あらすじ
九条院法子の上半身を犯し、いよいよ下半身を・・・というところに鷹城八雲に殺された隠花の侯爵・マーカス=アンフロラ。
しかし彼は殺されても復讐を諦めず、地獄門から現世に顕現し、目覚ましい活躍を見せ自由の身になる。
自由になったマーカスは新しく得た力で未完成の作品である法子を再調教し、八雲を我が物にせんと動き出す。
■法子調教1
腹部の鈍痛が、彼女の意識をゆっくりと浮上させる。
ふわふわとした感覚があって、どこか、身体の自由が利かない気がする。
やや右に倒れていた首を正面に戻し、ゆっくりと目を開く。
最初はぼやけていた視界が、次第にはっきり見えてくる。
法子はぼんやりとした意識をしっかりとした意識になるまで取り戻した。
「ここは……。私は、一体……」
すると部屋に窓がないことから、ここが地下で、自分が監禁されていることを知る。
身体は動かそうとするものの、全く動かない。
どうなってしまったのか、法子は状況が少し飲み込めなかったが、少しするとすぐに状況を理解出来た。
「……何よ、これ」
法子の下半身は肉の床に埋まり、上半身のみが出ている状態で、拘束されている。
幸い、念装厚膜は無事なようだ。
これがなければ、もっと酷い目に遭っていたかもしれない。
しかし、どうしたものか……。
「全く、動かないじゃないのよ」
身体は動かない。拘束されている。それも肉の床に深く埋められている。
どうにか身体を動かそうと足をばたばたとさせようとすると動くが、その先には地面のようなものは何もなく、脱出には使えないだろう。
下半身は使えない、か……。
ならばと上半身を動かそうとすると、軽く胸を反らせることや首が動かすことくらいしか出来ず、手は使えない。
手は拘束されているようだ……。
(上半身も、これじゃあ使えないわ……)
今自分がどうなっているか把握すると、法子は目の前に居るマーカスに気がつく。
そうだ。私は確かこいつに捕らえられたんだ。
復活してしまった、この敵と……。
「貴女にはいろいろとお伺いしたいんですよ。そう。鷹城八雲さんの情報を、……ね」
法子は相手がマーカス=アンフロラだとわかると、強く睨みつけて言葉を吐き出す。
「誰があんたなんかに八雲先輩のことを教えるもんか! この拘束を早く外しなさい!」
それにしても、どうやって復活したのか……。
法子はあの時、八雲が倒し損ねたのかと思ったが、しっかりと倒した感触があったことを思い出すと、どうやら八雲が倒し損ねたわけではないということがわかった。
それに、八雲がそんなヘマをするはずがない。
絶対に奴の息の根は止まっていたはずなのだ。
……まさか、復活するなんて。
それも、新しい術まで使えるようになったようだ。
(こ、こんなことになるなんて……。まさか、自分が負けてしまうなんて)
まさか負けるだなんて……と、その気持ちが法子を支配する。
自分は強いと、過信していたのだろうか。
いや、そんなことはない……!
今だって、まだ何も出来ないけれど、隙を窺えば必ず勝てるはずだ!
淫気で満たされようと、心さえ奪われなければ、きっと勝てる。
いや、勝つんだ。
いつだってそうだった。
男にも負けないくらい、強い自分でいること。
それだけが法子の、努力の証であり「勝ち」への道なのだ。
絶対に八雲先輩のことを話さない! たとえ何をされたとしても!
法子はそう思い、マーカスを睨みつける。
マーカスはそんな法子からの睨みを、まるでアイドルのファンがアイドルを見るかのような視線のように受け取り、不気味に微笑む。
「何でもいいんですよ。鷹城八雲さんの戦歴や紅薙姫での住所、プライベート、性格、刀のこと……。何も知らないわけがないでしょう? 貴女ほど鷹城八雲さんを崇拝しているなら、当然知っているはずだ」
その言葉に対して、法子はマーカス=アンフロラに唾を吐きかけた。
「何度も言わせないで。先輩のことは何も知らない。知っていたとしても教えない!」
意志の強そうな眼で、法子はマーカスを睨んだ。
法子は心に決めている。
尊敬する先輩、八雲のことを決してこいつには絶対に言わない。
マーカスはそんな法子に、笑顔で「そうですか。それなら仕方がないですねぇ」と言った。
法子は警戒しつつも動けないことに苛立ちを隠せなかった。
そしてマーカスはヒマワリの触手を出すと、法子は一瞬怯えと恐怖を顔に出してしまった。
しかし、法子は「馬鹿の一つ覚えみたいに」と言って、法子はこれから起こるであろう屈辱と快感を覚悟した。
だが、まず法子は目隠しとギャグボールをつけられ、視界と声を奪われた。
負けてなるものか……。
こんなところで、負けたくない!
法子は強くそう思った。
しかしそんなこと、マーカスにとってはどうでもいいことだ。
マーカスは法子にこう言う。
「法子さんは陥没乳首ですからねぇ、出してあげないといけませんね」
そう言って、マーカスは念装厚膜を触手でゆっくり溶かしながら胸の全体を触手で包んで外から刺激を与えた。
与えられ始めた刺激で、法子はどこか下腹部の奥が疼くような、そんな感覚がした。
「んんっ……、う、ん……っ」
与えられるわずかな刺激が、法子の胸を弄ぶ。
まるで指が這っているような、そんな感覚がする。
さらにそれは細かな振動などで刺激をし、法子はこそばゆいような、気持ちいいような、そんな気持ちがむくむくと湧き上がって来た。
しかしそれを認めてしまっては、負けることになるかもしれない。
法子はまだこの程度……と、自分を鼓舞して与えられる刺激に耐えた。
そして刺激が与えられる中、同時にゆっくりと念装厚膜は溶け、胸当てをしていないその胸はあっと言う間にその下にある蕾が顔を出した。
まだ勃起していない陥没乳首を触手が撫でる。
「んむぅ」
法子は思わず呻いたが、まだ気持ちいいとか気持ち悪いとかそういうことは感じなかった。
しかし、次の途端、法子は胸に強い刺激を感じた。
触手に陥没乳首を吸われている!
それによって、陥没していた乳首は顔を出し、隆起した。
さらにそこに触手が赤ん坊のように乳首を求め、吸い、舐め、振動を与えた。
先程の指に這われるような感覚が、触手が、乳首を弄り回す。
それは意外にも強い刺激で、法子は思わず声を上げ、背中を反らせた。
「んぶぅううっ! んむ、んんんんっ!」
与えられる快楽に法子は目隠しされたその下で、強く目を閉じてただ耐える。
「っふぅう、うあ、ああ……っ」
リズムを変え、とんとんとんと胸を軽く叩かれ、乳首を刺激される。
摘まれ、吸われ、擦られて……。
ダメだ。気にしたくないのに、視界を奪われ、言葉を奪われ、与えられる刺激に反応しないなんて出来ない……!
法子はびくびくと動かしたくもないのに動いてしまう自分の身体に苛立ちが隠せなかった。
こんなことに反応してしまうなんて。
法子は反応してしまう自分の身体を恥じた。
そして触手はそのねとりとした粘液で法子の胸の感度を上げ、滑りを良くしていく。
そしてその滑りを利用して、乳首に触手を絡ませ、きゅっと締め上げる。
それを何度も繰り返し、陥没していた乳首は隆起していて、その熱で赤くなっていた。
大きなその胸を揉まれ、摘まれ、触手で弄ばれて快感に気を失いそうになる法子。
「ん、ふぅううう! うう! んう!」
必死に身体を出来る限り動かして、快感を逃がす。
だが、それでも快感はやってきて、ついには頭がショートしてしまう。
意識が遠くなっていく。
ああ、やっと少しこの刺激から逃げられる。
ほんの少しでも、逃れられるのならば……。
そう思っていた。
しかしそれをマーカスが許さなかった。
「お昼寝なんて、許してませんよ」
そう言って、マーカス自ら法子の胸をスパンキングした。
叩かれた胸には赤く痕が出来、法子は痛みと衝撃で離れていきつつあった意識を取り戻し、目を覚ます。
「んむぅっ!」
何度も叩かれ、抓られ、痣が出来るんじゃないかと思うくらい痛めつけられると、今度
優しい気持ちのいい刺激を与えられて、そうかと思うとまた叩かれて……。
まるで法子の反応を見たいかのようなその動きに、法子は反応するしかなかった。
反応しないなんて、そんなことが出来るのだろうか。
そう思えるくらい、強い刺激だった。
法子は胸に次から次へと与えられる刺激に、ギャグボールの奥から声を漏らす。
「ほら、胸が赤くなってきていますよ。そんなに叩かれるのが好きなんですか? ……まるで変態のようだ」
胸を何度も叩かれ、そこが赤くなっていく。
「んんっ! うぅっ!」
強い痛みに法子は声を漏らす。
「ほら、こんなに叩いているというのに、あなたの胸は揺れて、嬉しそうに肌を赤く染めているじゃないですか」
そう言うマーカスに、それでも法子は「違う。叩かれるのなんか、好きじゃない!」と言いたかったが、ギャグボールで口を塞がれていて何も言えなかった。
だが、ギャグボールをされていてよかったのかもしれない。
もし、ギャグボールがなければ、淫らな艶声が出てしまっていたかもしれないからだ。
「んふ、うぐぅっ」
胸はかつての調教と自慰で開発済み……。
それがどういう意味かは、法子は自分で一番よく知っていた。
強い痛みの中に快感を得ていく。
痛いはずなのに、気持ちがいい……。
こんな気持ちになってはいけない。そう思うも、法子は快感から得られる気持ち良さに身体は正直に答えていた。
「っふぁ、ああっ」
そう言葉にならない言葉を漏らしながら、法子は背中を反らせながら胸を揺らした。
「気持ちが良いのですか? 本当に、変態だ」
マーカスは法子の胸に刺激を与え続ける。
法子は反応をしちゃいけないと何度も思うも、結局反応してしまう。
身体がびくんびくんと電流を流されてしまったかのように反応してしまって、ますますマーカスを喜ばせてしまうのだった。
反らせた胸の美しさはもちろん、白い首筋が美しく、さらには表情も官能的だった。
法子からしたら必死の抵抗だったが、マーカスにとってはただのご褒美のようなものだ。
法子はアイマスクで見えないが、きっとマーカスは笑っていることだろうと、悔しく思った。
「ふぉあっ! ふ、んんっ!」
法子はギャグボールをして、涎がだらだらと流れ続ける。
生温かい液が胸に落ちてぴちゃっと音がする。
法子の口から出る唾液が、胸に落ちていくのだ。
そしてそれは胸の谷間を通って、さらに下へと落ちていく。
胸は小刻みに揺れていて上下左右関係なく動いている。
背中も何度も反らされ、首を横に振って、快楽から逃げようとする法子の姿は扇情的だった。
それは法子が快感を得ていることを確実にマーカスに伝えていた。
マーカスはそれを見て笑う。
「叩かれて、撫でられて、摘ままれて、この胸はいろいろなことをされるのが好きみたいですね」
マーカスはそう言って、胸への刺激を与え続ける。
もうやめて……! やめてよ!
