれなかった……。
 レイカはゆっくりと立ち上がると、乱れた衣服を元通りにし、次の駅で降りた。
 また、負けた……。
 今日は厄日だわ……。
 そう思って、どこかしっとりとした色っぽさを残したまま、レイカは家に帰る。
 太ももに、中に吐き出された精液がたらりと垂れるのを感じた。


これはbc8c3zが二次元ドリームマガジン Vol.35に書かれていた綾守竜樹先生追悼特集に書かれていた御堂レイカ外伝のあらすじを元に根本鈴子先生に書いてもらった綾守竜樹先生著・御堂レイカの2次創作です。
綾守竜樹先生のファンの方に読んでいただければ、それに勝る喜びはありません。
4月6日にお亡くなられた先生の追悼の意味を込めて公開させていただきました。
感想があれば励みになりますのでお書きください。
またアンケートだけでもいただけたら今後の励みになりので、よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です