そう言いたかったが、ボールギャグが邪魔をして何も言えない。
いや、それ以前に言葉にならないだろう。
それだけ、法子は与えられる刺激に艶っぽい声を出してしまっていたのだから。
さらにその声にならない声から、感じているのは誰がどう見ても感じていることがわかっていた。
むしろ、声を出すことが出来ないだけ、油断していて、声を大きく張り上げていた。
ボールギャグのその向こうから、声を出す。
叫び声のような、喘ぎ声……。
誰がどう聞いてもすぐにどのような行為をされているかわかるくらい、その声は艶っぽかった。
普通の女と違う。何度も修羅場を潜り抜けた退魔師の、無様な負けの姿。
その声を聞けば、そこらの男達が何だ何だと言いながら鼻の下を伸ばして見に行くことだろう。
逆に、女性が見たらあまりの酷い快楽の虜だと、冷たい眼で見て唾を吐きかけるだろう。
中には、そんな同性の痴態を見たいと思う者もいるかもしれない。
それだけ、人を引き寄せる声をしていた。
そのことに、法子本人は気づいていなかった。
法子は胸を優しく揉まれ、そうかと思うと今度は強く掴まれ、摘まれ、酷く感じてしまっていた。
法子は自分が意識していない内に、甘い声をボールギャグをしているというのに、そんな声が叫び声から変わって、熱く、甘い声が出ていた。
マーカスはそんな法子に、舌なめずりしながらこう言う。
「どうしたんですか? 甘い声が漏れていますが」
そう言われ、法子はアイマスクをされていたが、キッと強くマーカスのいる方向を睨んだ。
声が聞こえるから、きっとそこにいるのだろうと、法子は思ったのだ。
もちろん、その方向にマーカスは居た。
だが、そんなマーカスは余裕の笑みを浮かべている。
口角を歪ませると、マーカスはこう言った。
「そうですね……。一時間、放置してあげましょう。もちろん、触手はそのままで」
そう言って、マーカスは法子を放置して部屋から出て行ってしまった。
(こんな状態で放置? 嘘でしょう……)
そう思いながらも、法子は一人、必死に耐えていた。
乳首を力強く吸われ、周りをぐるりと囲んだ触手が刺激を与える。
吸盤のようなもので吸い付いて、解放して、また吸い付いて……。
胸は吸われた痕で赤くなっている。
何度も何度も、吸い付かれ、解放され、そして吸い付いた状態で刺激を与えられる。
乳首は最初の頃よりもいくらか大きくなっている。
もちろん、感度もかなり良くなっている。
こんな状態だと、普通の一般人ならばあっと言う間に魔の手にその身を委ねてしまうことだろう。
しかし法子は必死に耐えた。耐えに耐えた。
こんな触手なんかに負けるもんかと、歯を食いしばって耐えていた。
しかしそんなもの、何の意味もなかったようだ。
長い間、胸を凌辱され、陥没していた乳首も勃起し、外に出ている。
その大きな胸はいつの間にか丸出しになっていて、触手が巻き付いていた。
胸ばかりを刺激され、法子は熱い息を漏らす。
「んんっ! ふぁ……っ、あ、むぐぅっ」
涎をだらだら垂らし、その涎は豊満な胸に流れる。
その涎のせいで、胸はてかてかと光り、より触手の感覚を鮮明に伝わってしまった。
潤滑液を得た触手の刺激は、これまでのものとはまた違い、法子は思わず声にならぬ声を上げた。
背中を反らし、胸を前に突き出して、身体が刺激を欲しがる。
触手はそんな法子の胸を円を描くように押したり、吸ったりする。
「んふぅっ」
口から洩れ出る艶声が、法子と触手しかいないその部屋によく響いた。
触手は法子の胸に纏わりついて、イソギンチャクのように自由自在に形を変えて刺激を与えた。
吸いながら、中で歯ブラシのような形をした触手が乳首を擦ったり、乳首を吸引して大きくしたりした。
「ふ、ああっ! あ、んんんんん……っ!」
汗で体中がしっとりと濡れる。
もちろん、汗だけではなく、触手から出る淫液のせいでもあるのだが。
大きな胸を、触手は責める。
胸だけではなく、露出している上半身全体をも、刺激する。
全身を舌のような触手で舐め上げるようにし、感度を上げられ、法子はもうどうにかなってしまいそうだった。
ましてや目はアイマスクで見えないものだから、何をされるのかさえわからない。
そんな恐怖と快感、屈辱の中で、法子はただ耐えることしか出来なかった。
一向に終わらない行為に、法子はもう体力も思考も全てが尽き果てようとしていた。
早く終われ、それだけを願っていた。
(もうダメ……。いえ、まだ、ダメ。私は退魔師……。八雲先輩に申し訳が立たないわ)
法子はそう思って、決して屈しないと心に決めて耐えた。
漏れ出る声は確かに自分のもの。
だが、それは負けの声ではない。
起死回生を待つ声……!
そう思いながら、意識をしっかりと保ち、自分に負けないようにしていた。
しかし、どうしても快感を多く与えられると、意志も揺らいでくる。
熱くなっていく身体、与えられる刺激に法子はおかしくなりそうだった。
そしてその状態で一時間後、マーカスが再び現れる。
法子は口元は涎がだらだらと垂れ、胸にまで続いている。
そして鼻水が出て、瞳も酷く強く潤んでいた。
胸ばかり刺激されていたのに、もう膣はどうしようもないくらいに濡れ、潤んでいる。
早く中に欲しいと、法子のそこは訴えかける。
さらには念装厚膜を溶かされ、守るものがない乳首は本人が信じられない程隆起していた。
だが、法子の殺気はまるで衰えていなかった。
疲れていようが、何だろうが、敵に対する殺気までは、マーカスには奪えなかったのだ。
マーカスは自分をアイマスク越しに睨みつける法子を見て、問いかける。
「もう一度聞きますね。八雲の刀の名と能力は?」
法子はギャグボールを外されると、睨みつけながらこう言う。
「この屑っ」
しかしそれ以上は法子は言えなかった。
マーカスが法子の胸を揉み、弄ぶのだ。
最初はその胸の感触を楽しむように両手で形を変えるように手を動かし、さらには乳首を引っ張ったり、擦ったりした。
大きな胸はその柔らかさを見せつけるようにふわふわと形を変える。
しかし張りがあり、その若く、女らしいその胸は唾液でてらてらと光っていた。
念装厚膜を失い、淫気を長時間浴びた胸は信じられないくらいに敏感になっていた。
両乳首同士を寄せられる。
そして真ん中で乳首と乳首を擦り合わせられた。
「ひ、ぃいんっ!」
ヒマワリの触手で犯されて、淫花の淫気をじかに浴び続けた胸は恐ろしいぐらいに敏感になっていた。
「くっ、うぅん……!」
乳首と乳首を擦り合わせられ、法子自身も信じられない程感じてしまい、思わず声が漏れ出た。
さらに法子自身が淫気を吸い過ぎて、まさに発情状態……。
外からも中からも責められ、自我は疲労していく。
だが負けだけは認めたくない。
それでも、ぬるりとしたその感触が、法子の身体を包み、快楽で頭がおかしくなりそうになる。
だが、そこは法子の強い意志がおかしくなることを許さない。
頭がおかしくなってしまえば、その方がいいのかもしれないが……。
そして責められ、法子は汗をじんわり出しながら、たらりと頬を流れる汗に塗れながらこう言う。
「こ、こんなの、何ということはないわ……!」
ボールギャグを外された口からは、マーカスの神経を逆なでするようなことばかり吐き出される。
「こんなことしたって、無駄よ。私は八雲先輩のことを何も話さない。喋らない!」
マーカスはそんな法子に対して、法子がムカつくくらいに胸の感触や硬さ、張り、弾力を好き勝手な感想を言いながらの責めをした。
そしてマーカスは一旦、八雲のことから離れ、法子のことを口にする。
「こんなにビンビンになるまで乳首を硬くして……。本当は望んでいたいんじゃないですか? こうして、敵に襲われることを」
「……っ!」
法子は反論したかったが、口を開くと軽口の前に喘ぎ声が出そうで、必死に奥歯に力を入れて口を噤んだ。
別に、敵に襲われることを妄想したことなどない……。
だが、そんなことをマーカスに言ったところで無駄だろうし、口を閉じていなければならないくらい喘ぎ声が出そうになる。
我慢しなければ。じっとして、ただやり過ごすだけ……。
そんな法子の様子を見たマーカスはにやりと笑って法子に問う。
「もう一度言いますね。八雲の刀の名は?」
法子はマーカスを睨みつける。
「この屑がぁ……!」
それだけはなんとか言えた。
そして目は性的に欲情し、瞳を潤わせながらも鋭い眼光でマーカスを睨む。
「素晴らしい」
再び法子はマーカスの手によって、ボールギャグを口に着けられる。
そのままマーカスは双乳を手で捏ね、揺さぶる。
乳首はこの責めが始まる前は陥没していたとはとても信じられない程に隆起し、自己主張をしていた。
「実に摘まみやすい、大きな実だね。淫花の令嬢」
かつて、マーカスが法子につけたあだ名。
屈辱と怒りが胸を占める。
しかし、責めに耐えていたのに、ふとした時に法子は声が出てしまう。
「あっ、はぁっ、ああっ……!」
噛み締めていた奥歯が浮き、少しずつ声が出る。
イキまくる感覚が、自分がどれだけ変態的な調教を受けているのかを自分に教えて嫌になる。
そうだ。これは調教……。
でも、私は愛玩人形でもなければ、ペットでもない!
法子はそう思って心まではマーカスの思い通りにはならないと、自分に言い聞かせる。
だから、屈服の言葉は決して言わない。
だが……。
「……っ!」
あまりにも急な絶頂に、アピールするように前に思いっきり上半身を反らし、アクメする法子。
その時、何が起こったのか全く分からなかった。
あまりの刺激に、今のが気持ちいいのか痛みなのかすらわからない。
「本当は戦闘用の力なんだけど、こういった面白いことにも使えるんですよ」
■法子調教2
「どうですか? 最高でしょう? これこそ君が求めていたものだろう?」
マーカスはそう言い、法子のギャグポールを外す。
荒く熱い息が何度も吐かれる。
やっと外されたギャグボールは、唾液でてかてかと光っていた。
法子の唾液で塗れたそれを、マーカスは見て、笑った。
法子に近づいていき、マーカスは上から法子に声を掛ける。
「随分と、気持ちよさそうだったね。やっぱり最高だったでしょう? 君の好みだと思っていたんだ」
そう言うマーカスに、法子はまだ息を整えている最中で、何も言えなかった。
しばらくして法子はやっと止まった責め苦に、少しだけほっとした。
これ以上続けられていたらどうなっていたかわからない。
一時的でも、止められてよかった。
そう思う。
こんな異常事態、責められて嬉しいわけがない。
気持ちがいい、気持ちよくないの問題ではない。
プライドが傷ついたのだ。
敵に見せてしまった自分の痴態、それが嫌だった。
気持ちよかったなどと認めたくない。
まだ胸に残っている法子の高いプライドが、そう自分に言い聞かせる。
自分は感じてなどいない。
感じていたとしても、この敵に、マーカスにそういうことをされて嬉しいわけがないのだと。
しかし、だらだらと流れる唾液、そして熱い息が今までの責めの苦しさ、気持ちよさがあったことが見て理解出来る。
吐き出された唾液は法子の口元を汚し、胸元へと落とす。
胸が唾液で光る。
その唾液の量が、どれだけ感じていたのかを思い知らせる。
法子はそれでも気丈に振る舞う。
まるで自分は何も感じていない、傷ついてなどいない。
お前になんか、負けていないのだと強い光を瞳に宿した。
「何が最高なのよ、こんなの」
法子が忌々しそうにマーカスのいるであろう方向をアイマスク越しで睨みながらそう言うと、マーカスは笑っていた。
最高などとは思わない。いや、思えない。
こんな責め苦、最高なわけがない。
最高なはずがない!
法子は怒りや殺意が胸を占めていた。
こんな敵に生かされているなんて、屈辱だわ!
法子はそう思った。
敵に生かされ、胸を弄られて、挙句の果てに八雲先輩のことを聞いて来るだなんて……!
そんな敵に生かされている、それが屈辱的で仕方がない。
じとりと法子の肌に浮き出た汗が玉になって唾液と共に流れる。
身体中、いや、当然顔も赤くなってしまった法子は、それでも殺気を放つ。
だがマーカスはあることを口にする。
「僕のことを思い出して乳しか責めない自慰狂いの君にはうってつけの責めだと思うけどね」
法子の真っ赤になっていた頬がさらに赤くなった気がした。
どうしよう……、一瞬そう思った。
その言葉には覚えがあるからだ。
まさか、こんなやつに……。いや、でも見られていないはずだ。だけど、どうして。
気づけばどうして、なんでとそればかりが法子の頭を占めていた。
法子は頭が混乱したのだ。
目の前の敵が、急に大きな存在に見えてきたような気さえする。
言われた通り、法子はマーカスのことを思い出しながら、自慰をしていたことがある。
眠れない夜、何度も思い出しながら風呂で自慰をしていた。
負けた時のことを思い出して、何度も何度も……。
陥没していた乳首が大きくなって、中から飛び出てそれを指で扱いていた。
胸ばかりを弄って、絶頂を迎え、熱い吐息を何度も吐いた日がある。
誰も見ていないから、誰も聞いていないから。
そう思いながら自分の慰めた日々……。
いつも胸だけを弄り、絶頂を迎える。
胸をこねくり回し、指先で刺激をして、いつもは陥没している乳首が、中から飛び出てきたら、乳首を強く刺激を与える。
少しでも快感を得たくて、乳首を引っ張ったり、触手でいじめられた時のような動きを自分でどうにか再現して胸を弄った。
こんなことをしてはいけない……。
それはわかっている。わかってはいるが、法子はやめられなかった。
毎晩、風呂に入ってはただ胸を弄って快感を得る。
周りには絶対に秘密……。
そう思うと、より自慰の手が進んだ。
いつだって清廉潔白でいられるわけではない。
ましてや年齢的に一番そういうことに興味のある年頃だ。
それなりに性欲だってあるし、それを発散したくなるのだ。
だが、誰にも秘密だし、絶対に見られていないと自信を持って言える。
自分だけの秘密。
そのはずだった。
だから、そんなこと、マーカスが知っているはずがない。
自分の部屋は紅薙姫の管轄。
場所も秘密の上に、マンションそのものもセキュリティも高い。
淫魔の侵入は絶対に探知できるように霊的な仕組みもあった。
マーカスのはったりだ。
自分の部屋の風呂の秘密を知るはずない。
絶対に、知っているはずがないんだ。
だって防音だってしっかりしているし、喘ぎ声なんて滅多に出さなかった。
誰にも見られないところで、小さく喘いで、胸を弄って……。
そんなことを、マーカスが知っているはずがないのだ。
「……そんなわけないでしょ? 自惚れもいい加減に」
少し間が出来てしまったが、声は震えていなかったはず、そう必死に自分に言い聞かせる。
だがそんなこと、マーカスにはお見通しのようだった。
「そうかな?当たってると思うけどね」
マーカスは酷く楽しそうにそう言い、法子の目隠しを取る。
法子が久しぶりに見た目の前の景色は、絶望が広がり、楽しそうなマーカスの顔があった。
マーカスは法子の顎をくいっと持ち上げて顔を近づけて口を開く。
「強がる君も素敵だよ。そう簡単に折れられたらつまらないし」
マーカスは余裕そうに笑顔でそう言う。
法子を見て、にっと口で弧を描かせて歪め、その瞳に法子と、法子ではないあの戦姫の姿を宿らせていた。
それは明らかな敵意。
そして、法子が屈辱に塗れ、自分に屈服する姿が想像出来る。
やがて法子の崇拝するあの戦姫がやってきて、その戦姫を倒すことこそが、マーカスの目的だった。
「殺すっ! 私を今殺さなかったことを後悔させてやる!」
法子の殺意にまみれた声。
しかし先ほどの自分の自慰狂いの過去を当てられた分の羞恥心と怒りのこもった意味も含まれていた。
こんな敵に知られるなんて。いや、知られるというよりかは、言い当てられるなんて……。
そんな困惑もあった。
法子は傷つけられたプライドを取り戻そうと、必死に声を上げた。
「絶対に殺す!」
そう言いながら、法子はマーカスを睨みつける。
それを聞きながら、マーカスは指揮者のように手を振りながら外に出るマーカス。
「でもそろそろ時間がないかもしれないね。また彼女が来るかもしれない」
彼女……。つまり、それはあの八雲がやって来るということ。
法子が信じている戦姫。
希望が湧き上がる。
八雲なら勝てる。
再びこの淫魔を地獄に落とせる。
そう信じて疑わなかった。
自分の崇拝する八雲ならば、きっとこのマーカスを倒せる。
マーカスの全てを終わらせてくれる……!
希望に満ち溢れた法子は、瞳の輝きがより強くなった。
「絶対後悔させてやる……!」
八雲先輩が来ているのなら、きっと大丈夫。
あの人ならば、マーカスを倒すことが出来る……!
私だって、負けてられない。
八雲先輩の足手纏いになんてなりたくない!
隙を窺って、マーカスを倒すんだ……!
そう思う法子は、心に少しばかりゆとりが持てたような気がした。
それだけ、八雲のことを信じているのだ。
八雲先輩がもうすぐここに来る。
それは法子にとって、とても嬉しいことだった。
二人でなら、マーカスを倒せるだろう。
そう。八雲先輩ならば……。
そう思う法子に、マーカスは不敵に笑った。
法子はそんなマーカスに「残念だったわね」と心で吐き捨てた。
しかし、そんな彼女を堕落させるほどの調教が待ち受けていた。
■法子独白
八雲先輩が来るまでなら絶対に耐えきれると、法子には自信があった。
これまでの修行や戦い、いろいろな目に遭ってきたことから、自分が負けるだなんて思いもしなかったのだ。
それだけいろいろな多くの敵と戦って、勝ってきたのだから。
そう思って、口には笑みさえ浮かんだ。
八雲先輩が来てくれるなら、絶対に勝てる。
いや、勝つに決まっている。
あの八雲先輩ならば、きっとあっと言う間にマーカスをひれ伏させ、すぐに地獄にマーカスを堕としてくれることだろう。
マーカスも馬鹿なものだ。
八雲先輩にわざわざ歯向かうだなんて。
大人しくしていれば、その存在も認知されずにひょっとしたらずっと生き続けることが出来たかもしれないのに。
そんなことを思いながら、法子は口角を上げた。
でも、その自信はあっと言う間になくなっていった。
考える時間は奪われ、触手が次々と法子を襲う。
上半身を触手が覆い、肌に淫気やそのぬめぬめとした触手から出ている液体を当てる。
そして触手が胸を強く責め立てる。
「あっ、ああっ! んっくぅ!」
胸を揺らしながら、わずかに動く上半身を動かし、快感を逃がそうとする。
そうして必死の抵抗を見せるも、法子は嬌声を上げてしまう。
「いやぁ……、んんっ! う、っふぁ」
それでも触手から逃げるように足をばたばたとさせ、上半身を出来るだけ反らせたり、横に動かしたりとしていた。
しかし胸に触手が絡みついて、吸い上げ、乳首の側面も、その天辺にも、刺激を与える。
刺激は弱いもの、強いものをランダムに組み合わせたもので、いつどう動くのか全く予想も出来ない。
法子は歯を食いしばり、快感に耐える。
こんなところで、こんなことで負けてなるものか……!
八雲先輩が来るまで、なんとか持ち堪えなくては!
拘束された手をぎゅっと握り、押し寄せる快感の波に耐える。
「いっ、んんっ!」
必死に声を抑え、法子はその責めの気持ち良さを逃がすために、熱い吐息を何度も吐き出した。
声にはならないが、それだけでも大分気持ち良さを気持ち的には逃がせている気がした。
でもそれでも実際の気持ち良さは変わらない。
乳房を優しく手で揉まれるかのような感触、そしてそこを触手が赤子のように吸い付く。
乳首だってこんなに立ってしまって、法子が艶声を出すほどの気持ちの良さ。
人間の手では出来ないその責め方に、法子はつい、声が出てしまう。
「うぅん……! っはぁ」
つい喘いでしまいそうになると、法子は必死になって唇か奥歯を噛み締める。
そして口の中に一旦溜めて、熱い吐息に変えて吐き出すのだ。
そのお陰か、我慢しているからか、喘ぎ声は小さく、あまり大きくは出なかった。
しかしそんなことお構いなしに触手は動き回る。
背骨に沿って触手が滑らせ、わざと感じやすくしてから、再度胸を弄る。
こんな、背中で感じてしまうなんて……。
それに、胸がこんなに気持ちいいなんて、知らない……っ!
法子がそう思っていると触手はさらに胸を責め立てる。
まるで全てお見通しだとでも言いたそうに。
法子のいいところばかりを責めてくる触手に、法子は薄っすらと浮かぶ所か、だらだらと流れていく汗を感じながら必死に耐えた。
しかし触手は法子が感じるとその責めを徹底的にしてきた。
乳首を吸い上げ、触手の先端で舐めるように乳首に触れる。
双乳を大きな触手が揺らし、その豊かな胸を赤い痕が出来るまで吸い付く。
「ふあっ! あ、あああああっ!」
二つの胸を擦り合わせ、乳首を引っ張られ、天辺を強く吸引されると、法子は潮噴きをしてしまった。
何かが出るような感覚があって、それが何なのか、法子は最初はわからなかった。
下半身から淫らな液が飛び散る。
それは透明で、どこかいやらしいにおいがする。
淫気を吸い過ぎたのだろうか……。
そうとしか考えたくない出来事だった。
潮を噴いてしまった。
法子はそんなことが信じられない気持ちでいっぱいになったのだ。
……信じたくない。
法子は自分が胸だけで潮噴きしてしまったことを、信じたくなかった。
こんな変態的な責めで、まさか自分がそんなことで潮噴きをしてしまうなんて。
下半身にはほとんど触られてもいないのに……。
(屈辱だわ……。こんな、こんなことで……!)
法子は性経験が一人しかいないうえに、性行為は両手で数えられるくらいしかしたことがない。
それ故に、自分が潮を噴くことも知らなかった。
つまり、今、自分がそういった体質であることを初めて知ったのだ。
潮噴きなんてものをしてしまうなんて……と、法子は呆然としてしまった。
そういうのは、もっと女の子らしい子が、えっちな子がするものだと思っていたのだ。
しかし、そうではなかった。
敵に弱さを見せてしまったような敗北感のようなものが法子を襲う。
いや、敗北感というよりも絶望感だろうか……。
だが、それでも触手の責めは止まらない。
触手はすぐに次を責めてくる。
「く、ぅうん……っ!」
胸を吸われ、最初よりも大きくなった乳首に触手が触れ、弄ぶ。
何度も何度も、弄られ、乳首を吸われて、その周りも吸われて赤くなって……。
こんな様、誰にも見せたくないし、見られたくない。
法子のプライドは硝子のようになっていた。
もし、八雲先輩に見られたら……。
そう思うと来てほしいという気持ちと、来ないでという気持ちが二つ一緒に湧き上がる。
ああ、どうしよう。
こんな姿を見られたら、八雲先輩にがっかりされてしまうだろうか。
……いや、そんなことは。
今までだって、いろんな姿を見せてきたが、たったそれだけのことで八雲先輩は引いたりだとか態度を変えるといったことはしなかった。
だから、きっと大丈夫だろう。
でも、それでももし……。
そう思いながら法子はハッとする。
それよりも、もうすぐマーカスが来るかもしれない。
法子はそれが怖くて仕方ないのだ。
マーカスが与えたあの強い刺激……。
あの快感を期待しているもう一人の自分が怖い。
自分は、退魔師なのに、敵の与える快感に溺れてしまいそうな自分がいる。
強烈で、目の前がチカチカするようなあの刺激が、欲しい……。
欲しいなんてもんじゃない。もう、全身で求めている。
毛穴が開いて、汗が、涙が、鼻水が、体液と言う体液が流れ出て刺激が欲しいと叫んでいる。
そして早くマーカスに来て欲しいと思っている自分が、自分の肉体が、怖い。
敵に助けを求めてしまいそうな、そんな辛さを抱いたまま。
待って。八雲先輩が来てくれるのよ。八雲先輩さえ来てくれれば、きっとこんなところすぐに脱出出来る……。
でも、八雲先輩が間に合わなかったら……。
八雲先輩が間に合わなければ、今度こそ下半身を責めてくるのではという期待がしている自分が怖い。
殺意よりも復讐よりもイキたいと思っている自分が怖い。
こんなこと、今までなかった。
どんなに強大な敵でも、こんな風になることなんてなかったのに……!
退魔師としてのプライドが大きく傷ついた。
胸と陰核に「あれ」をやられて、白目を剥いてイキ狂った。
初めは強すぎる刺激に意味がわからなかった。
でも今ならわかってしまう。
知ってしまった。
あれが快感であることを。
あの快感が今は欲しくて欲しくて仕方がない。
次第に快感を求めていく身体は、熱くなっていく。
呼吸をする度に、身体が熱く火照って、汗が流れ出る。
肉体が順応していく。
以前は先輩が数時間で来てくれた。
でも今はもう一時間、いやもう三十分でも耐えられそうにない。
もし耐えられたら、法子は自分を強いと褒めることだろう。
そのくらい、今の法子には耐えるということが難しいのだ。
現に今だって股の奥が、下腹部の奥が、信じられないほど熱い。
疼いて疼いて、仕方がない。
まだ何もないの? そう言っていそうなくらい、疼いて、濡れてしまっているのだ。
お願い。静まって。先輩が来るまでもう少し。きっともう少しだから……!
そう思う法子だったが、まるで早くここに刺激をちょうだいと言っているかのように、下腹部の奥は熱を持っている。
しかし「奴」は胸と陰核のみを責め、それ以外をしない。
陰核も乳首と同じく、吸われたり、擦られたり、とんとんと突かれたりする。
「く、ふぅんっ」
与えられる胸と陰核の刺激に、法子は声を出さずにはいられなかった。
もう声を漏らさないことさえ出来ていない。
ああ、何という失態……。
こんなことで戦えるのだろうか。
助け出されたとして、この先もまた戦うことが出来るのだろうか。
そう思いながら、法子は目が自然と潤み、口からは唾液が流れる。
その艶っぽい肢体には汗がじんわりと滑り落ちていく。
さらには密室に濃霧に見えるほどの淫気が念装厚膜がない身体と肺に入り込んでくるのだ。
自分で胸のみを自慰していた時に感じていた下半身のもどかしさと切なさを何十倍にもした感覚。
しかし股を擦り合わせるほどじれったく、もどかしかった。
欲しい。
この疼く下腹部に、潤った蜜壺に、大きなものを中に欲しい……!
まだ経験人数が一人と、性行為らしいものは数える程しかない法子が、そう思うのは余程辛いからだった。
早く、中に、中に……!
そう思った法子だったが、法子は首を振り馬鹿な妄想を振り切る。
しかし頭の空想はとめられなかった。
先ほどまで責めや過去の調教、自慰を思い出してしまう。
胸をめちゃくちゃに揉んで、触って、喘いで、あそこをびしゃびしゃにして……。
いつもは隠れてしまっている陥没した乳首も外に出て、大きくなって立って、そしてそれを責められる。
言葉でも、与えられる快感でも、痛みでも。
それこそ全てに反応してしまうと言っても過言ではない。
胸への強い刺激はもちろん、陰核への責め、過去の調教、自慰、それら全てを思い出してしまう。
「どうですか? 最高でしょう? これこそ君が求めていたものだろう?」
そのマーカスの言葉が頭の中に響く。
こんな時に、マーカスのあの声が頭に響くだなんて……。
私は求めていたのかもしれない。もしかしたら、こういうのを求めていたのかもしれない。そんな気がしてきてしまう……。
だが、ダメだ。求めてしまったら、負けることになってしまう。
負けを認めてしまいそうになる……!
もう一度、「あれ」をやられたら、そうしたら、きっとイケる。
アクメを迎えることが出来る。
だけど、それはいけないこと……。
でも、でも……と、法子はひたすら空想を思い描いていた。
マーカスに触手で弄られて、胸をむちゃくちゃにされて、下半身もぐちゃぐちゃと酷く扱われて……。
そんなことばかりが頭を過る。
その度に、もう一つ、必ず頭に浮かぶことがある。
退魔師なのだから、ここを乗り越えられなくてどうする……と。
ああ、でも退魔師でも性欲はあるの。
退魔師でも気持ちよくなりたいの。
そう思うと余計に下腹部の奥が疼いて、乳首や陰核が敏感になる。
少しの揺れで反応して、大きくなって、そこをさらに触手で刺激されてしまう。
法子はもう限界だった。
辛くて辛くて、負けを認めてしまいそうになる。
でもそれは、それだけは認めてはいけない。
もうすぐ八雲先輩が来てくれる。
そう思えば、たとえ耐えられなくなったとしても、心までは完全に敵のものにはならないと、法子は信じていた。
でも、この責めは辛い。
苦しい……。
法子は心で崇拝する八雲に助けを求めた。
(八雲先輩。助けて)
でも返事はまだ返って来ない。
仕方がないことだ。
だが、もう八雲だけが法子の正義であり最後に縋れる神のようなものだったのだ。
悶え苦しむ法子。
もし手足が使えたら、自分で下半身を何度も弄ってしまいそうなほどの焦らし。
下半身が、まるで別の生き物のようにうずうずとしていて、上の口と同じく、涎を垂らして刺激を求めた。
それでも中には何の刺激もなくて、ただただ下半身が昂るだけ。
……ずっとこのままなの?
八雲先輩が来なかったら、どうなってしまうの?
法子はそう思うと、この先が恐ろしく思えた。
もしかして、捨てられたでは?
そうとも考えられた。
もし捨てられたのだとしたら、私はどうしたらいいの?
八雲先輩からも、捨てられてしまったの?
もしそうなら、もう勝ち目は……ない?
元から、マーカスは法子ではなく八雲に仕返しをしたかった。
八雲を倒せるのなら、それだけでいいはずだ。
だから法子は用済みになれば捨てられる……。
法子はそう考えると、どうしたらいいのかと焦りを見せた。
八雲のことも、マーカスのことも、どうでもいいと言ったように、欲望だけが頭に残る。
イキたい。アクメしたい!
そればかりが頭に残り、法子を悩ませた。
だけどそれを叶えてくれる者はいない。
与えられる刺激に、ただただ法子は必死に受け取るだけだった。
受け取ることしか出来ない。抵抗など出来るはずがなかったのだ。
「ひっ、いいぃ……っ! あっ、ぐぅ!」
胸全体を大きく吸われて、胸がぐっと伸ばされた。
そして振動を与えられ、胸が小刻みに、時折ダイナミックに揺れる。
拘束された手がむずむずと動いて、足がぴんとして、アクメに近づいていく。
でもそうすると今度は刺激を与えられない、またはわずかなものにしかならず、結局アクメが出来ないのだ。
その度に足を開いたり閉じたり、指先にも力を入れた。
手だって拘束されているのに、出来る限り動かして、もどかしい気持ちがその指先に力を入れた。
(苦しい……! 寸止めばかり! もう辛いのに!)
法子はそう思うが、触手はやはり寸止めばかりしていた。
「うぐぅ……!」
喘ぎ声とは呼べないような辛そうな声を出す法子。
その声は、どれほど長く責められているのかがよくわかるものだった。
苦しくて苦しくて仕方がない。
表情にも余裕はない。
眉を顰め、全身ががくがくと痙攣を起こしていた。
もはや脱出やマーカスを倒すとうことよりもこのまま放置され、アクメ出来ず、発狂してしまいそうなことの方が怖かった。
少しでも刺激を得ようと、内股になり、胸を揺らす。
胸は大きく揺れ、その張りがまるで風船のように揺れる。
ほんの少しだが、刺激がある。
寸止めをされるよりかは、少しでも刺激があった方が楽な気がする。
そう思って法子は胸を揺らし、刺激を求めた。
だが、その姿は無様で浅ましい動き。
胸が揺れて、触手は動きを止めている。
いつの間にか思考は、初めは胸という単語だったのに、胸はおっぱいという単語に変わり、
脳裏を何度も今までの調教が駆け巡る。
もっと、もっとおっぱいに刺激が欲しい……。あそこに、入れてほしい……!
人外の快感……。しかしそれだけではなく、法子は絶頂中毒になりつつあった。
絶頂はなかなか迎えられない。だが、もし絶頂を迎えることが出来たら、それはきっと抜け出せない沼のようなものだろう。
この絶頂までの寸止めだけでもわかる。
絶頂したら、今度は絶頂無間地獄に突き落とされることだろう。
だが、絶頂を迎えられない今よりはマシなのだろうかと、法子は負けそうになっていた。
もう法子は最初の頃の自信はなくなっていってしまった。
法子は快感の虜だ。
人外の快感を与えられ続け、法子の中で精神的にも肉体的にも快感に依存しつつあったのだった。
■法子調教3
快感が次から次へと駆け抜けていき、法子はぐったりとしていた。
もう死んだ方がマシなんじゃないか。
そう思える程の強い快感を与えられ続けた。
そうかと思うと今度は唐突に責めをやめる。
法子は操り人形のようにマーカスに操られていた。
それから快感を与えられてから、長い時間が経ったように思える。
それだけの時間、法子は責められ、大量の体液を身体中に滲ませながら荒い息をしていた。
拘束された手足を動かすことすら出来ないくらい、疲れている。
もし、疲れていなかったとしても、動かしたところでどうにもならないことなどはわかっているが……。
わずかに残った体力で、拘束された手を動かす。
ダメだ、動かない……。
動いても、可動範囲は限られている。
こうしている間にも、八雲先輩が向かって来てくれているのに……。
自分は何にも出来ない。
出来たとして、精一杯の反抗。
質問に答えないということくらいしか出来ないのだ。
しかしそう思いながらも、与えられる刺激を思い出す。
いきなり胸に大きな衝撃があって、擦られて、摘まれて、抓られて……。
そんな刺激が、またないだろうかと心待ちにしている自分がいる。
法子は高いプライドが空高くから強く地面に叩きつけられたような気がした。
崇拝する八雲のことよりも、己の欲望が深く胸に沈み、そして渦を巻いて心を支配したのだ。
快感が欲しくて、どうしようもない。
屈辱だわ、こんなことで……。
でも、もっと欲しいのよ。あの快感が。
人には出来ない大きな、大きな刺激が欲しい。
どうしても、欲しくなってしまう……。
八雲先輩の情報を売れば、きっとたくさんアクメさせてくれる。
でもそれは自分の負けを認めたことになる……。
快感でおかしくなっていく頭、身体も反応してしまって、体液をだらだらと垂れ流している。
今だって汗が噴き出ていて、足に伝って底なし沼に落ちていく。
ダメよ。こんなことで、八雲先輩を裏切れない! でも、快感が気持ちいいの。もっと欲しい! だけど、だけど……! いえ、八雲先輩を信じればいい。八雲先輩だけを信じていれば、きっとそれで大丈夫。私は、八雲先輩が来てくれて、あの憎いマーカスを再び地獄へと叩き落としてくれると信じているのだから。
快感でパンクしそうな頭を必死に振り、正常な思考に戻す。
快感を与えられ続けたらどうなるかわからない。でも、それでも八雲先輩を裏切ることだけは、したくない……!
法子はそう思って負けを認めてしまいそうな自分を必死に律した。
八雲先輩を待つ。八雲先輩を待つんだ……! そうすれば、きっと救われる。私は八雲先輩に救われて、マーカスを地獄に叩き落としてやるんだ。
そう思う法子は、まだわずかな希望に追い縋っていた。
もうそれしか、助かる方法はないと、そう無意識に思ったのだろう。
マーカスにだって、怖いものはあるはずだ。
それが、八雲先輩。
だから、大丈夫。
八雲先輩さえ来れば、あとはなんとかしてくれるはず。
ううん。なんとかする。
八雲先輩に助け出されたら、今度は私が八雲先輩を助ける。
そして、二人でこの地獄のような空間を壊すんだ。
八雲先輩が、来てくれればきっとマーカスだって倒せるし、ここから助けてくれるはず。
法子はそう思っていた。
だが、法子の精神は既にマーカスの思い通りになっていた。
こうなることをわかっていて、マーカスは快感を与えていたのだ。
ぎりぎり自分のプライドで立っている法子に、快感と言う重石で地獄の底へと誘う……。
法子はそのことに気づいていなかった。
全てはマーカスの手のひらの上……。
法子の快感を、精神を全て手に取るようにわかるだけでなく、管理している。
こうなってしまった法子の心の状態を把握し、そして身体への快感までしっかり管理しているのだ。
だが、それはまだまだ序の口。
今はまだ法子で遊んでいるような状態。
まだまだ苦しんでもらいますよ。
マーカスは本気を出していなかった。
法子をただ弄んで、楽しんでいる。
だが、情報が欲しいのも本当のところだ。
さあ、どうしてやろうか。
このまま遊んでやって、もっと快感の虜にして骨抜きにしてから情報を聞き出してやろうか。
いや、それではつまらない。
もっと退魔師らしく、反抗してもらわなくては。
それよりも、従順にしてしまおうか。
この様子ならあっと言う間に自分の言いなりになるだろう。
もっと刺激を与えて、頭をおかしくさせて、情報を喋らせればいい。
マーカスはそう考えていた。
一方で、法子は責め苦が少しでも止まっている今、なんとか少しだけ意識が正常になっている。
しかし、それが逆に法子を苦しめることになるのだ。
マーカスが法子のところへやって来て、こう問いかける。
「君の崇拝する八雲の刀と能力は?」
マーカスはそう言って、少しだけ本気を出すことにした。
しかし、法子で弄ぶのも悪くはない。
法子で遊んで、もし壊れてしまったら次の犠牲者を選べばいいのだ。
だが、法子もやはり退魔師とだけあって、強い精神力を持っている。
長いこと楽しめそうだ。
どうやって八雲の情報を引き出そうか。
やはり快楽責めがいいだろう。
マーカスは楽しそうにそんなことを考えていた。
そして法子は当然、八雲に関するその答えを言うことはない。
崇拝する八雲先輩の情報を吐いてなるものか。
たった一つの希望を、こんなところで、こんなやつに壊させない……!
たとえ、身体が快感を求めてしまっても、精神力でなんとか耐えてやる!
息の上がった状態で、法子はしっかりとマーカスを瞳の中心に捉えて答えた。
「言えない」
八雲のことだけは言ってはいけないと、法子は心に決めていた。
それはまるで人外の精神力……。
あれ程の責め苦を受けながら、決して八雲を裏切らない心。
なかなか出来ることではない。
だが、「言わない」ではなく「言えない」と言った。
つまり、言える状況であれば自分の意思で言うかもしれない。
マーカスはその言葉に面白さを感じていた。
だが、続けて法子はこう言う。
「私は何があっても八雲先輩を売ったりはしない」
強くそう言う眼には、強い覚悟が見えた。
そんな法子に、マーカスはわざとらしく溜め息を吐く。
「あなたには負けましたよ。一回、別の質問を致します。では、あなたの名前は?」
マーカスはわかりきったことを聞いた。
知ってる癖に、白々しい。
でも、言わなければどうなるかわからない。
こんな敵の言う通りになるのは癪だったが、法子はこのくらい大した質問ではないと思い、答えることにした。
マーカスを睨みつけながら口を開く。
「九条院法子」
このくらい、言っても大丈夫なはず……。だって、敵は既に私の名前を知っているんだから。
それに、言っても被害があるのは私だけ。
だから、このくらいのことなら言っても大丈夫だ。
八雲先輩にも、迷惑は掛からない。
だから、きっと大丈夫。
そう思いながら、自分の名前を言った瞬間、あの感覚が全身を駆け巡る……!
マーカスが時間停止後に法子の双乳を激しく愛撫し、時間を動かしたのだ。
「あっぁああああーっ!」
法子は全身を反らせて叫んだ。
強すぎる快感に、声を吐き出さないと正気が保てない。
いや、声が自然と出てしまうのだ。
声が出なくなったら、それこそ気絶をしてしまうのか、それとも喉が枯れたかのどちらかだ。
声を出しながら思う。
こんな快感、気持ちよすぎて気絶してしまいそうになる。
だが、待ち望んでいた強い刺激……。
法子は乳アクメをし、自然と涎が出て白目を剥いて背中を反らせた。
胸に強すぎる刺激を与えられたため、法子は口を大きく開けて、たくさんの唾液を零し、がくがくと身体を揺らす。
強い精神は一瞬で崩れ去り、プライドも何もないただの雌の姿がそこにあった。
法子のその姿を見て、マーカスは口角を上げた。
快感の虜になるのはきっとすぐだ。
この快感に勝てる者はいないだろう。
それに、人間は一度手を上げたらなかなか下げられない生き物だ。
つまり、一度答えてしまえばまた次も答えてしまう。
かわいそうな法子。八雲さえいなければ、こんな目には遭っていないだろうに。
マーカスはそう思いながら、こう言った。
「ご褒美です。もっと味わいたくありませんか? もし、味わいたいのならば、こちらの聞きたい情報を渡してさえくれれば、して差し上げましょう」
「……ぁ、あう……、う、うう」
法子は口から声にならない声を上げて、快感を感じ取っていた。
もっと、もっと欲しい……!
法子は徐々にその快感を追い求め、口を開いてしまう。
「八雲のフルネームは?」
不安そうに瞳を潤わせ、マーカスをちらりと見て答える。
「……鷹城八雲」
少し戸惑いながらそう言うと、あの感覚が全身を駆け巡る!
マーカスが時間停止後に五裂触手で愛撫後に再び時間を動かしたのだ。
胸を大きく動かし、激しく責め立てた。
その刺激が一気にやって来れば、どうなるかわかるだろう。
法子は背中を大きく反らせて胸を前に突き出して、また白目を剥いた。
身体を、両手足をがくがくと震わせる。
「っ! あぁっぁああああーっ! イグっ! イグゥっ!」
潮を噴き、その液体が下に落ちていく。
法子は顔が赤くなり、目の焦点が定まらない。
何で……。凄く、気持ちいい……。
衝撃のあまり、潮を噴いてその液体が下に弧を描いて落ちた。
法子は身体の力が全然入らず、恐らく自分一人だったら自立さえ出来なかったことだろう。
触手、そして床に支えられてやっと姿勢を保てていた。
そんなぎりぎりの状態でいる法子を見たマーカスは、嬉しそうに笑う。
「こんなにも気持ちよさそうにされていると、こちらも嬉しいですねぇ。ほら、もっともっと教えてください。そうすれば、気持ちよく、なれますよ」
(本当……? 本当に、もっと気持ちよくなれるの? もっとおっぱいをいじめてくれるの? たくさん、あの気持ちいいのをくれるの?)
法子はそう思うと、身体に刺激があったわけでもないのに、少しばかり四肢が、胸が震えた。
もう動かないと思ったのに。
もう動かせない程の快感を与えられたと言うのに……。
次を期待してしまう自分がいる。
ああ、八雲先輩ごめんなさい……。
こんなこと、思ってしまってはいけないのに。
そう思いながらも、法子は先に待つ快感を想像して、身体をびくんびくんと震わせるのだった。
八雲への清らかな想いは、淫らな気持ち良さと引き換えに、今、取引をされようとしていた。
マーカスはその心を理解しているのか、次の質問をした。
「さあ、次の質問です……」
法子は快感を得ようと何にでも……というわけではないが、自分の情報や、話してしまっても問題はないだろうと、わずかに残る正常な脳みそで考えて話した。
その度に、マーカスは快感を与えたり、与えなかったりと意地悪なことをする。
「……そうですね。そろそろ快感を与えてあげましょう」
情報量が多くなっていくにしたがって、乳アクメを何度も与えられるようになった。
「いぎいいいいいいいっ!」
何度与えられても慣れることのない快感。
背中をぐっと反らせて胸を突き出す。
そしてまた胸を弄ばれる。
法子は喘ぎながらその大きな胸を快感で揺らした。
「なかなかいい子になってきましたね。もっと出来たらご褒美をあげましょう」
マーカスは言いなりになっていく法子を、餌を目の前にした犬のように感じていた。
「ご褒美……っ」
法子はそう言うと唾液を飲み込んだ。
欲しい。ご褒美が欲しい。
もっと、もっと頭がパンクするくらいの強い衝撃が欲しい。
だけど、八雲先輩のことを言ってはいけない。
それだけは守らなければ。
そうしなければ、純粋な自分には一生戻れない。
強い自分でいられなくなる。
やっと、やっとここまで戦えるようになったのに。
強く、なれたと思っていたのに……。
荒い息を吐きながら、法子はぼんやりとそう考えていた。
そしてその後も、何度も質問は繰り返される。
その度に質問に答えて、胸を強く刺激されて、アクメする法子。
強すぎるその刺激に、涙も涎も流れて、大きく叫ぶ。
快感というにはあまりにも強すぎる刺激。
法子はその刺激の虜になっていく。
「しっかり教えてくれればまた快感をあげますよ」
マーカスの悪魔の囁きが、法子の心を蝕んでいく。
次第にそれは八雲への崇拝する心へも侵食していこうとしていた。
マーカスの質問に、法子は必死に答えていく。
まるで餌を目の前にした猿だ。
きぃきぃと鳴いて、欲しいとアピールをする。
だが、そのアピールは、全て受け入れられるというものではなかった。
質問され、答えても乳アクメはこないこともあった。
質問に答える瞬間、ドキドキする。
あの快感が来るかもしれない、逆に何もないかもしれない。
胸に全神経が集中していくのがわかる。
胸は触られたらそれだけで気持ちが良いだろう。
それだけじゃない。
痛みだって快感に思えることだろう。
そうして時折スパンキングをされ、刺激に耐えて、最後に残るのは快感だけ……。
もう、どうしたらいいのかわからない……。
法子は痛みと気持ち良さを感じて、さらに次の刺激を求めた。
マーカスはそんなことはお見通しで、意地悪そうに笑みを浮かべては質問を繰り返す。
「年は?」
マーカスは顔色を変えずにそう聞いた。
法子はもしかしたらまたあの快感を貰えるかもしれないと心の泥の中から手を伸ばす。
「……十九」
そう言うとマーカスは法子の胸に刺激を与える。
「あぁぁあああーーーーっ!」
胸の先が人外の快感に襲われ、異常な痙攣をおこす。
腰ががくがくと動き、足にぬるりとした液体が流れていく。
汗なのか、愛液なのかわからない。
だが、確実に法子から出ている刺激から快感を得ている証拠だった。
このまま質問に答えれば、かつての、いやかつて以上の乳奴隷にされる。
でも、答えてしまう。
「いい子ですね。では、ご褒美をあげましょう」
「ひぎぃっ! いぃいいいああああああっ!」
胸を強く擦られ、摘まれ、それらの刺激が一気に法子を襲う。
「もう、知らない……。本当に、知らないから」
そう言いながらも、マーカスが質問をすると、少しばかり口ごもりながら、やがて快感のために、言ってはいけないことも言ってしまう。
その度にマーカスは「ご褒美」として「快感」を与えた。
すっかり快感の虜になった法子はそれを貪欲に感じ、身体を痺れさせた。
だが、次のマーカスの言葉が、快感の虜だった法子の頭を、少しばかり元の正常さを取り戻させる。
「八雲の過去は?」
いよいよマーカスは八雲のことを強く聞いてくるようになったのだ。
法子は最後に残ったプライドを持って、「答えない」という選択をした。
「知ら、ない……!」
本当は知っている。だが、それを言ってしまったら八雲の秘密を暴露することになってしまう。弱みを敵に見せることになってしまう。
崇拝する八雲を、裏切ってしまう……。
「それはおかしいですねぇ。八雲を先輩と言って崇拝する君が知らないはずがないでしょう?」
「ほんと、に、本当に知らないのぉ!」
法子の出来る最後の抵抗だった。
本当は知っている。だけれど、わずかに残った八雲への信仰心にも似た気持ちが、それを言わないでいる。
八雲が不利にならないように。そして、このマーカスを倒してくれるように。
そう願いながら、「知らない」と言い続ける。
「ふうん」
「うああっ!」
マーカスは法子の胸を軽く弄ぶ。
それだけでも法子は酷く感じてしまう。
指先でつーっと滑らされるだけで、強い刺激に変わり、乳首を大きく揺らしてその快感を身体全体で貪る。
「ひぃっ! あっ、ああああっ!」
何度も擦られ、止められ、刷られては止められを繰り返す。
絶頂まで近づいては遠退いていく。
まるで生き地獄だ。
アクメが出来ない。
アクメさせてくれない。
ああ、八雲先輩……っ。助けて!
法子はそう思いながらマーカスの責めを受けていた。
だがやはり、アクメはさせてくれない。
アクメ出来るだけの刺激じゃなかったり、寸止めをされたりと、法子は辛い目に遭っている。
どうしてアクメさせてくれないの。
知らないって言ったから?
でも、だって私はそう言わなければならないの。
崇拝する八雲先輩のことを、そう簡単に敵に言えるわけがないじゃない。
私が犠牲になることで、八雲先輩が守られるなら、私は犠牲になってもいい。
……最初はそう思っていた。
でも違うとわかった。
(私は刺激が欲しい……。快感が、欲しい)
その本心に気づいてしまった。
「もっとしっかりした刺激が欲しいんじゃないですか? 本当のことを言えば、やってあげますよ」
マーカスはそう言って触手を見せつける。
法子はそれでも少しだけ残っている八雲への崇拝心でこう言うのだ。
「そんなこと、言われても……! 知らないの! 本当に知らないの!」
汗でだくだくになり、熱く息を荒げて胸を反らせるその姿は、まるで乳牛のようだ。
八雲先輩のことだけは、言っちゃダメ……。
それだけが今の法子を支える唯一の言葉だった。
でも快感は欲しい。どうしたら、どうしたら……!
そう思うも、八雲を売るということには踏み切れない。
だが、マーカスはそんなのお見通しだ。
「嘘、ですよね」
「ああっ!」
抓られる感触が法子の胸に走る。
抓られたところが少し赤くなっていた。
「胸を抓られるだけで、そんなに息も絶え絶えだというのに、さすがですね。凄い精神力だ。拍手を送って差し上げましょう。ですが、欲しいのは拍手じゃなくて、胸を弄られることですよね? 強い強い刺激で、アクメしたいんですよね?」
「……っ!」
法子は唇を噛んだ。
負けてなるものかと、そう思っていた。
だけれど、もう限界……。
ごめんなさい。八雲先輩……。私は、あなたを崇拝していました。
私はあなたにたくさん救われてきました。
それなのに、こんなことをしてしまってごめんなさい。
そう思いながらも、話せば与えられるであろう刺激を想像して、背中がぞくぞくとした感触が走っていった。
「八雲、先輩の……過去は……」
ついに法子は話し始めた。
自分の崇拝する戦姫、八雲の過去を。
出来る限り、自分の知っている八雲の過去をマーカスに、敵に話してしまった。
心にはとてつもない罪悪感と、快感への期待が入り混じる。
「……ふうん。なるほど、そういう過去が。さすがですね。こちらの想像以上にあなたは八雲のことについてご存知のようだ。ほら、ご褒美ですよ」
触手で法子の胸を強く吸い付き、素早く刺激を与え、一気に絶頂まで迎えさせる。
「いぃぃい! ひ、やあああああああっ!」
電流を食らったかのように身体を麻痺させる。
ご褒美だと言われたその刺激は、ご褒美にしては酷く手荒く、強すぎる刺激だった。
だが、法子はそれを望んでいた。
望んだ快感を得られて、法子は股の間からまた透明の液を噴き出していた。
気持ちいい! 気持ちいい!
狂ったようにそればかりが頭を支配した。
もう脳みそはショートしてしまっている。
ただ快感を貪るだけの、乳アクメをする人形のようなものだった。
「さあ、能力と刀の名も教えてください」
マーカスは法子が自分の手に落ちたことを確信した。
法子は息を少し整えると、質問に答え始める。
「や、八雲先輩の、能力と刀の名は……」
八雲の過去、能力、刀の名すらも、法子は語ってしまった。
その強いアクメが欲しいがために……。
そして同時に心の中では裏切ってしまったという大きな傷が出来ていた。
それは到底修復出来るものではなく、今後もずっと背負い続けることになるだろう。
「あなたは随分と八雲のことが好きなようだ。そんなに情報を渡して、助けてくれると思えるんですか? きっと八雲も思うことでしょう。あなたさえ質問に答えなければ、なんて… …。ああ、アクメしている今は、何も聞こえませんか」
法子はアクメしてだらしなく肢体を麻痺させていた。
ああ、八雲先輩、ごめんなさい。
私がもっと強ければ、こんなことには……。
でも、それだけ大きな快感が、欲しかっただけ。
……本当に、ごめんなさい。
法子はそんな気持ちでいっぱいになった。
何度も訪れる絶頂の隅で、残っている正常な思考は、早くもなくなりかけていた。
■法子調教4
もはや法子はいつでも堕とせる状態。
法子はマーカスが少し押すと、そちらに傾いてしまうやじろべえ状態……。
繰り返される快感と質問攻めに、法子はもう何を聞かれても話してしまう。
あれだけ崇拝していた八雲のことも、自分の知っていることなら何でも話してしまうくらいだ。
それ程までに精神を削られ、思考力を奪われてしまった。
そして、聞かれてもいないのに自然と快感欲しさに言葉が出てしまう。
「八雲先輩は私よりも胸が大きく、負けず嫌いです」
マーカスは可愛がるように法子の胸を少しだけ刺激した。
「んんっ」
その反応を見てから、マーカスはさらに詳しく知ろうと問いかける。
「胸の形は?」
「あ……、んんんーっ! む、胸は服の上からしか見たことっ! ……あぁ、触りながらされたらっ」
今でも尊敬している。崇拝している。
でも、だからこそ自分が堕落してしまったことで、より八雲が輝いて見えた。
だが、喋ってしまう。
これで最後。
この絶頂で冷静になって、石になって耐え、反撃の機会や救援を待つ。
それは何度目かの覚悟だった。
しかし、そう思って何度答えただろう。
法子の各画はどんどん後退していく。
「では、八雲の乳首の形は?」
「だから、知らないの! 服の上から見ただけだからぁっ!」
「まさかとは思いますが、嘘は吐いていませんよね? もしそうなら、もうずっと触らないでいてあげますが」
「本当よっ! 本当のことを言ったの! うああぁっ!」
「……仕方がありませんね。信じてあげます。でも、忘れないでくださいね。あなたは捕らわれの身。いつだって、どうにでも出来るんです。こんな風に」
「いぎぃっ! あ、ああああああぁっ!」
法子は何度目かの絶頂を迎えた。
手がぴくぴくと動く、足が、がくがくと力が入っては抜けていく。
「では、八雲についてもう少し教えていもらいましょうか」
「本当に、本当にっ! もう何も知らないの!」
そう言って、必死に快感を求める自分を抑え込みながら、法子は言った。
だが、そんなもの、抵抗の内には入らないと言った様子で、マーカスは何度目かの大きな快感を法子に与える。
「ひぃいいいいいっ!」
何度も弄られて腫れあがったかのように大きく、赤くなった乳首に刺激を与えられる。
「嘘はいけませんよ。嘘は。ほら、話してごらんなさい。あなたの崇拝する八雲のことなら何でもいいですよ? そうすればご褒美をいっぱいあげますからね」
「や、八雲先輩は……」
なるべく八雲が不利にならないようにと、あまり深くまで掘り下げずに薄く広く八雲について話してしまった。
石のようになろうだなんて、出来やしない。
そんな自分に苛立ちを感じるよりも先に、快感を与えられて頭がショートする。
法子はこのまま快感を与えられ続けたら、いつか死んでしまうんじゃないだろうかと頭の片隅でぼんやりと思った。
「ほら、何を勝手に休んでいるんですか」
マーカスはそう言って法子の胸を強く刺激した。
「ぎぃぃいいいいいい! ひっ、いやああっ!」
絶叫が響き渡る。
それ程までに強い刺激……。
法子は意識が遠退いていくのを感じた。
しかしそれをマーカスは許さない。
意識が遠退きそうになると絶妙なタイミングに、触手で法子の精神を現実に繋ぎ止めるのだ。
気を失うことさえ許されない。
法子はもう限界だった。
「もっと話せますよね? さあ、話してください。鷹城八雲のことについて」
「もうこれ以上は知らないのっ! 知らないのよぉっ!」
「ですが、あなたは知らないと言いつつ、ボクが聞くと何でも話しますよね? まだ何か情報を持っているんじゃないですか?」
そう言いながら、マーカスは触手で法子の胸を強く吸引し、さらに先端を触手で刺激した。
「いぃぃいいいいい!」
法子は叫ぶことしか出来なかった。
目をひん剥いて、浅ましくも腰をがくがくと揺らし、胸を大きく突き出して腰と同じく揺らしていた。
「何でも話してくれますよね? そうすれば、こうやってご褒美をあげると、何度も言っているじゃないですか」
「話すっ! 話すぅ! 話すから、もっといっぱいアクメさせてぇ!」
いよいよ法子の精神は壊れかけていた。
「ではしっかり答えてくださいね。八雲は……」
ああ、ごめんなさい。八雲先輩。
私、八雲先輩の秘密をたくさん話してしまいました。
崇拝する、八雲先輩……。
私は、助けられる価値もありません……。
そう思いながら、法子は口からは八雲の情報と熱い吐息を漏らし、身体からはいろいろな体液を滲ませていた。
長いこと淫気を吸い込み、晒されただけあって、性的興奮が治まらない。
もはや八雲の情報よりも、与えられる快感、刺激、アクメのことばかりを考えていた。
八雲の情報さえ売り渡せば、それだけ気持ちよくなれる。
でも、崇拝する八雲の情報を話すことは、法子のプライドを粉々に打ち砕いた上に、裏切ってしまったという負い目を背負うことになってしまったのだ。
「ほら、何をのんびりしているんですか。次の情報を教えてください」
マーカスはそう言うと、法子の胸を抓った。
「ああああっ!」
痛みで意識が現実に戻される。
そして何度も八雲について話させられ、法子は快感に溺れていく。
さらにはプライドも踏み砕かれ、当初の強い法子ではなくなりつつあった。
でもわずかな希望、八雲が向かって来てくれていることだけは忘れなかった。
八雲先輩は助けてくれるだろうか。
八雲先輩の情報を敵に渡してしまった私を、八雲先輩は助けてくれるのだろうか。
それとも、呆れられて、助けてくれないのだろうか……。
いや、そんなことは。
でも、もしも……。
考え出したらキリがない。
「何を考えているんですか? 私の言っていることにだけあなたは集中して答えればいいんですよ?」
「うああっ!」
胸を再び弄ばれる。
もう限界だ。
八雲先輩……。
意識が泥の中に沈んでいくのを法子は感じていた。
もうプライドも何もない。
助けられる資格なんて、もうない……。
私は八雲先輩を売ってしまった。
ああ、ごめんなさい。
法子はそう思いながらも、胸に与えられる刺激に喘ぐ。
そしてマーカスが欲しがる情報をあっさりと渡してしまう。
退魔師として、人間として、法子は堕落してしまった。
一度深みに入ってしまうと、もうそこから上がることは出来ないと言ってもいいほど難しい。
もう法子はマーカスの手の内に完全に落ちてしまった。
マーカスは自分の言う質問に対して全て答えるようになった法子に、笑みを見せた。
その笑みは酷くどす黒い何かを含んでいるかのようだった。
ああ、もうすぐ八雲先輩が来てくれる……。
でも、もう顔向けできない……。
八雲先輩、ごめんなさい。ごめんなさい。
法子はそう思いながら、与えられる快感を気持ちよさそうに受け入れてしまっていた。
いや、だが、気持ちいいのは身体だけだった。
心も確かに気持ち良さを求めていたが、その度に深い罪悪感を心の底に落としていったのだった。
私の大好きな八雲先輩。強くて格好良くて、いつも心の支えだった。
でもそんな八雲先輩を裏切ってしまったなんて、酷いことをしてしまった。
こんな裏切り行為をした自分を、私は許せない。
法子はそう思っていた。
もし、無事八雲が助けに来てくれても、合わせる顔がない。
それでも、きっと来てくれるんだろうなぁ。
法子は快感から来るものとは違う熱い涙を流した。
八雲先輩、八雲先輩……。
こんな私でも、助けに来てくれますか……?
そう思いながら、マーカスの責めを受け入れていた。
「さて、いろいろと教えてくれてありがとう。きっともうすぐ、鷹城八雲が来ることでしょう。私は迎えに行ってきますね」
ああ、八雲先輩……!
どうかこんなやつには負けずにいてください。
そう願わずにはいられなかった。
これはbc8c3zがあらすじ・設定を作り、それを元に根本鈴子先生に書いてもらった綾守竜樹先生著・魔斬姫伝の2次創作です。
綾守竜樹先生のファンの方に読んでいただければ、それに勝る喜びはありません。
一瞬でも先生がいなくなったことの皆さんの孔を埋めれれば幸いです。
感想があれば励みになりますのでお書きください。
またアンケートだけでもいただけたら今後の参考になりますので入れてください。
よろしくお願いします。